2007/12/07(金)18:40
紅葉の一泊旅行(2)
2日目・・・。
前日のボリューム満点の夕食を平らげた後、再び温泉に浸かって手足を伸ばしてくつろいだからなのか、朝にはそれなりにちゃんと空腹を感じていました。
それでも朝一番にもう一度温泉に入り雨上がりの冷たい空気に立ち上る湯気を満喫しました。
この日は嬉しい事に天気が回復するかも・・・・と喜んだのに再び雨はポツポツと落ちてきました。
暖かいもてなしをしてくれた宿をチェックアウトして、養老渓谷駅まで車で送って貰ったのは午前10時頃でした。
まだ観光バスの到来時刻ではなかったのですが、この後道は紅葉見物の人々を乗せたバスで満杯になりました。
私達は電車の気ままな旅ですから、好きに行く場所を決めて行動出来る気楽さがあります。
二日目は養老渓谷駅で帰りの電車時刻を把握してから付近のハイキングコースを選んで散策する事にしました。
養老渓谷駅のすぐ横の道は紅葉のトンネルです。
地図を見ながらいくつもあるコースを短く楽な範囲でつなげてのんびりと散歩です。
所々に家があるのですが山奥の田舎の風景とは違っていて家々は普通に東京あたりで見られるような造りです。
植木の栽培をしている家も多いし田畑も整備されているし荒れた感じがしないのは、どこも人の手が入って整えられているからでしょう。
ちょうど「里山」という言葉がぴったりするような環境だと思います。
都心にも近い温暖な土地柄か養老渓谷一帯は人が自然に手を入れた里山地区になっている、という事でしょう。
山は多いのですが高さはさほどでもなく、杉の林は枝打ちされて整って見えます。
雰囲気がやわらかでのんびりとしていても都市から隔離されたような田舎といった空気でないのが不思議な感じでしたよ
あちこちにある竹やぶは雨水を被って人の形のようで面白い
出世観音へ向かう参道に入る観音橋は一つの目印でもあり、景色に明るい味付けをしているようです。
観音橋の横から中瀬キャンプ場方面に向かう中瀬遊歩道というのを辿ってみました。
この辺りは観光バスが止まっては人を下ろし、先の方で待つというやり方をしていたので結構人が沢山歩いていました。
ただ平日だし天気があまり良くない状態でしたので、人ゴミに揉まれるような紅葉めぐりをせずに済みました。
前日歩いた渓谷の養老川はここよりずっと上流に当たります。
曇り空の下でもこんな紅葉した木があると一面が明るく照らされているようです。
弘文洞跡。
39代弘文天皇と十市姫にゆかりの深い高塚や筒森神社のそばを流れる蕪来川(かぶらいがわ)を、川回ししてつくった隧道(トンネル)の跡です。切り立った二つの崖は、昔は一つの山に穴を空けたトンネルでしたが、昭和54年(1979)5月24日未明、一大音響とともに崩壊してしまいました。
余談ですが弘文天皇とは天智天皇の皇子の大友皇子の事で、即位に関しては定かではなく39代天皇とは数えない説も残っています。
十市皇女は天武天皇と額田王の間に生まれた姫の事です。
結構高い崖で見上げるような高さです。
両側は確かに人の手による掘削を感じられるようでした。
上流に水門があるのか豪雨時や台風時にはいきなり増水する事もあると注意の立て札があちこちにありました。
曇った空がだんだん黒くなってきていましたが、結局雨は降らずに済みました。景色も色深く濃くなって見えます。
のんびりと景色を楽しみながらぐるっと回って再び駅へと戻りました。
駅のすぐ上に廃校となった小学校がありました。
朝生原小学校と書いた石の校門が残っていました。
既に校舎は取り壊されて跡形も無く、二宮金次郎の読書しながら歩く石像と広場となった校庭に丸く落ち葉を敷き詰める大きな銀杏の木が残っている姿は物悲しい時の流れを現しているかのようでした。
駅から伸びる小湊鉄道の線路は単線で、ずっと何所までも歩いてみたくなるような風景です。
電車の時間までちょっと間を置いて戻ってきたので、ここでお昼を食べる事にしました。
養老渓谷駅真ん前の「喜代鮨」
入り口の感じも良く店内も小奇麗でなかなかかな、と思ったのが大間違い
頼んだ品がなかなか出て来ない
30分近くして夫の分が漸く来たのですが今度は私のが来ない
店内には昼間から酒に酔っ払った客が1人と常連らしき人がカウンターで飲んでいるだけ。
どうやら夫のが来てから少しして私のを思い出して作り出した様子
その間も常連の所へ行ったりのろのろぐずぐず、声をかけてもお待ちくださいの一言だけ・・・
本当なら席を蹴って立ち上がってしまいたかったのですが、電車の時間には間があるし外は寒いし(駅に待合施設はありません)、怒る夫を抑えてなんとか待ってみる事にしました。
私が注文した物が来たのは45分は過ぎていたと思います。
運んできたおねぃちゃんが遅くなってすみません、とぼそぼそ小声で言っただけ
こんなんなら駅前にもう一つだけあった古くて狭そうなお土産屋さんでお昼にした方が正解だったかもしれません
挙句、帰る前にお手洗いへ行ったところ、「トイレ故障中」ですって
もう夫と顔を見合わせてげらげら笑ってしまいましたとさ
養老渓谷の紅葉と散策や温泉はお勧めですが、養老渓谷駅前のお食事処「喜代鮨」にはご注意くださいね(笑)
夫の定年と共に帰国して二人だけの新しい生活が始まって1年9ヶ月が過ぎました。
毎日出勤する夫や登校する子供たちがいない生活は本当に想像も出来ないような毎日です。
のんびりしてはいるのですが何もけじめが無い事への戸惑いやストレス。
夫も私もお互いに平和で幸せな時間を過ごしているのに何故か苛立つ事もある生活は、それぞれが違った独自の時間を持たなければ上手に流れて行かないのでしょう。
それでも平日に二人でのんびり電車で温泉旅行に出掛ける事は最高の楽しみです。
友人や親や姉妹での旅行はそれなりに楽しいのですが、夫と出掛けるのは一番気疲れも無く気ままにわがままに過ごせるから楽チンなのです。
何かを見たり聞いたりした時にそれを一番話したい知らせたいと思う相手との旅が一番良いと言う事なのでしょう。
帰路には家に待っている吟の事が気になりどんな顔して出迎えてくれるのかが楽しみになり、こうやって時間が過ぎて第三の人生を生きて行くのだなぁとしみじみ思うのです。
さて次は何所へ行こうか、楽しみにあちこちネットで既に検索中なのであります