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カテゴリ:生活環境/季節
同じ町内の一角に、古い家と広い駐車場を壊し十軒もの建て売り住宅となる場所がある。 夏前に更地になったと思ったら、雑草が猛暑に勇気づけられたかのように勢い良く生い茂り秋を迎えていた。 数週間前からいくつかの土台が築かれつつある中に、新たに工事が始まったかに見えた場所から見慣れない形が現れていた。 それ程深く掘られた訳ではないけれど、土の中にはっきりとした硬い畝のような形などが見えていた。 それはどう見ても遺跡にしか見えない。 ちゃんとした調査がされるのか心配になり、歴史に詳しい知り合いに訪ねたところ、遺跡などが出た場合の調査費用は建築主が持たなければならないため、多くの物が黙って埋められてしまう事が多いとか・・・。 その知り合いが考古学の学芸員に話してみようと考えてくれていた矢先、発掘調査がちゃんと始まって安心した。 作業をしている人達に、道路から声をかけて質問してみたところ、これは弥生時代の遺跡だとの返事だった 小さなシャベルや刷毛のような物で、土を少しずつ掻いて調べている姿は泥まみれ まだ遺構だけで石器のような物は発見されてはいないのかもしれない。 調査が終われば再び埋められて、きっと家が上に建ってしまうのだと思う。 長い時を経て漸く光を浴び、人の手に触れられてハァっと溜息でもついているのだろうか。 確かにここに大昔人が住み、日々の営みを繰り返していた証。 その頃の周辺の自然はどんなだったのだろう。 時間を遠く隔てた同じ場所へ思いを馳せる時、物言わぬ遺構がとても愛しく感じられてしょうがない。 ここの土地は武蔵野台地の端の一角に当たる。 今京浜東北線などが走る線路辺りを境にして、低い側には海が入り組んでいた時代があった。 我家のすぐ目の前にある八幡山(若宮八幡宮という小さい祠が祀られている)の下には貝塚も発見されている。 海や川があった為、この一帯は遺跡群があると言われているそうだ。 どんな服装でどんな髪型で、何を日々の糧にしていたのだろう。 言葉は今とは違っていたとしても、その頃の人々の間に流れていた感情、例えば親子だったり夫婦だったり恋人だったりの間にあったのは、恐らく今と変わらぬものだったに違いない。 祖先から受け継いで今に至る地域の中で、ひとときの思いを太古に飛ばし知らない昔を懐かしんでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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