中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

2016/10/21(金)01:53

夏の終わりに...

野良猫(35)

こんばんは、第一秘書です また更新が遅くなってしまいましたが... 今夜も夏の報告 これが最後の報告になります 11月を目前にして もう夏休みの宿題だとか 冗談を言っている内容でもないため 少し真面目にご報告します 2016年9月 夏の終わりに私たちが出会った 小さな子のお話です --- 見たことのない子猫がいます --- ある木曜日の夕方 私は一通のメールを受け取りました 差出人は、バラ園のお母さんことSさん 第一発見者は、Sさんの知人 通りかかった時、猫の姿を見かけたため 急いで知らせて下さったそうです Sさんが駆けつけたところ 植え込みの中に小さなキジ猫がいました 最初、Sさんには手のひらに乗るほどの 大きさに見えたのですが… 子猫は、ドライフードと缶詰を しっかりと食べたそうです そこは人通りのある細い道から 一歩入った場所 「猫の部屋」が担当するエリア内です 木陰に植え込みがあり 少し奥まっているけど見晴らしはよく 静かな庭のような場所 そして、そのすぐ前には 以前、ゲンさんを保護した場所 「猫の部屋」のボーダーラインがあります ボーダーライン付近にいると たまに知らない猫の姿を見かけます 特に繁殖期を迎える春と秋 たいていは隣接した地域で暮らす猫たちです オス猫は、テリトリー拡大のためか 少し離れた地域から来ているような猫もいて まれにエリア内にまで入る猫もいます 昨年、やはり頻繁に姿を見かける黒猫がいて みんなで観察を行っていたのですが… その途中で、その黒猫の耳先に V字カットが付いたことがありました そう、それは手術済みの証 誰かがTNRをしたというしるしです しばらくその黒猫を観察したところ 私たちは、その黒猫についても 少し離れた地域から来ている子だと 確証を持ちました けれど、そこは未知なる場所 元々、住宅地などではないため 周辺には、ほとんど地域住民の方はおられず なかなか情報収集が難しいのですが… 偶然にも、何ヵ所かの地域については 活動する方たちにお会いする機会があり 早々に情報交換することができていました ただ、このTNRされた黒猫が 暮らしているだろう地域については そこにも猫がいるということと お世話する方がおられるらしいという噂だけでした 何度か、その方角に戻っていく 黒猫の姿を見かけたため、追いかけてみましたが 残念ながら、猫にも人にも会えず その後、耳先カットのついた黒猫は ぱたりと姿を見せることがなくなり 私たちは調査を中断しました ただ、3日ほどのうちに行われた 捕獲、手術、リリース たぶん、まだすべての猫に 手術が完了したわけではないでしょうが... 初めて、その地域で 頑張っている方の存在が感じられた出来事に とても心強い思いがしました そんな経緯もあったため いつもSさんは、この周辺での情報に 注意して下さっているのですが… 今回、姿を見せたのは子猫 これは初めての状況です まだ小さな子がひとりで あのラインを越えるのだろうか 考えたくはないけれど もしかして遺棄された子なんだろうか… もちろん、Sさんだけでなく 私も同じことを思いました もしも、誰かによって遺棄された子なら 少なくとも人間の手を知っているはず すぐに近寄ってくる子だろうか… そのまま捕まえることができる子だろうか… 長年、精力的にTNRを続けておられるSさん その中で、様々な状況にある猫たちと 出会ってこられました 初めて会った時の猫の様子から 読み取れることは多い… Sさんの経験上の観察眼や行動に 今まで、私や第二秘書は たくさんのことを学んできました そんなSさんが観察した様子は... あの日、植え込みの中に座る子猫は 鳴き声ひとつあげず とても落ち着いていたそうです ただ、ご飯をあげようと近づくと その場から逃げ出せるように身構えて 何度か威嚇しました そのため、少し離れた場所から 子猫を観察するSさん しばらくすると警戒しながらも 置かれたご飯の器に近寄ってくる子猫 ただ、もしSさんが少しでも動けば すぐに逃げられる体勢を崩さないまま ご飯を食べたのだそうです --- 人に馴れていないように思います… 素手で捕まえるのは難しいですね --- 小さいながらも とても慎重で警戒心のある子 もちろん、その時点で 断言できるほどの確証はなかったのですが… 野良猫のお母さんに躾けられている子供 私は、まだ見ぬ子猫に そんなイメージを持ちました 子猫がいる場所の周辺を含め 「猫の部屋」が担当するエリア内では 毎日、厳重な警備が行われています 詳しくは伏せますが… もし、真夜中であっても 何か不審な動きをする人間がいれば すぐに警備員の方たちが気付かれるはずです そして、もちろん 以前、ほたるとみこを保護した時のように もし、そんな子猫がいるのなら 公園事務所のシルバーさんたちも 必ず、目にされるはずの場所 けれど、あの日まで そんな情報は一切なかったのです もうひとつ気になったこと もしも、本当に遺棄された子猫なら... 今、ここで声を出しても大丈夫なのか そんなことは考えないまま 母親を、きょうだいを、仲間を… 本能的に呼び続けないだろうか 見たこともない場所に ひとりぼっちでいる自分 その状況に気付いた時 もしも、これが大人の猫であっても 不安に押しつぶされそうになるはず ましてや、まだ小さな猫だとしたら その恐怖は計り知れません 大きな声でも、小さな声でも 子猫の鳴く声、あの独特の声を耳にして 誰も気付かないほど 人の目がない場所ではありません けれど、子猫は落ち着いた様子で 鳴き声をあげることもなく 静かに座っているのです もしかして、まだ近くに 母親やきょうだいがいるのではないか… 私は、すぐに 司令塔Aさんへ連絡をいれました もちろん、観察は必要でしたが 公園事務所への報告を急ぐ 案件だと感じたからです 話を聞いたAさんも やはり同じ意見でした おそらく、子猫である以上 すぐに保護依頼書が出されるはず そして、もしかしたら そこから、まだ話が広がっていく 可能性もあるかもしれない… 百戦錬磨のSさんでさえ すぐに捕獲できそうにないなら とにかくタイミングを図るしかない… そのためには、毎日ご飯をあげて もう少し観察する時間が必要でした そして、同時に 他にも猫がいないかどうかも 注意しなければならない… 頭の中では、やるべきことを考えながらも 少し不安な気持ちになっていました 翌朝も、ご飯を持ったSさんの前に 子猫は姿を現しました ある一定の距離を保ちながら Sさんの置いたご飯を平らげて 少し窪んだ草むらに隠れてしまったそうです やはり、まわりに他の猫の姿はありません --- ご飯を狙ってるのかカラスが集まってきます 大丈夫だとは思うのですが… --- 前日は、落ち着いていたのに よほどカラスが怖かったのか この日は、少し怯えたような様子もあり Sさんは心配されていました それでも夕刻には また、同じように姿を見せたらしく… すでに、この子はここに居着いている きっと、どこにも行くところがないのだと 思ったそうです 明けて、土曜日の午後 私も子猫を探しに行きました 初日、Sさんにフードを届けた美々さんが 子猫を見たという場所を教えてくれました 木々がたち並び、葉や枝でできた木陰の中 その子は、少し高い壁の上に 大人しく座っていたそうです 小さな頭、耳が大きくて 体は小さく細い子 もちろん、子猫には間違いない ただ、案外顔立ちは しっかりしているように見える… 美々さんも含めて Sさん以外にいくつか届いた情報の中で はっきりしなかったのが年齢でした 生後1~2ヶ月だという意見 4~5ヶ月くらいにはなるだろうという意見 かなりの差があったのです ずいぶん、日が落ちるのも 早くなっていた夕暮れに なかなか近くに寄らせず ゆっくり姿を見ることができない子猫 どうしても判断しにくかったのは 仕方ないことだったでしょう だから、あの日はどうしても 自分の目で確認したいと思い 探してみたのですが… 朝は、かなり警戒しながらも Sさんのご飯を食べに来たそうですが 午後から子猫の姿は見られず そして、引っ掛かっていた 他の猫の姿も見かけることもなく... 引き続き、翌日以降に すべてを托すことになったのです ただ、この時もやはり 私は不安でした 週明けの天気予報は大雨 大きな台風が近づいていたからです 川が近いため、大雨や潮位が上がる時には 水が流れ込んでくることも多く エリア内は水没することもあります その時の台風は 大阪に上陸するルートではなかったものの かなり強い雨風が来るとの予報 潮位も高くなっていた時期 もしも、予報通りなら 子猫を外に置いておくのは危険すぎる もしかしたら、もう悠長に 待っていられないかもしれない... それは、Sさんも同じ考えでした --- 子猫、捕まえました --- Sさんから連絡が来たのは 翌日、日曜日の夕方のことでした 朝、ご飯を食べに出てきた子猫は やはり集まってきたカラスに怯えていたらしく あまり満足に食べないまま 植え込みの中に隠れてしまったとのこと 週明けからの天気のこともあり 捕獲するなら、もう今日しかないだろうと Sさんは思ったそうです この子の家族や仲間が どこにいったのかはわからないけれど... どこを探してみても他に猫はいない だから、とにかく今ここにいる この子を雨が降り始める前に保護したい... きっと、その思いが通じたのだと思います 朝の件があったから 一か八かで捕獲器を仕掛けたけれど すぐに入ってくれて良かったと Sさんは、電話口で笑っておられました その後、捕獲器に入った子猫は やはり準備していた司令塔Aさんに托され 台風が来る前に病院へ運ばれたのです 「中之島公園猫対策協議会HP」 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 夏の終わり、秘書たちを待っていたのは 新たな出会いでした 次は、やっと会えた子猫との 初対面の日の話に続きます 猫 ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ ブログランキング参加中 …といいながらも、やっぱりまだ更新停滞中 ちなみにTwitterはこちら 

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