神戸支社に勤務していた一人の女性、「黒ちゃん」について話そう。黒ちゃんは、美人でスポーツ万能、その上愛想がいい女の子だった。私が、神戸支社によるといつも話をしていた子で素敵な子だった。私以外のスタッフは何故か黒ちゃんの事を黒川さんと呼んでいた。あの料飲部の悪餓鬼軍団でさえ、「黒川さん」と呼んでいた。私は、かなり黒ちゃんと親しく、黒ちゃんの夢は、東京に出て歌手を目指すというのでその時は応援するよと軽く口約束をしていた。そんなある日、私が神戸支社に遊びに行くと、いつものように黒ちゃんがいて彼女が珍しく真面目な顔で「今度家に遊びに来る??」といいだした。私は、折角のめったにない誘いなんで「是非、遊びに行かせてよ・・。」と即答した。暫くして、悪餓鬼軍団が何処からかオフィスに戻ってきた。「こんにちは・・。山川さん、中川さん。」、「おお、幸喜来てたんか。」、「はい、調度さっきの船で・・。」私たちは、雑談を暫くした。そんな他愛もない会話の中で私が「今度、黒ちゃんの家に遊びに行く約束したんです。」というと一瞬みんなの顔がゆがんだように見えた。山川さんが一呼吸おいて私に話しかけた「幸喜、黒ちゃんじゃなく。黒川さんて呼んだ方がいいぞ。それに、彼女の家・・・本当に遊びに行くのか??」、いつも悪戯好きで肝っ玉の据わった山川さんが何か意味ありげに私につぶやいた。私は、危険な匂いを感じ取ったが既に黒ちゃんには約束した後だったので・・・。黒ちゃんに言われた住所に到着した時、私は山川さんが何を伝えたかったのかやっと悟った。厳しい門には、大きな看板がかかっていた。そこには、はっきりと「黒川組」と力強い字で書かれていたのは言うまでもない・・。幸喜危うし・・・。
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幸喜3319
表の世界と裏の世界の狭間を日常にするヘッドハンターという人種の日々起こる出来事をあなたにも、ほんの少しお知らせします。
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