カテゴリ:ある女の話:アヤカ
今日の日記(「華麗なるスパイ(最終回)」「こち亀(最終回)」の感想☆)
「ある女の話:アヤカ40」 今日は、会社に出たら赤木さんが来ていた。 ちょっとそわそわしてしまう。 午前中、返事は来なかった。 送信履歴を読んでみて、 やっぱりマズかったかな…って思った。 私が思ったような人じゃなかったのかもしれない。 頭がそっちでいっぱいになってしまって、 仕事になかなか集中できない。 出したことを後悔した。 でも、コレで良かったんだろうと思った。 心を開ける人なんて、 この街では今までも作れなかったんだし、 これからもそうだよ、ってことなんだろう。 何か変に意識されても、 それは向こうが勝手に思うことだ。 どう取ろうと相手の自由。 こんなメールを出してしまったことで、 もう感想のやりとりや雑談ができないことは残念だけど…。 私は軽くため息をついた。 昼休みにみんなと社食で雑談をすることでリフレッシュした。 遠くに、今からお昼を取るらしい赤木さんの姿が見えた。 仕事が長引いたのかな? そんなことを思った。 私が部署の机に戻ってパソコンを開くとメールが入っていた。 心臓がドキンと鳴る。 赤木さんからだった。 こんにちは。 オレも同じですよ。 寮に帰ったら一人だし、彼女のとこでも待ちぼうけです。 待ってる間は、以前はテレビを何となく眺めてボンヤリしてたけど、 今は、タカダさんが勧めてくれた本を読んだりしてます。 あと、オレは以前バンドやってたので、 オリジナルでやれるような詩を書いちゃったりします。 こないだ教えてくれた本、面白いですよ。 彼女の部屋ではギター弾けないんで、 (うるさくすると怒られる) 彼女が勉強してる時は本読んでばかりです。 前は本なんか読まなかったんだけどなぁ~。 タカダさんのせいですね! 嘘みたい。 画面を見た途端に、いつもと違ってかなり長くて驚いた。 嬉しい気持ちが広がっていくのがわかる。 読んでいて、驚いたのは、 彼がバンドをしていたことだ。 なるほど納得。 しかもギターか…。 頭にパッとツカちゃんのことが思い浮かんだ。 もう何年も忘れてた苦い思い出。 ただ、ここで違うと思ったのは、 彼の方が彼女に待たされてるらしいってことだ。 この気持ちはよくわかる。 私もよく待ってた。 今もだけど、 ツカちゃんが何か創作してる時、 邪魔しないように、絵を描いたり勉強したり…。 今でも覚えてる。 ツカちゃんの言葉。 「アヤカは何で怒んないんだよ。 俺、勝手なことやってんのに…。 オマエのいい子な態度が疲れるんだよ。 無言で責められてるみたいで、 俺、嫌なんだよ。」 終わりの方はこんなこと言ってたな…。 そして、言ったことに自己嫌悪してる彼の背中を抱いた。 ツカちゃんは、ゴメンって。 アヤカのせいじゃないのに、俺がピリピリして当たってるだけなのに… って。 思い出すとまだ胸が少し痛む。 真剣過ぎる位、お互いを出してた。 しょっちゅうツカちゃんの前で泣いてた。 うまくお互いが感情をコントロールできなかった、あの頃。 自分が悪いんじゃないか?って、 何度も自分を責めた。 マノくんやヒロトといっしょにいて、 自分をありのままに出しても、 楽しく過ごしてもらえることが妙に嬉しかったっけ。 どの人もツカちゃんと同じように、 重たくなっちゃうんじゃないか?って、 すごく怖かったっけ。 何て書いたらいいのか、 返事をすぐに書けなくなってしまって、 とりあえず仕事の続きを始めた。 仕事をしながら、 何て返事をしようかって考える。 途中、仕事の息抜きをしながら、 返事を書いた。 赤木さんはバンドをしてたんですね? 私も高校生の時にちょっとやりました。 その当時はいろいろあったな~と、思い出しました。 楽しかったことばかりじゃなかったけど、 今思うととても懐かしい。 当時付き合ってた彼が私を待たせていたので、 赤木さんと同じ気持ちになりました。 今も、同じように夫を待ってるけど、 人によって、受け入れ方が違うので、 やっぱり相性ってあるんだな…って思いました。 でも、やっぱり待ってると時々、 家族になっても、人は独りなんだと思う。 それぞれが自分の世界を持っていて、 それを上手く尊重しないといけないんだろうな…。 彼女さんと赤木さんが上手く行くといいな~って思ってます。 って、こう書いてから読み返してみて、 何だか難しいこと書いてるかも…って思った。 しかも暗いな…。 返事が書きにくそう。 それに当時のこと聞かれたら、 ちょっと返事を書くのがつらいかもしれない。 全部消して、仕事の続きを始める。 一段落してから、 赤木さんのメールを読みながら、もう一回書き直した。 そうでしたか。私の趣味がお役に立ててるようで、嬉しいです! 赤木さんも、帰ったら一人なんですね? 何だかちょっと励まされました。 彼女さんとは、結婚話進んでますか? あ!こういうの、オバサンになったみたいですねー! オバサンになるのは嫌だけど、興味津々です! では、また明日! これのがいいや。 さっきみたいなのは、なかなか返事が来なかったりすると、 また出さなきゃ良かったって、後悔しそう…。 いいメール友達になってもらえた方がありがたい。 あまり自分のこと打ち明けても、 受け入れてもらえなかったら痛いし。 今まで通りに、楽しく世間話でもしててくれた方がいい。 私は帰り間際にそのメールを出した。 翌日の朝に返事が来ていた。 まだオバサンは早いんじゃないですかー? ってことは、俺もあと4年でオジサンってことですね。 いや、気持ちだけはいつまでも少年ってことで… って、まだそんなこと思うの早いか! なので、タカダさんもそんなこと思わないで下さい! そうでしたか、タカダさんもダンナさんのこと待ってるんですね。 仲間が出来ました! お互い忙しい相手持つとそうなりますよね。 俺こそ励まされます。 結婚は… 今のとこ×かな。 おとなしく、貯金しときます。 そう言えば、今って何読んでるんですか? ずいぶん分厚いハードカバー読んでるみたいだけど。 えええ?! 今日もいろいろ書いてくれてる~! 結構、いや、かなり嬉しいんだけど。 私も思ったこと素直に書いていいかも…。 そんなことを思うと、ちょっと浮かれた。 今日も仕事がんばろー!って思った。 続きはまた明日 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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