中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

2012/11/30(金)23:30

中之島恋物語~私のしあわせ・1~

里親さん決定!(36)

皆さん、こんにちは 私の名前は、シャム シャム猫のミックスだからシャム あらためて、自分の名前を考えてみると… これって、見たまんまなんですよね 私も女の子ですから 昔は、もう少し可愛くて オシャレな名前が良かったな…って 思ってました けど、私は公園にいた時から ずっとシャムちゃんって 呼ばれてたんですよね 「猫の部屋」に来てからも みんなが私をシャムちゃんって呼んで 可愛がってくれました だから、やっぱり シャムちゃんって呼ばれるのが いちばんしっくりくる気がします 私が暮らしていたのは バラがたくさん咲いている場所 広い公園の中でも 一際、人が多い場所でした たぶん、私は目立っていたのだと思います いろんな人の視線を感じました --- あの子、シャムの血が入ってるよね そういえば最近、シャム猫って珍しいよね 野良猫なのに、ちょっと高そうな猫に見える --- 私を見かけた人たちが笑いながら そんな噂していたのを 何度も聞きました あの頃の私は、人がすごく苦手で もちろん、近寄ることもしなかったし すぐに逃げていたし… 撫でられるなんて、とんでもない 無神経に近づいてくる人が怖くて 怒ったりもしました けど、怖がっている私の気持ちも考えずに 追いかける人もいたから… その都度、私は 人は、私を見ているようで 私がどんな子で、どんな性格なのかは 見ていないんだなと思いました ちょっと、悲しかった時もあります 「猫の部屋」に来た時も 知らない人は、たくさんいるし 何がどうなったのかもわからないし… 一時は、パニックになってしまって 本気で人に噛みついたことが 何度もありました とにかく怖かったから 天井の波板と防護ネットの隙間に入り込み 籠城を続けたこともありました 私のことなんか、私の気持ちなんか 人は見ているようで見ていない だから、人なんか信じない… ずっと、そう思ってたんです そんな私の気持ちが 少しずつ変わっていったのは 大好きな彼と出会ってから… 彼は、とにかく人が好きでした どんなことがあっても 人を信じて、疑うこともせず ただ、素直に真正面から甘えていく猫でした 私は、そんな彼の姿と 彼と接する人たちの姿を いつも近くで見ていました 背中や頭を撫でてもらうこと 手からおやつをもらうこと おもちゃで遊んでもらうこと いつでも、彼は嬉しそうで そばにいる人たちも嬉しそうでした それを見ていたら 少しずつ、少しずつ 人は、怖くないのかもしれないと 思うようになりました 信じてみようかな、彼のように… 臆病で警戒心の強い私を そう思えるようにしてくれたのが 大好きな彼なんです 彼と一緒に「猫の部屋」で過ごすうちに 気づいたことがありました 公園にいる頃と同じように ここにいる人たちは、みんな 私のことをシャムちゃんと呼ぶけれど… 私の容姿が特別なものだとは 誰も考えていませんでした そして、私が嫌がることは 誰もしなかったんです 怖がって逃げた時には 決して、無理に追いかけたりしないし 警戒して怒った時には 静かに、そっと見守ってくれる たぶん、頑固な私は 迷惑かけたと思います 自分の頭で理解できるようになるまで 時間もかかりました けれど、ここにいる人たちは そんな私を待っててくれたんです 無理強いはしない けれど、気を使いすぎたりもしない いつも、私にとって 適度な距離がありました それは、私が安心していられる距離 焦らなくていいんだよ 私のペースで歩いたらいいんだよって 言われているように思いました 本気で受けとめようとする人になら ちゃんと気持ちは伝わる… それがわかった頃、私は 彼の隣で背中や頭を撫でられることや おもちゃで遊ぶのが大好きな猫になりました まだ「猫の部屋」がスタートした頃 私を見た人がこんなことを言いました この子はシャム猫のミックスだから 貰い手がつきやすい、と… けれど、それを聞いた秘書さんたちは 笑いながらも、やんわり反論しました それだけで申し込みされる方には託せないですね、と… 「何の経験もない素人の私たちが 何を生意気にって思われたかもしれないけどね…」 「ちゃんと中身を見てない人には 大切なシャムちゃんを渡せないからさ」 だから、私たち1匹ずつのことを ブログを読んで知ってもらいたいんだよって… 里親さん希望の人からは その子に対する思いを聞いて もし、少しでも引っかかることがあれば 納得するまで話をしてるんだよって… 「もうね、しつこいから嫌がられるかもしれない」 「けど、私たちもアンタに負けないくらい頑固なんだよね」 そう言って、秘書さんたちは笑っていました 確かに、最初は パッと見た時の毛色や顔立ち そこで惹きつけられたら きっと、興味を持ってもらえる でも、それは 最初のきっかけであってほしいんです 大切なのは、そこからだから… 里親さんが見つかりにくい大人猫なのに わがままだ、贅沢だと 言われるかもしれないけれど… 中身を知ろうと思えば ある程度はわかる大人猫だからこそ その子がどんな子なのか どんな性格なのかを知ってほしいんです ホントはね 子猫であろうが、大人猫であろうが どんなブランド猫の血が入っていようが 尻尾が長かろうが、短かろうが 猫は猫です そして、私は私なんです みんな、それぞれ性格は違うし 長所もあれば、短所だってあります だから、大切なのは ありのまま、その子のすべてを ちゃんと受けとめることができるか 最後の最後まで、変わらない気持ちで 一緒に暮らしていけるのかどうか それを考えてみてほしいんです 野良猫だった私なんかが そう思うことは、おかしいですか でもね、私たちは 毎日、一生懸命に生きているんです しあわせに猫生をまっとうしたいんです 私も仲間たちも みんな、そう思ってるんですよね 私のしあわせは、大好きな彼と一緒に 優しい家族に囲まれて暮らすこと ずっと、私はそう願っていました けれど… 今年の春、その願いは 叶わないものになりました… 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp   実は「猫の部屋」の5年間で いちばん里親さんの申し込みが多かったのが シャムちゃんです。 けれど、出会った頃の彼女は まったく人馴れしていない猫でした… トップページに載っている彼女の紹介欄で 少し前から揺れていた嬉しい文字 たぶん、お気づきの皆さんも多かったと思います。 さて、また少し長いお話になると思います どうかゆっくりお付き合いくださいね   猫 ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ ブログランキング参加中ポチッと応援よろしくお願いします

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