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葉子の日常

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2009年12月14日
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彼の休みの日には必ず会うようになった 葉子の仕事が終わってから翌日の朝まで一緒に過ごす ビール好きの二人だからいつも居酒屋で食事をしながらビールを飲む 同じペースで飲めるのが解ったのははじめてのデートのとき 女性としてはピッチが早く更に量もジョッキで毎回5~7杯がほとんど それが随分うれしかったらしく毎回ビールで乾杯から始まる

車なのでいつも同じホテルに泊まる チェックインの前に車を止めて歩いて飲みにいけるホテル そしてリニューアルしたばかりで部屋はきれいでしかも価格も手ごろ 常宿になった 彼の職場に車で10分 駅まで歩いて3分 葉子の職場にも家にも30分ほどでたどり着く条件のいい場所だ お互いの出勤時間の早い方に合わせてぎりぎりまで一緒に居られるというわけ だって楽しい時間は過ぎるのが早いから少しも無駄にはしたくない

このところ二回にわたり葉子は困惑した
セックスしている途中に勝手に涙が止まらなくなる 前回はたまたまそんな気分だったのかとも思ったが昨夜も同じだった 体を重ねて夢中になるとなぜか涙が・・・複雑な気持ち うれしくて切なくて愛おしくて狂おしくて気持ちよくて安堵とあせりと表現しきれない愛情に混乱して涙が溢れてとまらなくなる 葉子は子供のようにしゃくりあげ彼は繋がったまま顔を手で包み込み涙を拭う <大丈夫だから 大丈夫だから 謝らないの そのままでいいの がんばらなくていいの 自然にしてればいいの>と繰り返し 繰り返し呪文のように目を覗き込み葉子を包み込む 葉子は恥ずかしくなってしまうけれど言葉のまま涙が止まるまであやしてもらう 自分でも止められない涙と包まれる安心感に少し戸惑いながらも身をゆだねる

葉子のたがが外れたのだろうか ココロを偽るとか演技するとかそんな日常当たり前だったことが出来なくなってしまう もちろん彼と一緒のときだけだが 

今まで目を覚ますと背中を見つめることばかりだった
今は気がつくと胸の中に居るか手をつないでいることがほとんど 無意識でも一人ではないと確認しているのかも知れない

この年になって本格的に恋をしているのだと実感した 淡く儚い思い出にはしたくない 大切に大切にお互いがお互いを必要としはぐくみたい気持ちだと





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最終更新日  2009年12月14日 18時58分09秒
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