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猫多組(ねこたぐみ)

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Apr 9, 2009
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カテゴリ:映画・DVD
クリント・イーストウッド、最後の出演作品ということで、興味を持った。
彼のファンというわけではないが、監督作をいくつか観た限りでは、どの作品でも人間の描き方が真っ当である気がする。

『グラン・トリノ』

タイトルになっているのは、主人公ウォルト(クリント・イーストウッド)、の愛車である、72年製フォード“グラン・トリノ”

その車の持つ意味、その車を巡る思惑、その車を介しての人と人との出会い。
見事に、無機物である(体温のない)車を介して、温かみ(人の善的心)が感じられるストーリーが展開していく。

やはりイーストウッド監督の人間の描き方は、正統派であり深いな、と思わされた。

奇をてらうことはなく、オーソドックスでやや教科書的ですらあるのだけれど、それでいて大胆でもあり、きっちりと大人の漢(オトコ)の生き方、ダンディズムを描いている。

まあ、退役軍人である頑固偏屈爺ウォルトを自分で演じているから、「思い通りに」出来上がって当然ではあるのだが、文句なくカッコイイハート(手書き)

とりたてて目新しくもない人物造形、エピソードを使っているのに、なぜか「ありきたり」と感じさせない。
それは別に、生き方を決めかねている老いた白人と、生き方を見つけられない黄色人種の少年タオとの心の触れ合いだからではなく、魂の救済(ウォルトなりの決着のつけかた)を描いているからでもない。
ストーリー展開自体は、すべて「想像通り」ですらあった。

そういった作品は、えてして途中で退屈さを感じ、眠気すら催すものだが、なぜか引き込まれてしまうびっくり
たぶん、バランス、エピソードの展開の仕方が良いのだ。
ウォルトと床屋の親父の「オトコの会話」とかね。

バイオレンスな部分や、眉をひそめたくなる言葉や行動も含まれるのに、全体の流れに落ち着き、円熟味があり、かといって取り澄ました印象はない。

限定●●人とかの気取りのない、スーパーでも売っている老舗の味だけど、めっちゃ美味しくて、飽きのこないお菓子、みたいな感じだろうか。一種の職人魂を感じる、完成度の高さ。

物分りの良い神父さんが出てきて、「贖罪」も一つのテーマになっているのだが、キリスト教色は濃くはない。
「贖罪」という難しい概念が、信者でなくても問題なく(そう意識もせず)理解できるぐらいに噛み砕かれた表現になっていることも、キリスト教圏以外での公開をふまえた作り方として、高く評価したい。

白州次郎のダンディズムに憧れた方には、老若男女問わずお薦め。
イーストウッド的ダンディズムを、是非劇場で味わって下さいぐー

4月25日(土)、全国ロードショー公開






Last updated  Apr 16, 2009 01:40:24 PM



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