2011/08/13(土)18:19
盛夏の旅1・身延山と下部温泉
あっという間に時間が過ぎて、旅から戻って既に2週間が過ぎようとしています
夏休み前に混雑を避けて出かけようと、真夏の旅行に選んだのは山梨県でした。
私のPCのお気に入りの中の「温泉・旅行」の項目内には、行ってみたい所が沢山入っています。
その中から今回は、山梨県の下部温泉を選びました。
何時ものように、「小ぢんまりとした和風旅館」で、建物も趣深い情緒を感じられる所です。
泊る場所が決まってから、近辺の見所などを色々検索して調べて、あーでもないこーでもないと楽しくも忙しい時間をルート選びに費やして決めました。
つまり、甲府経由で身延線に乗り身延山へ行き、下部温泉まで2駅戻って宿泊・・・という計画です。
この頃は毎日酷暑の頃、ましてや山梨県の甲府あたりでは連日36℃の気温でしたよね。
乗り換え駅は甲府ですが、身延線沿線の気候がどうなのかは色々調べましたけど、やはりかなりの暑さが想像されました。
そこで一度も被った事が無い夫にも帽子を買いに行き、安い中国製の麦わら帽ではなく、それよりはちょっと高目だけどカナダ製の木の皮で編んである涼しそうな帽子を購入しました。
私も普段は帽子は被りませんが、先日この旅行の為に修復した帽子を被って行きましたよ^^
7月14日(木)は、朝7時まえには家を出発しました。
朝日なのに既にかなりの照り付けでしたけど、旅立ちのわくわく感を頭の帽子に感じて歩きました。
駅までの約10分間でかなり汗びっしょりになりましたけどね
去年会員になったまま一度も活用していなかったJR東日本のジパング倶楽部で、往復乗車券を前もって購入してありました。
座席指定券は買っていませんから、電車の時間は乗り換えさえ上手に選べたら自由に選択できます。
余裕を持って家を出たので、当初考えていたより早く出る列車に間に合いました。
まず新宿駅のホームで朝食のお弁当を選びましたよ
鳥めし弁当2種類です
中の様子はちょっと違ってます。
私がそぼろの右側、夫が左側。それぞれ美味しかったですよ
7時発のスーパーあずさ1号松本行きに乗りました
私は撮り鉄でも乗り鉄でもないのですが、電車は結構好きな方で、初めて乗るスーパーあずさにちょっと興奮しましたよ
何でも振り子の原理を応用した車体で、カーブなどの揺れが少なくなっているそうです。
乗り心地はすこぶる良好
座席もゆったりとしていたし、前の座席との間隔も飛行機のエコノミーなんて比べ物にならない程広かったし
始発駅でしたけど、時間に余裕があったのでちゃんと座る事ができました・・・・驚いたのは、そんな早い時間の列車だし夏休み前なのに、どんどん混んで来て座れない人が何人も乗車口の辺りに立っていた事でした
何時ものように私は窓の外を流れる景色をずっと観察状態
都心からだんだん建物が低くなり、空が広く感じられるようになり、郊外からどんどんと山里へと移り変わる景色を見ていると全く飽きません。
高尾を過ぎれば線路は山の合間を通って行きます
川と一緒にうねるように続く道路や、それに沿って長く伸びて続く民家の並び。
緑濃く光を反射して揺れる葉は、木の種類によって少しずつ皆違った緑色なのが面白いですね^^
やがてトンネルをいくつか抜けて、東京から少しだけ神奈川(相模湖辺り)、山梨へと進んで行きました。
就職して新入社員研修を長野の白樺湖近くで経験した時以来、こちらへは来た事がありません。
考えると33年も前の話
列車はもちろん景色だって随分と違っているでしょう。
何より若い頃の私の興味が全く違っていましたから、景色を今のように細かくしつこく眺めたりしていなかったんですね
いくつかのトンネルを抜け甲府盆地へ列車が出た途端、景色は一変しました
ずっと山間部を走っていたのに急に視野が大きく開けたのには驚きました
線路の両側に迫っていた山の奥に、こんなに開けて大きな平地がある事に素直に感激です
緩やかな斜面一面はブドウ棚の畑が連なり、平らな所は桃などの果樹畑が広がっていました。
ちょうど山形新幹線で出掛けた時、長い長い板谷峠を抜けていきなり開けた米沢・山形盆地の風景に良く似ている事に気づきました。
山形県も山梨県も果物の大産地、盆地の気候が似ているのでしょうね。
まだ朝の内、8時半頃に甲府駅に到着しました。
乗り換える身延線は既にホームに入っていましたが、出発まで30分ほどありました。
身延線ホームから甲府城址が見えました。
身延線は甲府盆地を横切るように走り、南アルプス(赤石山脈)と富士山の間を流れる富士川に沿って山岳部を抜け静岡県富士駅まで行く路線です。
午前中でもかなりの暑さに白っぽく光る景色の甲府盆地、美しい高い山々に囲まれた場所なのに、雲がかかっていて南アルプスどころか富士山も全然見えないっ
あーあー、そうですよっ 私は富士山には嫌われているんです知ってます
それでも手前側の山々は美しく雄大で(後ろの更に高い山々が見えたらさぞ感激した雄大さでしょうが)、車内は冷房が効いていて涼しいし、空は青いし・・・富士山は見えないけど気持ちがスゥっとなる気分でした
甲府盆地の真っただ中にある市川大門駅。
なんでこんな中華風の建物なんでしょ
盛夏の実り。
甲府盆地の平坦部には田んぼがひろがっていました。
鰍沢駅を過ぎると線路の両側の景色は急に狭まって山と山の間を進んで行くようになりました。
ここから静岡県側の西富士駅まではずっと山岳鉄道の様相になります。
小さな無人駅がいくつも続きました。
山の間の隙間を無駄なく使ったように家が点在しています。
こんな所に住んでいる人達の暮らしはどんな様子なのだろう、そんな事を考えながら垣間見える生活を想像していました。
ひらがなで書いていあると色々想像してしまうのですが、この「はだかじま」は「波高島」と書きます。
ホームに落ちる濃い影が、この時の強い日差しを思い出させます
トンネルをいくつも抜けながら、景色は川沿いだったり畑だったり森の間だったりと目を楽しませてくれました。
目的地の身延駅には10時半ちょっとに着きました。
身延駅、日蓮宗大本山身延山久遠寺への参拝客でにぎわう場所ですが、この日は閑散と乾いた風が吹き抜けていました。
この駅前から門前町までバスに乗りますが、ほんの数分しかありません。
荷物を駅のロッカーに預け、飲み物を買うのに焦った私はつっかえて、タクシー乗り場前で見事に転んでしまいました
痛いより恥ずかしい(誰も見てなかったと思ったら、バス停前で夫が笑い転げてた)
さて、本数が少なくて乗れなかったらと心配していたバスに無事間に合い、身延山久遠寺へと向かいました。
なんと乗客は私達だけ(笑)
運転手さんが親切に説明したり話をしてくれたのも、こんな空いた状況だったからです
つづく