今日はいい日だ

2007/08/25(土)02:28

何でもありの街

3日前、上海に下り立った。最初の目的地である新国際展示場は丁度リニアモーターカーの終点にある。駅から歩かねばならないが、初めてなのでリニアで行くことにした。 出発して5分と経たないうちに、社内のスピードメーターは200キロを越えている。最高速度は313キロ。地上で乗った乗り物では最高速度だ。さすがにスピード感がある。こうした乗り物に乗って、多少とはいえ、恐怖感を覚えたのは初めての経験だ。 駅から展示場までのたった600メートルが辛かった。暑さは覚悟していたものの、荷物も抱えているものだから歩くともう、汗だくである。場内で涼しい空気に触れたときは、さすがに文明の利器に感謝した。 駅までの暑さにこりて、ホテルまではタクシーに乗る。居並ぶ高層ビル群(その多くがマンションである)の街並みは、聞きしにまさる大都会だ。しかし、これほどまでに問到着してから外国を感じない街は初めてである。景観がその国独特のものでないこと以上に、待ち行く人の大半が日本人と区別がつかないせいだろう。 実際、ホテルの近郊を歩いても、大阪の天王寺のような雰囲気だし、古い目抜き通りである准南中路を歩いても、ちょっとした日本の地方都市の中心街のようにしか思えない。翌日の夜、上海随一の繁華街、南京東路を歩いたとき、その派手派手しいネオンを見て初めて中国に来た、と実感したくらいである。 旧市街のたたずまいを残す豫園周辺さえも、空を席巻するビル群の中にあっては、横浜の中華街のように後から作られたもののように感じられるほどである。 食べ物はさすがに食の王者の国だけあって、色々と楽しめる。ただ、取り皿にたまるほどの油の多さと、量の多さには少々閉口する。これだけカロリーを取れば、体重もきっと増えているに違いない。明日、ジムで体重計に乗るのが、少しばかり恐ろしい…。 それにしても、人も車も自転車も、なんと自分本位でせわしなく動くものか。中国4千年、悠久の歴史を刻み、太極拳を生んだ国のものとはとても思えない動きである。そのスピード感が新たな格差を生み出しているのを目の当たりにし、感じずにはいられなかった。 近代的な高層マンションの谷間に、いつ取り壊すのかと思うほど古ぼけた低層アパートがあり、街を歩くと、家族総出で時計やカバンを売りつけようとする家族らしき人たちがいる。その一方で、泳げるほどの広さを持つジャグジー尽きのバスタブや、レストランの厨房に入りそうなシステムキッチンを展示する店が立ち並ぶのだ。 一緒に行った上司がつぶやいた。「なんでもありやな。」そう、正になんでもありの街、というのが実感だった。 たかが3日、されど3日。超大国中国の最先端を突っ走る上海は、街も人も爆発し続けるエネルギーを持て余すことなく私にも降り注ぎ、麻薬じみた妖しさで私の中に迫ってくる。 「自分の人生を変える方法」 人生の酸いも甘いも噛み分けてきた、よびりん♪さんこと市川善彦さん、7777ハリーさんこと柳瀬経子さんの共著である。人生は一瞬にして変われる、と異口同音に語るお2人。この本には、お2人の魂の言霊がぎっしりと詰まっている。

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