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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:映画・DVD
日曜に、飯田橋ランチついでに(どちらがメインなのやら)鑑賞
イギリスで実際に起きた銀行強盗事件を素にしたクライム・サスペンス作品ということで、観たかった。 サスペンスって、超常現象とかホラー寄りのは苦手なのだけど、クライム系はなのだ。 『バンク・ジョブ』 舞台はロンドン。金に困っていたテリー(ジェイソン・ステイサム)は、家族の幸せと自らのプライドをかけ、幼馴染から持ち込まれた「おいしい話」=大胆不敵な銀行強盗計画の実施を決断する。 集まった仲間は7人。いずれも小悪党ではあるが、盗みのプロではないし、マフィアなどの犯罪組織に属しているわけでもない一般市民。 そんな彼らが、素人ながら地道に必死に計画を進める裏では、英国情報部、大規模な犯罪組織、警察組織の利害や思惑が絡み合い・・・話は二転三転していく。 登場人物が多いので、やや混乱する部分もあったけれど、いや~これは思わぬ拾い物、とっても面白かった 観客は色々な裏事情がわかっているのだが、登場人物たちにはわかっていない。 だから「あ、あ、そいつは裏切るかも」とか「あ、ヤバイ、早く逃げろっ!」とか、気持ちがスッと作品世界に入り込んで、強盗団の仲間になったかのようにドギマギする。 観客も最後まで事情がわからないという作り方も良いけれど、こういう展開の仕方も好きだなあ。 王室スキャンダルだの、政府高官の性●嗜好だの、日常茶飯な警官の汚職だのがしっかり取り込まれている点も、事実は不明だけど「ありそう」なことに思えるし、「よくぞ描いた!」って感じ。 「完全な正義」がどこにもなく、登場人物が皆、それぞれの欲望や思惑、職務やプライドで動いている点がリアル。 すごく不完全燃焼というか、納得できないし、スッキリしないんだけど、現実ってそういうものだなって、シビアに感じられる。 本来なら私は、現実世界がシンドイから、せめて映画の中では混沌とした現実ではなく、スッキリしたいと思っている。 だから、皆が幸せになれるようなハッピーエンドが好きだし、水戸黄門的な王道ワンパターン「黄門さまは正義、正義は勝つ!」みたいな話が大好きなんだけど。 「なんで作り物なのに、厳しい現実、見たくない現実、正義なんかちっとも勝てない現実を描くかなあ」って思いがちなんだけど。 この作品に関しては、何がどう作用したのか、「これは、スッキリできないのが正解なんだ」と思えた。 盗●から殺人まで、大層な事件がてんこ盛りな割には、どこかクールで大袈裟な盛り上がりのない作りも エンタメに徹しているのとは別の意味で、「観客、舐めてます?」ってぐらい噛み砕きすぎ、大袈裟表現すぎな作品も増えている中で、大人の鑑賞に耐えうる、解釈に余裕を持たせた作品だと思った。 別に玄人ぶるつもりはないけれど、それなりの人生経験があり、自分で考える頭もあるので。 おこちゃま映画でもないのに「ほーら、よーくわかるでしょ。」とか「はい、ここで泣いて泣いて~。ここで、笑って笑って~」という作品には冷めます。 いやまあ、笑いには相当甘いんだけどさ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 4, 2009 01:33:01 PM
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