2009/04/05(日)09:08
事件・吟の入院
吟が一昨日の夜、夫と遊んでいた時におもちゃを飲み込んでしまった。
ネズミの人形がついた釣竿みたいなおもちゃをブンブン振り回して貰い、走り回って追いかけるのが大好きな吟
これを飽きずに毎晩、寝る前の一時やらないと気が済まないらしい。
ネズミを捕まえる度に噛み噛みするので、急いで口を開いて外してまた振り回して追いかける・・・
何時しか噛まれて小さく潰れたネズミになっていたのだが、一昨日とうとう吟はそれを離さず紐を切って飲み込んでしまった
その後はケロッと元気で、遊びに満足してぐっすりと眠ってしまったので、あまり深くは気にしていなかった。
朝は何時ものように、6時過ぎにお腹が空いたと起こされた。
ドライフードを何時もの量、夢中で食べてやっと落ち着いたのか日向ぼっこを始めた
天気が良いから私と夫は散歩に出る事にして、11時頃家を出て谷中周辺を散策しに行って来た。
5時頃帰宅した時に、吟は何時ものように玄関真上の窓から覗いていて、玄関を開けると同時に元気に階段を下りて出迎えてくれた。
元気に走ったり鳴いたりして、何時もと全く変わった様子は見られなかった。
二階に上がって初めて異変に気がついた
絨毯の上にこんもりと吐出物があったのだ
良く見ると、朝食べたドライフードがふやけた状態になっているだけで、消化された物ではない
吐いてさっぱりしたかのように見える程元気だったけど、おそらく食べた物全部吐いてしまったのではないかと思える程の量だった。
それでもあまりにもケロっとして元気なので、迷ったけど少し様子を見る事にした。
それは吟が無類の臆病猫で、人に会ったり外に連れ出す事がとても苦手だったからだ
夕食はさすがにほんの少ししか食べなかった。
でも水は何時もと同じくちゃんと飲んでいたし、飲んだ水をその後吐いたりしていなかった。
それでも不安だったしどうしたら良いのか迷いながらの様子見だった
今朝、吟はお腹空いたと何時ものように起こしに来なかった。
猫ベッドに座ったままじっとしていたようで、夫が呼んで初めて一緒にキッチンへ下りて行った。
食欲は無いようだ、と言うか、食べたいけど食べられないような雰囲気も見える。
水も飲んでくれず、少しぐったりしているようにも見える
夕べから今朝は病院に連れて行って診て貰うと決めていたので、吟をキャリーバスケットに入れて家を出た。
こういう時に車があると便利なのだけど、4.5kgる吟を入れたバスケットを下げて歩くのは結構な重労働である
かかりつけの動物病院まで歩いて20分くらい、線路横の道を行くので、電車の音に驚いた吟が鳴きながら動くと、バスケットが前後に揺れてかなり重い
診察台に乗せると吟は既におびえて腰が抜けたようになってしまい、家では考えられない程おとなしくじっとして、先生にされるがままになっている。
びびり猫だから怖くて物凄いストレスなのだろう、診察台の上に吟の足跡がつくくらい、肉球に汗をかいてた
触診ではどうも何も異変は感じられないとの事、でも吐出があったり、今朝からのぐったりがあるので、このまま様子をずっと見るのは不安があるとの事。
更なるちゃんとした設備での検査を薦めて、大きな病院を紹介してくれた
今までこの獣医先生は、良い人なのだけど真面目過ぎるのか言葉が足りなく愛想がなくて今一だった。
だけど今回みたく正直に自分で責任持てる検査がそこでは出来ないからと、次の検査機関を紹介した誠実な態度にとても感謝している
王子の病院前からタクシーに乗り、板橋区の南常盤台という所にある大きな動物病院へと直行した
そこは獣医師だけでも20人からいる病院で、動物看護の指導を受けているナース達がたくさん働いている大きな病院だった。
待合室にはちゃんと犬の待合室エリアと猫用とが分けてあり助かる
そうでなくても既におびえている吟には、遠くで犬の声が聞こえるだけでも怖さが募るのだ
バスケットの奥にへばりつくようにうずくまってしまっていた。
ここでも診察台の上でまず触診から始まったのだけど、抱いて支える私の手には、吟の早鐘のような鼓動が伝わって来た
体はぐったりと力なく腰抜け状態なのに、虚ろに焦点が定まらないような眼と、早い鼓動がアンバランスだった。
本当に怖くて仕方がなかったんだね、可哀想に
レントゲン撮影の結果は、何やら小さい影が胃に写るようで、更にはっきりした検査が必要との事。
バリウムを入れて、その動きの推移を見る事になり、一旦私達は夕方まで病院を出る事になった
不安そうにバスケットのドアからこちらを見上げる吟に、後ろ髪引かれる思いを残して病院を出た。
あまりにもぐったりと疲れた私達は、なんとなく歩き出していた。
この辺りは夫の実家があったすぐ近くなので、地理的に解っている場所
石神井川沿いの桜並木が満開なので、それを辿って家の方向へ歩く事にした
人々の歓声が聞こえる満開の桜の続く道、私達は口を開けば吟の事ばかり。
花の美しさは目に入るけれど、それを心から楽しむ精神的余裕が無いまま歩き続けた。
なんだか本当に疲れた・・・・。
途中からバスに乗って帰った
家へ帰ると何時も迎えてくれる吟がいない
階段を下りてくる時、首輪の鈴が鳴るチャリチャリという音も響かない
吟がいない家はあまりにもがらんと寂しくて、疲れが更に重くなったように感じた
4時半にもう一度病院へ向かった。
お医者さんの説明で、バリウム検査の時間としてはまだ数時間足りないので、しっかりとした最終判断にもう少しかかるとの事。
結局入院して夜、朝と経過観察のレントゲンを撮る事になった。
その時点でバリウムが胃から腸へ下りて行くのが遅い為、胃の出口の部分を何かがブロックしている可能性があるという事を言われた。
ただ、少しであれバリウムが腸へ移行はしているので、完全に閉鎖されてしまっている状態ではないそうだ。
朝から夕方まで一日飲まず食わずでいる為、点滴で水分などの補給もしてくれるそうだけど、吟はレントゲンを何回も撮る度にケージから出されて知らない人に触られるだけじゃなく、針まで刺されるのかと可哀想でしょうがない
なんとか点滴で腸の動きが良くなって、詰まっているような物がぽんと出てくれないだろうか・・・一抹の望みであれ祈らずにいられない。
明日になれば結果が出て、もしかしたら開腹手術になる可能性もある。
その場合1週間程は入院しなくてはならないそうだ。
保険が利かないから、人間の病院代よりもはるかに高くかかってしまう
それでも吟が元通りに元気になれるのなら構わないと思う
可哀想で可哀想で、涙が出てしょうがないけれど、一旦病院に預けて治療を頼んだからには、医者を信頼して祈るしかない
私がめそめそぐったりしても何も変わらないのだから、そうだ絶対に私が吟を看病して治してあげるんだそう決心したのだ
ただ、夜になって戻って来て、吟が不在の我が家の寂しさ暗さは想像以上の事となった
吟という猫一匹、あんな小さい生き物なのに、その存在の大きさ大切さはとてつもなく巨大で深い
家族になって2年ちょっと、吟のおかげでどれ程心安らぐ時間を過ごして来た事か、今更ながらに驚いている。
吟はまだ3歳にもなっていない若い猫だから、その生命力を信じて祈ってあげようと思う。
吟が飲み込んでしまったネズミのおもちゃ
体だけだと3cmらいで、中がプラスチックで出来ている。
新しい首輪を作ってあげたばかりだった。
ついている鈴の音が聞こえないと寂しくて堪らない
明日昼に面会に行って、診断を聞く事になっている。