菊池洋子ピアノ・リサイタル＠兵庫県立芸術文化センター

7月３０日に兵庫県立芸術文化センターの小ホールで開催された 「菊池洋子　ピアノ・リサイタル」に行った。 モーツァルト弾きとして有名な菊池さんだが、 今回はバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を演奏されるとのことでめっちゃ楽しみだった。 コンサートの３日前に腰を傷めたが、「絶対コンサート行く！」って気合で出掛けた。😂 結果、頑張って出かけて良かった！！ 演奏の前に、菊池さんが「ゴルトベルク変奏曲」に籠めた想いを語られた。 いつか取り組みたいと願っていたところ、コロナ（茶番デミック）禍で、 演奏活動が全部キャンセルとなってしまい、逆境を好機ととらえ、この大作に向き合われたとのこと。 演奏活動ができない辛い日々を「ゴルトベルク変奏曲」が癒してくれたとも語られた。 通常は、途中で休憩を入れる演奏家も多い「ゴルトベルク変奏曲」だが、 菊池さんは休憩なしで１時間２０分の全曲通しで演奏された！ 会場のピント張り詰めた雰囲気の中で、菊池さんが集中した表情で演奏に入られた。 世にも美しいアリアは一挙に心を宇宙への旅に連れて行ってくれる。 緻密で煌めく星々の一音一音は、世界を構成するモザイクの宝石としてはめ込まれていくようだ。 ”パトロンであった伯爵の安眠のためにバッハが作った”という逸話はいまや嘘だろうと言われている。 この作品を聴いたら、心が癒されるが、聞き入ってしまい眠るどころではないのだ。 あっという間の１時間２０分も最後のアリアに差し掛かり、星の煌めく世界から、 リアルワールドへ意識が戻される。 最後の一音をじっと味わった後、満場の拍手喝采！！ 菊池さんの表情も集中と緊張からほっとした笑顔になった。 一流のピアニストってすごいな～！ってひたすら感動する私。 「ゴルトベルク変奏曲」に関しては楽譜を置く演奏家も多いが、菊池さんは暗譜だった！ 凄すぎる！！ 菊池さんの新境地ここにあり！って思った。 素晴らしいリサイタルだった！！