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エレファントピア

エレファントピア

キンジー(アメリカ)

KINSEY(2004)
ビル・コンドン監督
リアム・ニーソン主演


判定:☆☆☆/4ツ星

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サブタイトルは、Let's talk about sex.
だけあって、好き嫌いの別れそうな作品ではある。
「セックスセラピーの話だよ。」
と言われて観に行ったら、チケット売り場で身分証明書の提示を求められたので、「ヤダな~」と思ったのだが、良かった。


(以下、ネタバレ的感想)

1948年にアメリカで"Sexual Behavior in the Human Male" を発表したキンジー博士の物語。
メゾジストの厳格な父の元で育った若きキンジーは、父の言いつけで技術者になるものの、自然科学への情熱を抑えられずに奨学金を得てインディアナ大学へ進学。
そこで一生のパートナーを得たキンジー博士は、自らの結婚生活での経験から、虫の研究から人間の性の研究へとその目を向けていく…。


という実話を元にしたお話。
1948年という年を考えても、博士の研究がいかにセンセーショナルだったか分かろうというものだが、驚くべきはこの内容が今でもセンセーショナルさを失っていないということ。


性をとりまく、常識とモラルと社会規範。
常識を逸脱することを恐れる人たちが恐れて近づかない領域に、楽天的で研究バカ(?)のキンジー博士がずかずか踏み込んでいく様は、小気味よくて、危なっかしくて、切ない。


キンジー博士が今の世界を見たら、一体何を思うだろう?
モラルは益々失われていく一方、それを隠そうとする規範も強まっているように思う。
彼の研究には意味があったのだろうか?


それは映画の終わりで、さりげなく語られている。
たとえ社会を世界を変える事はできなくても、
自分でも伺い知ることことのないどこかの誰かの幸せを作り出しているかもしれない、と。





最終更新日 2005.01.16


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