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今日はいちごの通院の日でした。
我が家はもともと動物病院に通う回数は多いと思うのですが、いちごの具合が悪くなってからは更に通院頻度が増したと思います。 今年は元旦のハナちゃんの通院に始まり、何十回、もしかしたら百回以上通院しているかもしれません。 通院にはいつも同じ道を通ります。 具合の悪い猫を病院に連れて行く訳ですから、車を運転中の私の頭の中は猫のことでいっぱいです。 信号待ちの時にはキャリーの中の猫の様子を見ています。 なので外の様子や風景を眺める余裕などありません。 そして今日。 いちごは最近体調が安定してきたので、病院に連れて行くのにも気持ちに余裕が出来てきたのか、信号待ちの車の中からふと道路脇の鳩小屋に目をやりました。 その鳩小屋の持ち主とは知り合いでも何でも無いのですが、2年位前に鳩小屋の持ち主と少しだけ話をしたことがあって、レースのための鳩だと言ってました。 鳩のレースってどんなんだろう?と思ったのを良く覚えています。 今日も鳩は元気かな?そう思いながら車の窓越しに鳩小屋を眺めましたがそこにはもう鳩は居ませんでした。 遠目なのではっきり分からないけどなんか物置みたいになってるなーと思いました。 もうすぐ信号が青に変わりそうなその瞬間、信号に目をやる視界の片隅に何やら犬らしきものが映り込んできました。 信号が青になり車を発進させなければならなかったけど、もう一度チラッと鳩小屋を見たら座った犬が居る。 私は動物病院に向かいながら「鳩小屋に犬?でも物置小屋みたくなってたよ?犬、座ったまま動いてなかったしきっと犬の置き物だよね?」と自分に言い聞かせていました。 いちごの診察が終わって帰り道、さっき見た犬の置き物のことはすっかり忘れて居たのですが、鳩小屋の脇を通り過ぎた時にハッと思い出しました。 犬はきっと人形だ、でももし本物の犬だったら、、、 少し離れたところに車を止めて、鳩小屋に小走りで向かいました。 犬、でした。生きてる犬、でした。 片側2車線の大きな道路沿いにある鳩小屋。 1日中一般車両はもちろん大型トラックなどの交通量も非常に多い道路。 その道路沿いに鳩小屋はあります。 鳩小屋と言っても大きさは猫の2段ケージ位。 犬が過ごすには狭すぎです。 でももしかしたら今だけ、ほんの少しの間、鳩小屋で犬を待たせているのかもしれない、と思いたかったのですが、鳩小屋の中には犬のフードや蚊取り線香などが置いてあって、犬がすぐにそこから連れ出されるという考えは打ち消されました。 私は鳩小屋の持ち主の家をたずねました。 鳩小屋の持ち主はかなりご高齢の方です。 きっと2年ほど前に鳩のことで私と会話したことなどは忘れていると思いました。 ただご高齢と言ってもご自宅で商売をされているので当然きちんとお話も出来ます。 「すみません、お外のワンちゃんのことなんですが、、、」 その女性はもちろん私のことなどは忘れていましたが、突然訪ねていった私に対して快く対応してくれました。 私「お外のワンちゃんはずっとお外の小屋の中に居るのですか?」 鳩小屋の女性「はい。でも1日2回ぐらいはうちの人間がお散歩に連れていってます。」 私「それ以外はお家の中で過ごすとかそういうことは無く、ずっと小屋の中、、、ですか?というのも、これからどんどん寒くなるし、夏は猛暑だし、、、、実は私も犬と暮らしてましてね、やっぱり寒い中とか暑い中、お外に居ると大変だなーって思って、、、たまたま今外を通りかかったら可愛いワンちゃんが居たので気になって、、、突然すみません。」 犬の飼い主にとっては私の行動は文字通り『大きなお世話』です。 飼い主が自分の飼い犬をどう飼おうが、あからさまに虐待などをしていない限り第三者がとやかく言うことはとても難しいことです。 なので慎重に慎重に、出来る限り低姿勢に、、、 その女性は、鳩小屋の犬は知人から預かっている犬だということ、でも商売の関係で犬を家の中に入れることは出来ないということ、などを話してくれました。 知り合いから預かっている犬ならば鳩小屋に閉じ込められているのもあと少しだろうと遠回しに犬の状況を聞いてみると、犬は今年の2月から鳩小屋に居たことが分かりました。 今年の2月から?!!! 極寒の冷たい空気の中、猛暑で人間さえも倒れる空気の中、大型トラックがばんばん通る排気ガスだらけの空気の中、犬は半年以上も道路脇の小さな鳩小屋の中で過ごしていたのです。 そして私は鳩小屋のある道路を猫の通院で百回以上も通って居るのに犬の存在に気付いてあげられなかった。。。 その犬の半年以上の時間。 犬はたったひとり、小さな鳩小屋で、どんな気持ちで冬の寒い夜を耐え、どんな気持ちで夏の日中を過ごしてきたのか、、、 犬の飼い主はいつ引き取りに来るのかはっきりしないと言います。 それまで犬はずっと外の鳩小屋です。 そのことを知ったあと、少しでも望みがあるならと、勇気を出してこう切り出しました。 私「あの、、、あの、もし可能でしたら、ですけど、、もし可能だったらお外のワンちゃん譲ってもらうことは出来ませんか?これからどんどん寒くなるし、長い間外の小屋の中ではやっぱり可哀想だし、私の知り合いならきっとお家の中でワンちゃんを飼ってくれると思います。飼い主さんのお気持ちもあるでしょうし、鳩小屋にずっと預けている状態のままなら、という話です、すみません、、、」 私にその犬を家の中で飼ってくれる知り合いが居るなんて嘘です。 そんな知り合いなんて居ません。 もし運良くその犬を鳩小屋から出せたら多分動物病院に預けながらの里親探しになるでしょう。 でも、あの犬は、肌寒くなった今夜もあの小さな鳩小屋で絶えず通り過ぎる車やトラックの排ガスと砂埃にまみれながら長い夜を過ごしているのです。 わずかな期待をかけて、自分の連絡先を紙に書いて置いてきました。 鳩小屋の持ち主は「飼い主に聞いてみるから、そしたら連絡しますね」と言ってくれました。 連絡がありますように、連絡がありますように、 犬、とてもいい子なんです。 鳩小屋の持ち主の女性に「ワンちゃんは懐いてるんですか?」と聞いたら「うーん、多分懐いてるのかなぁ、、、」って言うから恐る恐る鳩小屋の犬に手を差し伸べると尻尾を振って私の手を舐めてくれました。 犬にとって私は全く知らない初対面の人間なのに、威嚇もなく吠えることもなく、尻尾を振って鳩小屋の網越しに一生懸命顔をこすりつけてきました。 そんな優しくて可愛い犬が(猫もだけど)世の中にはたくさん過酷な外で飼われてるんだろうな、、、 外でって、外の環境にもよると思うけど、犬、日陰で短い鎖で繋がれっぱなし、小さな鳩小屋に閉じ込められっぱなし。 近所にも居ます、そこまでじゃないけど可哀想だなって思う犬が。 でも飼い主に掛け合ってもらえませんでした。 私のやってることは大きなお世話なんです。 だけど、じゃあ、今日見た1匹の鳩小屋の犬を助けられたら、なんとか出来たら、たった1匹だけど少しでも生きている幸せを、生きた幸せを感じてもらえたら嬉しい。 鳩小屋の持ち主から連絡が無かったら、また行ってみます。 飼い主との交渉の仕方が分からないので、トラブルにならないよう気を付けてお話をしてみたいと思います。 、、、 鳩小屋の犬の年齢は不明です。 血統書付きの犬だそうなので、血統書を見れば年齢は分かるそうですが今日は分からず、見た感じではまだ若いんじゃないかと思います。 性別は女の子です。 避妊手術もまだはっきりしてません。 ずっと鳩小屋で過ごしているけど、フィラリアなどの予防はしているそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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