大食い記念写真が心霊写真に『大食いメニューを制覇して店に写真を残すが決まって心霊写真になってしまう幽々子様 』これはとある飲食店を経営している友人に聞いた話なんですが……。 たまに見ますよね、大食いの店 ○○分に完食できたらタダ! っていうの。今はもう殆ど見ないかもしれないかな。 まあそういう店が一軒、駅前のビルの、3Fかな、あったんですよね。そこは確か海鮮料理の店でしたね。 それでその店でもそういうのをしていたんですよ。15分で鉄火丼ぶり10杯食べ切れたらタダっていうのが。 その店に行くと壁に写真が幾つか張ってあるんですよね。そう、過去に完食できた人の写真です。 皆大きく膨らませたお腹に手をやって嬉しそうにピースしてるんですよね。 私は出来ないので挑戦しませんが、その写真の中で一つ、奇妙なものが写ってあるそうなんですよ。 それはいつでしたか、冬の寒い日、夜遅くに女性客が二人組で来たんです。閉店間際にだったかな。 一人は背が高くてすっごい綺麗な人で、もう一人は小学生ぐらいの小さな女の子だったそうです。 その綺麗な女の人の方がまた透き通ったような美しい肌の人だったそうです。 それでその綺麗な人が大食いに挑戦したそうなんです。小さい女の子は一番安い定食を頼んだんだったかな? 友人の、店長、あいつは「こんなに綺麗な人が大食いだなんて凄いなあ」と驚いたらしんだよね。 んでまあ先に定食を作って女の子にあげてから鉄火丼ぶりの作り置きをしたんですよ。 「まだかしら」なんて余裕を見せる綺麗な人に苦笑いしながら、ストップウォッチ用意して「よ~い、どん!」って始めたんだ。 そこでそいつ、店長ね、おかしなことに気がついた。 用意したどんぶりがアッという間に消えていく。 「おかしいな、なんでだろうな」って考えてるうちにストップウォッチはどんどん進んで行く。 気がついたときにはその綺麗な人が箸を置いていたんですよ。 「もう食べたのかな? いやでもそんなこと出来るわけがない」 店長は焦った。ストップウォッチはまだ5分も進んでいなかったんですよ。 でももう用意した10個のどんぶりは無くなっている。「いつの間に食べられたんだ?」と店長は頭をかしげた。 それでまあ完食は完食ということで写真撮影したんですよね、記念に。 店長は「なんか変な感じがするなあ、いやだなあ」と思いながらも写真を撮ってお客さんに渡した。 その日はもう閉店時間になったので閉めたんですが、半年後だったかな? なんとなく思って写真を眺めてみた。 おかしいんですよ。そこに写ってるはずのないものがあって、あるべきものが無いんですよ。 その綺麗な顔の女性の顔が、いや体ごと写っていないんですよ。 替わりに白い、ぼうっとしたものが写っているんです。 さらにおかしなことに、その写真の後ろにいる小さな女の子は泣いている様な顔をしているんですよ。 なんでもその小さな女の子、お箸を握り締めていたそうです。 信じるかどうかは皆さん次第ですが、これだけは覚えて置いてください。 美食家と一緒にご飯食べるときは、自分の食事を守るということを 。 --------------------------------------------- 当サークルでは気に入っていただけた作品への投票を受け付けています。 よろしかったらご協力ください。時々投票結果をチェックして悦に浸るためです。 └→投票ページはこちら(タグ系が貼り付けられないため、外部ブログになります) |