2008/05/28(水)15:05
SHIMAVARA スペシャル版/藤田貴美
神国・日本の名の元、基督教を迫害し、
切支丹にあらゆる拷問・刑罰を与え弾圧した江戸時代。
肥後国・島原と天草には、うわべだけの転宗を装いながら
隠れて基督教を信仰する人々が残っていた。
そんな中、幼少より神童と呼ばれ、一目置かれて育った
少年・四郎は、恋人・有里や子供達と遊ぶ時間を大事に
過ごす毎日だったが・・・。
先日、「雪の女王」を読んでたら、気付いた事。
私、あまりに「EXIT」が好きで好きで、音楽ものに
囚われてるんだとばかり思ってたのですが、
そうじゃなくて(それもあるけど)この作者自体が好き?
・・・という訳で、今更ですがもう1冊購入してみました。
ほんっと今更ですが(--;)
んで、読後の感想。ああ、やっぱこの人、好きかも。
花ゆめ時代に読んではいたんですよ。
「SHIMAVARA」も少し読んだ記憶がある。
けど、当時はあんまり良い印象が残ってないんです。
「EXIT」は別ですけどね。
大人びた絵が苦手だったのかもなぁ。
でも、今は自分の年齢にすっぽりハマるというか。
私よりお若い作者さんには失礼ですが(^_^;
天草四郎時貞が綺麗です。美少年です。
そういう説がありますね。期待は裏切りませんw
でも、ちょっと思慮が浅いかなぁ。
ヒロイン・有里は四郎を支えようと一生懸命。
田舎娘っぽくしたかったのかもしれませんが、
もうちょっと色気付けてあげても良かったかも?
すごく純粋な主人公ふたりです。
が、それ以上にかっこいいのが伊豆守(いずのかみ)信綱と、
四郎の側近・恵茂作(えもさく)。
冷たく流した目線や淡々とした表情が、
自分の感情を素直に見せない大人の駆け引きを感じさせます。
学の有る無しではなく、頭のいい人っていうのかな?
逆に、同じく四郎の側近でありながら、本当に何を
考えてるのかわからない有里の叔父・宗意(そうい)。
結局彼は、四郎を利用してたんだな。更には姪の有里も。
そういう薄汚れたズルさは好きじゃないなぁ。
一番信用したくないタイプですね。
そうそう、本屋には置いてないので楽天で購入したんですが、
連載作品だったはずなのに「1冊」なんですよ。
届いて・・・納得。
分厚い!!!
背表紙がしっかり3cmあります。
裏表紙に「オリジナル2分冊」って書いてありますものね。
厚い訳だ。
SHIMAVARA スペシャル版 著者:藤田貴美
幻冬社 バーズコミックススペシャル 2003年11月発行