猫並生活

2012/01/06(金)23:18

輸出入か物々交換か

観劇日記(549)

2日続けて演舞場へ行って、ここに松緑がいないのはさみしいと思ったすぐ後の今日、その松緑を見にテアトル銀座へ。 どうでもいいんですけど、私はここがセゾン劇場と名乗ってた頃とどう違うのか全く理解していなくて(天王洲よりさらに差分が見えない…)そのせいもあって、冠詞をつけるのが妙に癪に障るのでありました(爆) その松緑、いや玉三郎の初春特別公演。のっけに口上がある。その口上で、まさに「松緑さんと右近さんは、本来なら菊五郎兄さんのところに出ていなくてはいけないのですが…その代わりと言っちゃなんですが、ワタクシが菊之助さんに雪姫を…」なんて感じのお話しが。で、「輸出したり輸入したりといいますか、なんというか」と言ってたのが印象的だったから、そのままタイトルに。 まさか、菊之助が雪姫やるための人身御供になったわけじゃないですよね(大爆) その口上が終わって10分休憩。あら、すごい。たった10分でお三輪ちゃんになれるんだ。次の恋の苧環、最初からお三輪ちゃんが出るわけじゃないけど、それでも口上から化粧も衣装もソックリ変わるのに、はやーい、澤瀉屋みたい!なんて、ちょっと感動したんですけども。 そういえば以前、福助がトークで「玉三郎兄さんは意外や意外、ギリギリに来る、そしてあっという間に化粧が出来上がる」と言ってたっけ。早いんだ、拵え。 とはいえ、恋の苧環…いつもと、というか、見慣れた感じと、ずいぶん違う演出だと感じたんですけど、この頃ってこうなんですかね?玉三郎だから?それとも今回このハコだからかしらん。日生の藤娘も演出の違いを感じたけど、玉三郎のそれを見るのが久しぶりだからなのか、それともホントに今回から変わっているのか…調べようと思えば調べられるのに、そういう手間はかけずただ「へー」と思うだけの私。 その苧環。橘姫が出て求女が出て、しばらく二人きり。右近と笑三郎でどれだけ持つだろう、私…と思っていたけど、ここは意外と飽きずに見られました。右近くんの踊り、いいかも。 去年の夏に菊之助と浅草でやったチャリティの時、あんまり得じゃない演目にチャレンジしてたっけなぁ。踊りに自信あるのかも。今回、安い席からの遠見ではあったけれど、苧環のところは楽しめました。遠見だから、かな。どうだろう。顔は見えなくて(爆)ただ、合邦の時の浅香姫を思い出したりもして。 後から出てくるお三輪ちゃん・玉三郎が、舞台の上手奥から後ろ向きに出てくるせいか、さほどジャジャーンって感じがしなくて(遠いからかな)、かえって三角関係がいいバランスに見えたのは…私だけかな。かもしれないな。 どう考えたって、この三人じゃバランス悪かろうって、観る前は思ってたんですけどね。 野崎村もそうですけど、主役の女子が三角関係の地味な方って設定だから、敵役女子が位負けするような役者じゃ物語が成立しないと思うんですよね…いや、野崎村より、妹背山はまだましか。お三輪ちゃんが美人で、橘姫はいいとこの姫だけど不細工っていう設定はアリかな。うーん、どうだろう。どうでもいいか(爆) ともあれ、踊りは楽しめたんです…でも。 ここで休憩が25分。うーん、口上からお三輪ちゃんのが、お三輪ちゃんからお三輪ちゃんより早いって…要するに、お三輪ちゃん踊った直後は疲れてるから玉三郎にも休憩が必要ってことか。 だって、鱶七の入りから始まるんだもん。だから松緑が出てるわけで。猿弥だって、だから入鹿と豆腐買いの二役なんでしょ。 鱶七が出て、お酒飲んだり闘ったり昼寝したり官女と戯れたりして引っ込んで、それから姫戻りでしょ。橘姫が出て、官女が出て、求女が出て、死ぬの死なないのをやって、兄貴を裏切れをやって、二人で引っ込んで。それから、やっとやっと、ようやくお三輪ちゃんじゃん。 だから、休憩25分と聞いた瞬間、もしかして終演は10時近いってこと?とびっくりしました。金曜の今日、開演は6時半だったものですから。実際に終わって出てきたら9時半過ぎてましたっけ。 正直言って、鱶七のところまでしか集中力が持たず、姫戻りはぼーっとしちゃいました。踊りではとてもいいと思って見てた笑三郎と右近の二人に、ここでは飽きちゃって飽きちゃって、早く終われって気分。見る努力をせず、弛緩して、お三輪ちゃんを待ちました… お三輪ちゃんそのものは、いつもより短い? 官女が去った後に、かかさんにキレイに結いあげてもらった髪が崩れたとかなんとか、そういってグダグダいうところがないんですね。あっさり髪を捌いてギチャクとやらになる…待ってたのに、意外に早く進んでしまうお三輪ちゃんって感じ。 玉三郎のお三輪ちゃんは、私にはあんまり哀れに感じられないのだけれど、その分、ギチャクの相の凄さは伝わってくる気がします。 通りすがりの見ず知らずの鱶七から、わーすげーこの女の顔なら入鹿退治に使える!って一発で採用されちゃう凄さ…そのまま生霊になってとり憑きそうな感じ。 去年だったか一昨年だったか、福助で見た時はもっと哀れな感じが強くて、その分だけ「ギチャクって、要するにブチャイクに見えたってこと?」って思っちゃった私だったのだけど。福助のお三輪ちゃんのが、私にとっては可愛そうな感じが強いんだけどね。 玉三郎のお三輪ちゃんは、この物語のイメージにしっくりくるし…何より、玉三郎って役者を、私は、やっぱり姫か娘で見たいって思ってるんだよなぁって再認識する。いいなぁ、若い役は(笑)婆なんてやんなくていいのよ、だから。うん。 ともあれ、ちょっと疲れたけど、まぁまぁ見て良かった、お三輪ちゃん&鱶七なのでした。 ◇◆◇ 今日は最後列の安い席だから、さすがに袋帯はやめましたが、考えてみると柔らかモノを気持ちよく着られるのは真冬だけになりつつある今日この頃、どうせならと小紋で出かけました。松緑を見たいんだから、鱶七の裃柄?!な弁慶格子で。 それとね、昨日ね、ちょっと反省したっていうか、ヒトのフリ見て我がフリを直そうと思ったから。 昨日、ど真ん中かぶりつきにいて、周りには当然のようにばっちりに決めたヒトが多かったです。お着物も多かったし、美容院で作ってきましたって頭もちらほら。そういう中にいると、気分が盛り上がる。 でも、そんな私のお隣は、3階席の時の私!って感じの超平服。かろうじてユニクロではない、って感じかな。熱心な方で、図書館などにあるような歌舞伎全集持参で、それとメモを膝の上に広げて、眺めつつメモをとりつつ観劇してるみたいだったんですけども。 やっぱり、平服って、テンション下がるもんですね。 どちらかと言えば私は、安い席にゴージャスな格好で行くのは恥ずかしいと思ってる口ですが、それでも、安い席でバリバリ決めてても私のような下品なオバサンから内心で笑われるだけ。誰にも迷惑をかけたりしない。平服です!って格好の方が、周囲の盛り上がった気分に水を差すかも。 演舞場とか国立大劇場とか日生とか、高い席と安い席がとーっても離れていて物理的に混じり合わない劇場なら、安い席に座る時に気を使わなくてもいいやって思うけれど、能楽堂とか小劇場とか、安い席のすぐ近くに上席がある場合は気をつけようって、新年最初にいきなり反省したんですゎ。 それにね、成田屋の舞台なんかだと安い席にも着飾ったお嬢さんがいっぱいいて、そんな中にいるとオバサンも華やいだ気分になる。やっぱり気分はハレの方がいい。いいよねー。とはいえ、3階はね、気を使わなくても許されたい(笑)いや、仕事帰りの時もあるしなー、うーん。 それに、着飾るのは好みだから、お洒落じゃなくてもいいと思うんです。センスなくたって、気合いにあふれていることが大事。たぶん! ま、そんなわけで、今日も小紋にしてみたのでした。この反省が、いつまで続くか、それが問題だな。うん。

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