老犬リュウ逝く
その日は何かが違っていました。☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★昨日もヨモの検診でいつもお世話になっている動物病院へ母と。ヨモを車から降ろす時、ハーネスをつけて抱いて行きます。ケージは手の空いている方が持ちます。待合室に入りますと、いつものヨモだったらケージに入りたがるか玄関に突進して「帰ろうよ~~~」って表情をするのが常でした。でも、昨日は大人しく待合室の椅子に座るのです。座ってじ~~っとしてます。私「リュウ、元気かなぁ…」母「もう足が弱って、お散歩もできないのだそうだけど お散歩が好きだからって病院の駐車場に出して貰ってたよ…」(病院の玄関前が駐車場)母は去年この病院に弟と来た時にリュウと会ったのでしょう。リュウとはこの病院で暮らしている老犬です。目は病気で見えません。去年会った時は、耳もあまり聞こえなくなって、鼻もあまり利かない(Y先生談)状態だったようです。ヨモの順番が来て診察室に呼ばれました。あれ?何だかY先生…Y先生が席を外した時に、スタッフのN嬢がそっと教えてくれました。昨日、リュウが死んだのだと。眠るように息を引き取ったのだと。Y先生、泣きはらして目が腫れぼったくなっているのだと。…それは…泣くよね…。あのリュウはもういないのだな…。そう思うと私も泣けました。撫でても何も文句を言わない、優しいコでした。受付と診療室の奥は処置室に繋がっていて、時には開いているドアの向うにのんびり寝そべっているリュウの姿が見えて「ああ~今日もちゃんといる」って彼の姿をみて何故か安心していた私でした。検診が一段落したところで、Y先生にお悔やみを言いました。リュウ、享年15歳。リュウのような中型犬の寿命は15年がピークだと。死ぬ少し前からエサをまったく食べなくなっていたこと。20kgほどあった体重が半分近くになっていたこと。「予定どおりだけど…わかっていても辛いね…」Y先生の目から新たな涙が溢れ出しました。お悔やみの花かごが届いたようです。開け放った診察室のドアから、スタッフN嬢が抱えて処置室の奥にある部屋に行くのが見えました。リュウの亡骸がそこにあるのかもしれません。リュウはきっと体から解き放たれて伸び伸びしているね。今は可愛がってくれた人たちを訪ねて飛び回っているのかしら。そしてきっと可愛がってくれた人たちを、その日が来るまで虹の橋の袂で待っているんだろうな。会えて嬉しかったよ。またね。