2007/10/01(月)18:43
マネートレーダー/銀行崩壊 (イギリス)
監督: ジェームズ・ディアデン
製作: ポール・ラファエル ジェームズ・ディアデン
ジャネット・デイ ポール・ラファエル
製作総指揮: デヴィッド・フロスト ピッパ・クロス
クレア・チャップマン クリストファー・ボール
脚本: ジェームズ・ディアデン
原作: ニック・リーソン
撮影: ジャン・フランソワ・ロバン
ジャン・フランソワ・ロバン
音楽: リチャード・ハートレイ
出演: ユアン・マクレガー
アンナ・フリエル イブ・ベネトン
キャロライン・ラングりッシュ リー・ロス
つい最近アメリカのサブプライム問題から派生した金融に対する世界的な信用収縮が起こり為替や株の相場が大きく変動(暴落)して毎日のように各局のニュースで取り扱われている為、結構面白く見ることができました。 疑問だったのはエリザベス女王も取引していると言われた名門中の名門老舗銀行が何故こんな事態を引き起こしたのかということでした。どうやら1986年サッチャー政権での規制緩和「金融ビッグバン」が背景にあり、外資参入による競争が激化する中で老舗銀行も体質変換する必要があったようです。学歴のない主人公にチャンスを与えたのはいいけれど、大事な所で上司はミスを犯しました。
最初はそんなに彼に期待していなかったのか、人件費節減の為か、立ち会い部門と決算部門を彼一人に集中してやらせたのが、この事件を引き起こしたポイントだったように思います。その為内部チェック機能が働かず彼の経理操作で次々と証拠金(追証)を本社から引き出せたワケで・・・彼の見せかけの稼ぎに目を奪われ、銀行本来の厳重なチェック体制を機能させなかった本社にも重大な責任があると思いました。株取引やFX(外国為替証拠金取引)の経験があれば主人公のミステイクなオプションを頭ごなしに馬鹿にできないと思います。
扱う金額の違いはあっても人間の欲との戦いは同一線上のもの。
その意味において自分への戒めとして観ておいて損はない映画だと思いました。 ただし映画としての出来は決していいとは思えません。
私がFXをしていなければ途中で見るのを止めたかも知れません。
現実に起こった事件だからこそ「そんな馬鹿な」と思うシーンにもリアリティを感じられるのでしょう。 現実の主人公は投獄後奥さんに離婚され、癌に犯されるという最悪のシナリオだったようです。ちなみに主演のユアン・マクレガーは『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のオビ=ワン・ケノービ役で名実ともにハリウッド・スターの仲間入りをした俳優です。