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りらっくママの日々

りらっくママの日々

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2009年07月04日
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カテゴリ:短編小説
今日の日記( 新ドラマどれ観る?2009夏新ドラマチェック!)


「ブログ物語:後編A」


ルパンのブログもそうだが、自分が見るブログは、
どこかしら、自分が興味を持っている内容が書かれているものが多い。
コメントも、どこかしら優しい。
ブログを書いている人はたくさんいるが、
やはり、類は友を呼ぶではないけれど、
自分の周りにも、自分と気が合う人が集まっているということなのだろうか?

ネネがそんなことをフッと考えた時、ブログの画面が揺れた気がした。
何?
ネネが更新のボタンを押すと、そこは自分の管理画面ではなかった。
良く見るとそれは、いつも行く、
家を建てていることを書いている男性のハンドルネームが書かれた、
ブログの管理画面だった。

「ママ、オナカすいた~。」
リンが服をひっぱっている。
「はーい、今作るからねぇ」
もう一度画面を見ると自分の管理画面だった。
何だろう、さっきの?
管理会社の不具合とか?
ネネは気になりつつも画面を切った。

昨日のアレは何だったのだろう?
そう思ったものの、自分のブログを書いているうちに忘れた。

最近ずっと眠い。
そして時々眠ってしまっていたのか記憶がどうも曖昧だ。

今日のブログを書き込み、楽しみにしている他のブログへ行こうとしたその時、
いつもと違う、自分のものではない管理画面が現れた。

そこは、ネネに優しいコメントをくれる、女性の管理画面だった。
ネネが更新を押すと、
次に表れたのは映画の紹介をしてくれる男性の管理画面、
次は子供とのことを書いているお父さんの管理画面。
次は育児にたいへんなお母さん、
ゲームが好きな男の子、
音楽を紹介してくれる高校生、
写真が好きな男性、
小説が好きな女性、
面白い画像を紹介してくれる男性…。

様々なブログ管理画面が表れ、最後にルパンの管理画面が表れた。

今日の日付の日記が書かれている。
”neneさん、もう大丈夫でしょう?”

「ああ、そうだったっけ…」
ネネが呆然として振り返る。
後ろには、リンをダッコした夫が。
「どうした?ネネ?
…それとも今はルパンなのかな?それとも違う誰か?」

「ううん、今はネネよ。
もうきっと、誰にもならないわ。」

夫はうつむいていた。

「ごめんな。オレがあの時あんなに仕事が忙しくなければ…
4年前のオマエが一番大変な時期に…。」

「大丈夫だから。ルパンもそう言ってるわ。
今日、お別れの管理画面が出たの。」

ネネは夫と息子にそっと抱き寄った。
夫が涙を流していた。
ネネも涙がこぼれた。
でも、もう大丈夫。
みんなが大丈夫だって言っている。
外には桜のつぼみが開き始めていた。

<終わり>



「ブログ物語:後編B」

ネネは、ルパンにメッセージを送った。
「ルパンさんは、私の夫の若い頃と似ています。
うまく説明できないんですけど、感想とか、考え方が。」

ルパンから返事が来た。
「そうなんですか?じゃあきっと面白い人なんでしょうね!(笑)」

ますます昔の夫のようだ。
ネネは、あの頃のドキドキした気持ちを思い出していた。
夫から誘いの連絡が来ると、仕事が終わるのが待ち遠しかった。
携帯のショートメールでは、冗談が絶えなかった。

「実は私も遠距離恋愛してたんです。今の夫と。
7年前に、夫と結婚することになり、今に至っています。
ルパンさんの恋愛が成就するといいですね!」

ネネはルパンとのやり取りを楽しみにするようになった。
夫には悪いが、ドキドキした気持ちが昔に返ったようで嬉しかった。
ネネはどうやら恋をしてしまったらしい。
でも誰に?
会ったことのないルパンが、若い頃の夫とダブる。
最近、夫は息子に夢中だ。

ルパンはそのうち彼女、クラリスとのことを書かなくなった。
でも、最初のうちは、こんなことが書いてあった。
「neneさんと話していると、彼女といるみたいです。」

その夜、ルパンからメッセージが来た。

「neneさん、どうやって旦那さんは、neneさんのハートをゲットしたんですか?
実は、先程、彼女と久しぶりに会って、帰り際、彼女が泣き出してしまったんです。
でも、電車のドアが閉まってしまったので、どうにもできなくて…。
ショートメールをすぐに出したんですが、返事が来なかったんです。
以前もこんなことがあって、その時は返事が来たのに。
このままでいいのか迷っています。」

ネネは、自分と夫とのことを思い出していた。
あれは、結婚を決めた日だった。
ホームにいた。
自分は帰りの電車に乗りこんだ。
また離れるのがつらかった。
思わず涙がこぼれてしまったけど、心配をかけるのが嫌で無理に笑顔を作った。

「どうして泣きながら笑うの?」
と、心配そうに夫が言った。

「ううん。何でもないの。」

その瞬間にドアが閉まった。
電車が駅から離れていくと、携帯が鳴った。
夫からのメッセージだった。

”ダイジョウブ?”

”ダイジョウブダヨ”

そう書いて送った。

”モウ、ハナレテルノガツライ”

次に、そう入力したものの、送るのを迷った。
消そうとした時に、乗客がネネにぶつかった。

「あっ。」

その拍子に送信ボタンが押された。
自分の駅に帰った時、ネネは電話をしてみた。

「…ごめんね。」

「何で謝るの?」

「何となく…」

「…」

「どうしたの?」

「オレさ…、電話じゃ嫌だったんだけど。…結婚しよう。」

これがきっかけだった。

あの時に乗客がぶつかっていなかったら、ネネは間違いなく電話をしなかった。
ルパンの彼女が自分のように思えた。

「私も、同じようなことがあったんです。
あの時、返事を出したので、夫から電話が来て結婚することになりました。」

うまく書けたかわからなかったが、ネネは返事をすぐに書いた。

数日後、ルパンからメッセージが来ていた。

「結婚することにしました!
neneさんのメッセージが来なかったら、今頃すれ違ってしまっていたと思います!」

ネネは自分のことのように喜んだ。
が、続く文を読んで驚いた。

「実は彼女の名前はネネっていいます。
なので、neneさんとメールをやり取りすると、
彼女の気もちを教えてもらっているような感じがしてました。
30歳になる前に結婚を迷っていた時期があって、
それが、neneさんの結婚を決めた時期と同じです。

neneさんは今、旦那さんと幸せそうな感じですよね。
僕もあの時に結婚をしていれば、そんな家庭が持てたのではないかと思いました。
今、決めてみて本当に良かったです。ありがとうございます。」

ネネは、不思議に思った。
あの時、ぶつかっていなかったら、私も結婚していなかったかもしれない。
でも、結局は遠距離恋愛を続けて、夫と結婚することになったのかもしれない。

しばらくして、ルパンからメッセージが来た。
結婚したらしい。

「5月25日に結婚しました。」

ネネは驚いた。
それはネネが結婚したのと同じ日付だった。

偶然って、あるものなんだ~。

ルパンのブログは相変わらず、感想や面白かったことの紹介、
仕事で思ったことが綴られていた。
しばらくしてまた来たメッセージに驚愕した。

「息子が生まれました。リンって名前です。4月15日生まれです。
あの時のメッセージのやり取りがなかったら、授かってなかった命です!」

ネネはリンと言う本名をブログに載せていなかった。誕生日も。
恐る恐るメッセージに返事を書く。

「おめでとうございます。私の息子もリンって言うのが本名なんですよ。
誕生日もいっしょです。
まさかと思いますが、ルパンさんの本名は、ユウヤって名前じゃないですよね?」

返事はすぐに来た。

「そうです…。」

ネネは数日迷って、メッセージを書いた。

「では、お願いがあります。どうか、息子さんを大事にするのと同じように、
奥様のことを大事にしてあげて下さい。
そうじゃないと…」

ここでネネは書いて良いのか、また迷った。

「奥様の気持ちは貴方から離れます。」

リターンボタンを押そうか迷っていた時に、リンの蹴ったビーチボールが手にぶつかった。

「あっ。」

送信されてしまった。

いつもそうだな、私。
ネネはため息をついた。

その夜、夫が花とケーキを買って帰ってきた。

「何で?今日って何の日だっけ?」

「結婚を決めた日」

日付はネネ自身も忘れていた。
ルパンには、その時の出来事を送ったくせに。
ちょっと涙が出た。

ネネはその晩珍しく、夫と映画を観た。
付き合っていた時のように、手を握りあった。
以来、ネネは夫と映画を観るようになった。
心の空虚感は、いつの間にか無くなっていた。

ネネはルパンのブログを覗く。
今日は珍しくルパンの家族のことが書いてあった。
向こうの世界でも夫は幸せらしい。
そして私も。

ネネは微笑んで、今日も自分のブログを書いた。



<終わり>



「ブログ物語:後編C」

ネネはルパンと会うことになった。
ルパンは福山雅治と真田広之とブラッドピットとキアヌリーブスと
TOKIOの長瀬とV6の岡田と水嶋ヒロと佐藤健を
足して3で割ったような顔立ちをしていた。

「どうしよう。好みのタイプかも!?」
ネネは心の中で思った。


ルパンはハリソンフォードのような強引さを持った話し方をし、
雰囲気はオダギリジョーのようにクールだった。
笑うとヨン様のように優しい顔になる。

「まずい~、胸キュンかも~」

ネネは心の中では夫に詫びつつも、目の前のルパンに夢中になった。


ルパンとネネは喫茶店から出ると、ネズミーランドに行くことにした。

「忙しくて、お金を使う暇がないんです。
だから、今日は使わせて下さい。」

「いいんですか~?」

ネネは絶叫系が好きなので、ガンガン乗らせてもらった。
でも、歳なのか気持ち悪くなった。
ルパンもそうらしい。

「若いくせに~!」

「歳は関係ないですよ!」

笑った顔がまたカワイかった。
きゃあ~!助けて~!


夜が来た。

「夕食はパレードを見てから外に食べに行きませんか?」

ルパンとネネは高級リゾートホテルで食事をすることになった。
夜景が美しかった。

「こんな高級なもの、良いんですか?」

「さっきも言ったじゃないですか。お金を使わせて下さい。」

そして、食べ終わった頃に店がいきなり暗くなり、
ハッピーバースデーの歌と共に、ワゴンにケーキを載せた店員が。

「ネネさんチョコレート系のケーキ好きって言ってましたよね?
お誕生日おめでとうございます。」

「わぁ~!好き好き、大好きです!すっごい嬉しいです!」

食事が終わると、ルパンは車で送ってくれた。

「ネネさん、今日はありがとうございました。」

「いいえ、こちらこそ、とっても嬉しかったです。」

「そうだ、コレ…。」

ルパンは赤いリボンのついたプレゼントをネネに渡した。
開けてみると、まるで、どこかから盗んだような高級アクセサリーが入っていた。

「こんなスゴイもの受け取れないですよ!」

ルパンはネネをみつめる。

「いえ、あなたが身に着けてくれると嬉しいんですよ。では。」

ルパンはそう言って、ネネの心を盗んで去って行った。

「誰か、彼を逮捕して…」

ネネはステキな誕生日を迎えることができた。
あれ?子供と夫はどこに行ったのだろう?


<おわり>



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最終更新日  2009年07月04日 20時08分53秒
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