エレファントピア

2009/06/22(月)14:59

アチェの2年 浅井戸のこと

インドネシア(61)

2007年5月頃から調査をはじめ、実際に事業が動き出したのが、1年後の2008年4月~5月のことでした。 事業の形が決まってきたのが、たしか2007年の12月頃。その後は契約書、合意書、MoUなどの準備期間でした。この事業が実際に動き始める準備の時期と内容というのはとても大切。結局実施中の問題というのも、ここで練りたらない部分が禍根となって発芽することになる。 地域調査の結果、地域の生活用水と飲料水を確保するための給水事業を実施することになりました。 地域の既存の水源は、川、小川、浅井戸、などがあるのですが、その浅井戸(Open Dug Well)の多くは、ただ地面に穴を掘っただけのもので、私たちはPitと呼んでいました。 こういう穴ですので、乾季で雨が降らなくなると、10日かそこらで水がほとんどない状態になってしまいます。雨季の時には水量は確保できるのですが、反対に周囲から水が流れ込んできて、鶏糞、牛糞、人糞なども流れ込んでくる恐れもあり、水質的にはかなり悪くなります。 洗い場はこんな感じ。 石鹸水なども、また井戸に逆流する井戸もあります。 世界中の水に困っている地域と比べれば、雨が降るだけ水の問題は深刻ではないと言えますが、むしろその先の衛生まで考えてもいい、のに考えていない。という状態でした。 こうした状態というのは、必ずしも裨益者に問題意識化されていないのが微妙なところですが、一回きれいな水を使い始めると、今度は後戻りできないのも、また不思議というか、微妙なところです。

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