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エレファントピア

エレファントピア

アジ○モトにまつわる断片

我が家はもともとアジノモ○を使う家庭ではなかった。
その当時人体への影響が云々されていたのを、親がどこぞから聞き入れてきて、小さな子供のいる家庭の常で、それが食卓に置かれることはほとんどなかった。

祖母の家に行くと、よく使われているようだった。
「ずっと使ってきた人だから、今更やめられないのだろう。」と母は言ったが、祖母の味付けは確かにまろやかでおだやか。もともと江戸っ子の母方の味に慣れた私には、いまいちパンチに欠けた味にも思えた。

日本人でも使う量などは家庭によるだろう。知り合いの中には、漬物にだけは絶対に使わないとダメだ!と言い張る人もいた。そんなものだろうか。。
まあいずれにしても外食などすればほとんど絶対に口に入るものである。
ジャンクフードのことを考えたら、大人になった今ではさほど気にすることもないかと思えてきた。


さてかの化学調味料が再び私の人生に現れたのは、またもやミャンマーであった。アジアの国々を旅した人なら目にした(口にした)ことがあるだろうが、いやあ彼らは使う使う。キロ売りである。ちなみに商品名の他にMSGとも呼ばれていた。

友人がお客様(日本人)をもてなすのに、ミャンマー人のコックさんに、「MSGは使わないでね」と頼んだらしい。すると彼は激しく抵抗し、結局は使わなかったものの、会食の中、お客様のところまで姿を現し「今日はMSGを使わなかったので、おいしくないかもしれません!」と涙ながらに訴えたという。

よく道路わきの屋台でミャンマーのヌードル、モヒンガを食べた。コシのないそうめんみたいな麺に、魚の練物や冬瓜の揚げ物を載せて、大なべで煮えた魚のスープをかけて食べる私の大好物だ。ここにも思いっきりMSGが置いてあるので、おばちゃんのすばやい手際の間隙に「ア○ノモトマテーネ!」(入れないで!)と叫ばなくてはいけない。

このように人々の食生活に深く入り込んだMSGだが、最近ちょっと様子が変わってきたのかもしれない。
一昨年ミャンマーに行った時、ヤンゴン事務所のスタッフを誘ってランチに行ったのだが、一人の女性スタッフだけは「私はいいわ」と固辞して来なかった。具合でも悪いのかなあ。。と後でそれとなく聞いてみると、最近政府がMSGの人体への影響について宣伝を作ってテレビで流しているらしい。彼女はそれを見て怖くなってしまって、以来口にすると動悸、息切れがするという。

動機、息切れと言えば、ミャンマーでは高血圧の人はMSGとココナツミルクは採ってはいけないと言われている。ココナツミルクはコレステロールが高く、動脈硬化の原因になるらしい。MSGは高血圧で悩む女性が知らずに口にしたのを見たが、本当に汗がだらだら出てきて息が激しくなり、びっくりしてしまった。私は素人なので、これが人体への影響なのか心理的なものもあるのか分からないが、それにしても彼らは採りすぎなのだ。日本人がおかずの隠し味に。。どころではなく、大匙スプーンでどぼどぼ使えば、たとえ天然塩でも砂糖でも病気になるだろう。


ここカンボジアでも、もちろん大量に使われている。生産国を見ると、主に中国、タイである。
この間、カンボジアの政府の人と話したら、MSGが身体に悪い訳はない!と一蹴されてしまった。なぜなら、カンボジア人には影響がない!タピオカから抽出されているのだから安全なのだ!と言う。そう言われてみると、そんな気もする。。確かにキロ単位で摂取しても元気な人は元気である。


昨日友人に連れられて手打ち麺の美味しい店にランチに行った。
麺はつるつるしこしこ美味しかった。牛肉と、野菜と、高菜のような漬物が載っていて、つい食が進んでしまった。

店を出るとき、ドアに「アジノ○ト」のかわいいレトロなシールが貼ってあった。そうか~ここではMSGを使ってるから美味しいよ!という意味なのだなあ。。
慣れてないせいなのか、家に帰りつくとおなかがはっている。そのまま夕食も食べられず、食べたものは全部でて行ったもよう。(失礼!)
やっぱり使いすぎなんだろうなあ。。まあ、ダイエットにもなるし、いいか?


(2006年3月15日)


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