「青春18きっぷ」変更(2024年11月発売)
「青春18きっぷ」の利用方法が2024年11月発売分から変わるという事で、最寄りのJR駅でパンフレットを頂きました。パンフレットには、根室本線 野花南ー富良野の景色(2024年1月撮影)の写真が載っており、「冬の朝、遠くに人々の温もりが見えた。」と書いてあります。変更点は次の通りです。「青春18きっぷ」のリニューアルについて・自動改札機をご利用いただけます。・新たに「3日間用」を設定します。・きっぷの有効期間は、ご購入時に選択する利用開始日から連続する3日間または連続する5日間です。・複数人(グループ)での同時利用はできません。1枚のきっぷにつきお一人のみご利用になれます。値段 【3日間用】10,000円 【5日間用】12,050円 *大人・こども同額です。変更前は、利用期間内であれば5枚分の切符を好きな日にバラバラでも利用できますし、友人や家族と一緒に使用することもできました。ところが変更後は、1枚につき一人分発行となり、他の人と共有することができなくなりました。家族と利用するときは、それぞれ購入しなければなりません。また変更後は5日間切符か3日間切符を選択して購入しますが、購入時に指定された利用期間中に、それぞれ連続する5日間か連続する3日間を設定しなければなりません。つまり、期間中、好きな日に自由に利用することができなくなりました。今までは、青春18きっぷを購入していても、天候が悪いので今週末をやめて来週末に変更しようとか、週末に家族一緒で利用しようとか、5枚つづりで1枚余っているので期間最後の週にどこかに行こうという話をしていましたが、それはできません。地方ではJRの多くの駅が無人駅になっていき、青春18きっぷを駅員が確認することが難しくなってきていると思います。改定後の青春18きっぷは自動改札機を利用できるという事で、事務的には改善されているのでしょうが、その代わり、自動改札機を通すためには、切符は一人につき1人とせざるを得ず、好きな日に使える形ではなく、5日間もしくは3日間の連続利用としなければシステム上管理できないのでしょう。連続5日間を利用する人はどんな人でしょうか。5日間の休みを取って5日間ひたすら鉄道の旅を楽しむ人でしょうか。会社で働いていると、なかなか5日間連続利用は難しいです。今後、色々な利用方法を思いつく方々が出てくると思いますので、参考にしていきたいです。私の本棚に「青春18きっぷで愉しむ鉄道の旅/青春18きっぷ探検隊編 代表中尾一樹/小学館文庫/小学館(2004年7月)」があります。20年以上前の本ですが、青春18きっぷについて分かりやすく書かれているので、少し紹介します。2004年7月時点の内容です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(P16)「青春18きっぷ」の料金は5回(あるいは5人)有効で11,500円・・・ということは、1日2,300円になります。そして東京から大阪へは特急や急行を使わなくても1日で行くことが可能です。つまり「青春18きっぷ」を使えば、たった2,300円で、東京から大阪まで行けるわけです。(P17)ですから、「青春18きっぷ」というのはどんな人にも、どんなときにもおすすめできる切符ではありません。一刻も早く目的地に着きたい、お金はいくらかかってもかまわない、という人には「青春18きっぷ」はまったく向いていません。そういう人は、新幹線を使われるのがいいでしょう。でも、時間に余裕がある、交通費をあまりかけたくない、鉄道旅行が好き、などという人には「青春18きっぷ」はぴったりの切符です。≪東京ー大阪》でいえば、時間は6時間余計にかかっても、新幹線と比べれば11,000円以上が浮くのです。(P19)話を聞いてみるとさまざまな年齢層の人がいろいろな使い方をしています。たとえばー・旅仲間で古寺散策や札所巡りに・学生がグループで卒業旅行に・単身赴任の会社員が週末の帰省に・温泉めぐりなど自分の趣味の為に・定年後、夫婦でのんびり旅行を楽しむ・出張の行き来に使って、旅費を安くあげる・とにかく、日本中のJR線を走破しようと思っている(P231~233)【巻末コラム「青春18きっぷ」の歴史】「青春18きっぷ」が初登場したのは今から22年前、国鉄時代の1982年春のことでした。当時は「青春18のびのびきっぷ」という名称で、現在の1枚券方式とは異なり、1日券が3枚と2日券1枚の4枚つづりで、料金は8,000円でした。同年の夏には、同じく「青春18のびのびきっぷ」という名称で発売されましたが、今度は1日券4枚と2日券1枚の5枚つづりで1万円となりました。当初は冬期の発売はありませんでした。1983年春からは、枚数・値段は前年と同じでしたが、名称が現在と同じ「青春18きっぷ」になりました。そして1984年夏には、1日券5枚つづりで1万円となりました。それまでは「1日券X4+2日券」で合計6日間使えて1万円でしたから、事実上の値上げということで、利用者からは不満の声が多数上がったものです。1984年からは冬期も発売を開始しましたが、1986年冬にはさらに11,000円に値上げされました。その後しばらく変動はなく、JRの分割民営化後も発売は続けられ、1989年の消費税導入によって、消費税分が上乗せされて料金が11,300円になったくらいでした。ところが、1996年春に「青春18きっぷ」最大の変更がありました。これまでの「1日券が5枚」という形が、「5回分1セットの1枚券」という現在の形に変わったのです。それまでは、1枚ずつ切り離せて使用できるため、グループでの利用が楽でしたし、利用者間での譲渡や売買も自由でした。「青春18きっぷ」で旅行中に、別の「青春18きっぷ」旅行者から「『青春18きっぷ』売ってくれない?」と声をかけられて、余ってしまいそうな「青春18きっぷ」を売った、などということがよくあったのです。さらには金券ショップで売買されたりもしていました。JR側はそういった譲渡・売買を苦々しく思っており、それを防ぐために切り離し無効の1枚券方式としたのが実情のようです。さらに1997年には消費税率の変動にともない11,500円に値上げされましたが、その後は変動なく現在にいたっています。ところで、「青春18きっぷ」というネーミングはどこから来たのでしょうか?その点について、東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長の須田寛氏は、わが「青春18きっぷ探検隊」代表の中尾一樹が以前出版した『青春18きっぷ完全攻略ガイド』の中でこう述べています。「『18』という数字に各段の意味はないが、高校卒業の年齢で、旅に出やすい年齢が18歳くらいからであること、また『フルムーンパス』の条件が夫婦あわせて88歳以上ということで、縁起のいい末広がりの『8』を組み合わせて話題となっていたこともからめ、『8』の数字を取り入れたという程度の意味である」「青春18きっぷ」には年齢制限があるのではないかという、今現在も最大の誤解の元になっているネーミングには、こんな由来があったのですね。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー私が1986年(昭和61年)に北海道を旅行したときに、登別駅で購入した「青春18きっぷ」を写真に撮っていたので、紹介します。ーーーーーーーーー↓ 「この冬、「青春18きっぷ」が変わります。 2024年11月。↓ 根室本線 野花南ー富良野の景色(2024年1月撮影)の写真。「冬の朝、遠くに人々の温もりが見えた。」↓ 「青春18きっぷ」変更点。↓ 裏面。ーーーーーーーーーーーーーー↓ 「青春18きっぷで愉しむ鉄道の旅/青春18きっぷ探検隊編 代表中尾一樹/小学館文庫/小学館(2004年7月)」ーーーーーーーーーーーーーー↓ 私が1986年(昭和61年)に北海道を旅行したときに、登別駅で購入した「青春18きっぷ」を写真に撮っていたもの。自転車旅行をしたが、雨の日や、自転車が壊れてしまった後に鉄道で移動した。↓ 北海道の北見駅→上川駅での記念写真