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テーマ:和暮らしのあれこれ(235)
カテゴリ:習い事日記
Mr.タモツの明治演劇史、今学期の2回目。前回、新富座の隆盛の章が時間内に終わり切らず、その持ちこし分から今日の講義が始まりましたが…
先週の土曜は連休ということでお休みだったから、2週間ぶりなのだけど…なんだかそんな感じがしなくて。前回の印象がまだ鮮明な気がするうちに続きが聞けたのはラッキーだったかも。 主だった役者を全員手中に収めた勘弥の新富座が隆盛を誇ったと言う話の結末は、その黄金時代が実質2年しか続かなかったってことでしたゎ。理由は二つ。外的要因である新しい劇場の開場と、内的要因の役者同士の不協和音とな。 まーねー、一人勝ちって状態はそうそう続くもんじゃないのは市場原理の常識。 役者同士の…ってのも、まぁ、判りやすいかな。誰が一番?ってのはねー、ムズカシイ。それに一流どころを全部囲っちゃうとお金だってかかる…ここの余談が今月の公演にピッタリはまって面白かったかも。 いわく、明治座は安い。染五郎に亀治郎、勘太郎と七之助、その他には小山三くらいしか出てないんですからねー、って(笑)そうなんだ、私はまだ観てませんが、小山三さんはこっちに出てるんだ、へー。だから、安い、安いけど、それなりに入ってる、いや演舞場より入ってるんですと。どっちもまだ行ってないんだけど、へー! ただ…これとは別に出てきた余談だけども、その明治座へMr.タモツは昨日いらしたそうで、牡丹灯籠を見ていた時のこと。途中で牡丹灯籠が客席をふわふわ行くところで、Mr.タモツの後ろの席のお客さんが「へー、節電なんだ」と話してたとか。あっはっは、なるほど。いっぱい入ってる中にはそういうお客さんもいる(少なくない?)とも。へーへー!! ただ、今日の講義で一番惹かれたのはこんなところではなくて、タイトルに挙げたこと。 新富座の話は先週の積み残しで、今週分はお能の話。 明治の権力者が、西洋列強の真似をして日本にも国劇を作ろうとする話は前にも聞いたけど、その能楽派の筆頭・岩倉具視と、キーパーソンの一人だった英照皇太后について。 お能の岩倉vs歌舞伎の伊藤ってのは判りやすいし、何度も(今日も)説明してるってことは強調したいことなんでしょうけど、公家と武家は素養があるからお能を押し、明治新政府の要人は田舎の下級武士出身だから文化的素養がないので判りやすい歌舞伎が好きってのは、なるほど説得力がある。 しかも、明治天皇もお能の方が好き…という根拠は、天覧歌舞伎が1回きりなのに対して天覧能は何度もあったという事実。さらに、今日の話で、養母である英照皇太后の影響も大きいとな。へー 英照皇太后は夫の孝明天皇のお能好きの影響を受けていて、それが明治天皇へも影響したとな。なんでも、明治天皇は養母への孝行として青山大宮御所(今の東宮御所)に能舞台を拵えたんですと。そこで豪華なお能の会が何度もあったという…本来なら新富座と時を同じくして舞台開きになるはずが、大久保卿暗殺で1か月遅れになったそうな。 それでもお能が国劇にならなかったのは…これも前にも聞いた記憶があるけれど…お能の会の時、明治天皇は舞台も見てたけど客席もちゃんと見てて「お、みんな寝てるぞ」と気づいちゃったから。で、お能の良さが判るヒトが少数派なのなら国劇にしても困るだけじゃんと思った。なんて英明な!ちょっと前まで馬にも乗れない少年だったのに!!「もうちょっと、世の中に(お能が)普及してからでもいいんじゃないの?」と言ったとか。 ま、それはいいとして。 その、明治天皇に影響を与えた英照皇太后。葉山の有栖川の宮の別荘に当時の名人二人…梅若実と宝生九郎…を呼び寄せて、お能の会をしたそう。3日間だか4日間だか、八島とか通小町とかを素謡と仕舞で見たのだけれど…梅若実はセガレの万三郎、宝生九郎は弟子の松本金太郎をそれぞれ連れていってて、この二人に同じモノを続けてさせたんですと! つまり、万三郎の地謡で梅若実が頼政をやり、続けて松本金太郎の地謡で宝生九郎が頼政をやるということ。 うわー そんなん、今の時代も当時も、皇太后じゃなきゃできないですよね。皇太后の権力があって初めて叶うもんであって…他の誰でも役者は断るんじゃ?やるかな?やるとしたら、とんでもない料金になりそうだもんな(爆) 今の時代にだってねー 私なんぞ、お正月に野村萬斎と茂山千三郎が並んで同じ小舞をやるってだけでコーフンしてるのにっ さらに、細川家の別荘で、この二人に加えて桜間ばんばまで呼んじゃったという。翌年には葉山の御用邸に能舞台を作って、そこでもやったとな。むむぅ… やっぱり権力って素晴らしいかも。 ま、そこまで望めないにしても、見比べる機会があるなら逃しちゃもったいないなって思いました。なんかもう、いつになく、強くそう思って…で、予定は未定として悩んでいたチケットを思わず確保。大丈夫か、私?!…ま、いいのだ、なんとかなるだろう、見比べなくちゃ、機会のあるうちに。うん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.07 22:51:23
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