行かずにいられない酉の市(認識違いの項があったので訂正いれました)
今年の酉の市は二の酉まででした。三の酉まである年は3回あるので都合をつけやすいのですが、今回は無理に帰京して行って来ました。何時の頃か酉の市、お酉様に行かずにいられないようになりましたうんと幼い頃には行ってなかったのですが、小学校高学年だったか中学生だったか、ニュースで見たお酉様の雰囲気に憧れて、そんなに行きたいのかと不思議そうな顔をする父と待ち合わせして行ったのが始まりだったと思います。その頃、浅草橋まで通っていた父と鶯谷の駅で待ち合わせして歩いて行ったのですが、どの道を通って行ったのかとか細かい事は覚えてませんでもお酉様のにぎやかな人混みと、屋台の店や神社の灯りが初冬の夜に明るかったのだけははっきり覚えています今は一人でもお酉様に出かけます。祭りと同じに血が騒ぐ出かけずにいられない江戸時代から続くこの行事、ふるさと東京を心から嬉しく思える日なのです。お酉様は午前0時から真夜中に日が変わるまでの24時間開かれます。夜はものすごく混雑するので、最近は昼間に行ってしまう事にしています。11月20日、今回は偶々都合のついた姉と雷門で待ち合わせして向かいました。この日もすっきりと晴れた空、北風が冷たい日になりました。仲見世は外国人観光客や修学旅行で来ている生徒たちで賑わっていますが、ここはどこの日本人だっておのぼりさん気分で気楽に楽しめる観光名所。何度行っても飽きないし大好きな所です人混みをかき分けてやっと辿り着いた仁王門(宝蔵門)私と同い年の浅草寺本堂。お酉様の混雑を予想して、この日は階下から拝ませていただいて通り過ぎました浅草寺の後ろ側から花やしき遊園地の横を通り、ひさご通りを抜けて言問通りで左折して国際通りへ。これがいつもの私のお酉様ルート。私より20cmも背が低くてちょこちょこ歩く方向音痴の姉を引っ張って急ぎましたお酉様の最終日なので国際通りを何百メートルに渡って並ぶようになるかと思っていたのですが、以外にスムーズに大鷲神社の前まで着く事が出来ました。神社の入り口前のテントに、一年間火事や厄災から守ってくれた熊手を収めました。入り口の鳥居の両側で、ずっと御幣を振り続けるお兄さん達はアルバイトかな、腕がさぞ疲れる事でしょうここから本殿までは参拝する人々で激混み状態です。酉の市以外は何もなく閑散としてつまらない景色に見える大鷲神社ですが、この日だけはきらびやかです。私は本殿へのお参りは横からするだけに簡略化して失礼していますので、この後左側の熊手を売る店の前をスルスルと通り抜け、神社のお守りなどを出している場所で小さな熊手を贖うのが毎年のやり方です。熊手を売る店の場所は毎年変わりません。ここは「よし田」、ここの熊手だけは細かい部品から全部ここの店の人たちが一年間手作りしている熊手です。右端の素敵なお姐さんは祭り仲間の高校時代の同級生だそうで、勘亭流の流麗な文字で名前を入れてくれます。夫が定年になるまでは、ここで小ぶりな熊手を買って香港に持ち帰っていたものですが、今は眺めるだけ。商売繁盛を願っても年金は全く上がる事がありませんものここは本殿横の錦徳、祭りの知り合いが売り手に入ってますので必ず覗きに行きます^^夜には声が枯れるでしょうって熊手は値段があるようでないものです。ついた値段を買い手が根切ります。そして折り合いがつくと、値切る前の値段で値切った分をご祝儀として上乗せして買うのが粋な買い方と言われています。売り手と買い手が一緒に三本締めでお祝いします。シャシャシャン シャシャシャン シャシャシャンシャン・・・これを3回行います。売り手のお兄さんは合いの手で「商売繁盛」とか大声で景気をつけるので声が枯れてしまうのです最近、締めの一本、とか言って「よ~、シャン」で喜んでる人たちがテレビなどでも見かけますが、あれは一本締めではありません。あれは(簡単にさっと締めてしまおうと始まったらしい)「一丁締め」というもので「一本締めではありません」普通一本締めは物事や行事の途中、休憩時などまだ終わりじゃない時の締めであって、終わりを締めるのは必ず三本締め(大締め)です。こーゆー事に私は非常にうるさいのです、皆さん違いを覚えておきましょうね(一丁締めって好きじゃないから偏見入ってます(^o^;))今年は流行りなのか黒い色が映えるような熊手が目立つ店がありました。おかめがついてる熊手は居酒屋さんとかによく見かけます。店ごとに違う熊手があって見ているだけで楽しいです。よし田は全部手作りですが、他の店の熊手はそれぞれ小さな部品を作る人達がいて、それを合わせて様々なデザインに組み上げているようです。部品は木製だったり縮緬で縫った物だったりプラスティック製だったり様々です。好みの熊手を探す人も大勢いますけど、大きな熊手になると毎年買う店が決まっていて、買い手の名前を大きく書き出して来店を待っています。50cmもする大きさになると数万円もする物があります。縁起物に何十万円も出して商売繁盛を願う人達が結構たくさんいるのに驚かされます昔は神社とお寺が一緒だった頃、大鷲神社のすぐ隣りにある長国寺が本来の酉の市の大本でした。現在は隣り合わせでお参りする人で賑わっています。神社の裏側から様々な縁日の屋台が並ぶ道を通って浅草に戻りますが、夏の十条のお富士さんの縁日とは大きく違い、店が大人仕様になっているのも思い白いです。七味唐辛子の店。とうがらし苦手な私には無縁のお店だけど雰囲気が良いので立ち止まりました夏に見られる金魚すくいやスーパーボールすくいとかの子供向けの店は見られず、テントの中に椅子を並べた即席居酒屋のような店が昼間から賑わっています。結構な値段だから私達はこの日は眺めて冷やかしながら通り過ぎ、浅草寺近くの最近はホッピー通りと呼ばれる所で喉を潤す事にしました。私も姉も昼飲み大好き浅草に来る楽しみはこれなのかもしれませんねこれでやっと年末を迎える気持ちの準備が出来た気分です。商売繁盛と火除けの神様、どうか穏やかな師走がはじまりますように浅草はこれから羽子板市、歳の市と暮までずっと昔懐かしいような日々が続きます。