2006/12/08(金)14:43
育てず、育つのを手助け
以下に転載させていただくのは、
06年12月7日、朝日新聞テレビ欄の『試写室』に掲載された
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
についての番組評(by加来由子さん)
農薬や肥料を一切使わない青森県のリンゴ農家、木村秋則さんを紹介する。
インターネットで売り出すとすぐに完売。腐らない。木村さんは、農薬に頼らないリンゴ作りを日本で初めて本格的に成功させた人だ。業界では「不可能を可能にした男」と呼ばれ、農家や研究者たちが畑を視察に来る。
しかし、この作り方が成功するまで数年間、実はまったく実らなかったという。アルバイトで生計をたてていたが、将来への展望が開けず、自殺を考えていた時、ひょんなことから栽培のヒントをつかむ。畑をできるだけ自然の状態に近づけ、木の生命力を引き出せばよいのではないかと。
雑草が生い茂る畑。「育てない、(木が育つのを)手助けするだけ」という哲学に驚く。何事も待てなくて管理しがちな日々を過ごす身には、「待つこと」の大きさが胸にしみる。
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