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りらっくママの日々

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2009年09月29日
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今日の日記(「再生の町(最終回)」感想と仕事無事終わりました☆)




「ある女の話:アヤカ42」


会社の帰り、ホームで本を読んでいた。
本屋さんに寄って、新刊をみつけて嬉しくて買った。
結構店にいたせいか、
ラッシュをちょっと避けられたらしい。
いっそいつもこの電車にしちゃおうかな。

ワクワクしながら読んでると、
「今、何読んでるんですか?」
って後ろから声がかかった。

「あ、何だ~、赤木さんか。ビックリしちゃった。」

コレは羨ましがるかも?
って思って本を見せる。

「おおっ!流石ですね~!」

彼の反応が思った通りだったので嬉しい。

「でしょ?」

声かけられたのが赤木さんで良かった。
他の人だったら、ちょっと煩わしかったかもしれない。

電車に乗ると、何だか緊張する。
距離が近いからかな…。

「タカダさん、今日の夕食のメニューは何ですか?」

赤木さんから話題をふってきてくれたので、ホッとする。

「今日~?
夫が飲み会なの。
だから、適当でいいんだ~!楽チン!」

「じゃあ、オレと飯食べませんか?」

「え?」

「彼女が出張なんですよ。
帰るの遅いらしいし、
何か一人で食べんのもつまんないし…。」

「そっかぁ~。」

ああ、週末だから彼女のとこ泊まりに行くのね?
赤木さんて、もしかして淋しがり屋?

でも、こんなことがあるとは思ってもみなかった。
この前の飲み会後のお茶の続きがいきなり来た気分だ。
私も一人で食べなくていいのは、ありがたい。

変に男だからって、意識しないでいいよね?
私は年上だし、結婚もしてるし、
彼だって彼女がいて、そんな感じじゃないし。

ホント友達感覚、って声のかけ方が嬉しかった。
私が独身じゃないから気負わなくていいのかもしれない。
いいよね、こういうのって。

「じゃあ、いいですよ。どこ行きますか?」

赤木さんの顔がパッと明るくなって、
ちょっと先の駅に飲み屋があるんですよ、って言い出した。
昔はよく行ったんだけど、
まだやってるかな…って。

居酒屋さんかと思ったら、
ちょっと洒落た小さなバーレストランだった。

カウンターの中にいた男性が赤木さんを覚えてるようで、
水を持ってきながら、
久しぶりだね!スーツなんて、落ち着いたんじゃないか?
って、ニコヤカに声をかけてきた。

少年みたいな感じを残した、大人な男性だった。
年齢を感じさせないような。
赤木さんが目指してるのは、この感じかな?
なんて思った。

赤木さんが、
あの人もバンドやってて、
いっしょにライブしたりするんですよ。
って教えてくれた。
ああ、なるほどね~って納得した。

薄暗い店内には、
人がいっぱいいた。
誰も隣を気にしないで、くつろいでしゃべっていた。

「うふふ。こんなステキなとこで飲めるなんて、今日はラッキー。」

メニューを見ながら喜んでしまう。

ヒロトともあちこち行くけど、
行く場所が決まってしまった。
こういうとこは、教えてもらわないと知らないよな~。

「どれが美味しいかな?私あまり飲めないの。」

「飲めないのは知ってますよ。
じゃあディタグレープフルーツは?飲みやすいですよ。」

「詳しいの?」

「学生の時に飲んでばっかいました!
バーテンダーのバイト、友達の代わりにちょっとだけして、
教えてもらったことあるんですよ。」

ふーん、
赤木さんって、バンドもやってたし、
こんなとこに来てたのもしっくりくる感じ。
何だか遊び慣れてそう。

「遊び人だったんだ?」

私は思ったことを素直に聞いてみる。

「そんなことないですよ~。
高校の時遊んでたのが、そんなヤツばっかだったんで。
大学生は真面目してました。
普通逆ですよね。」

「そうかもね。
付き合う友達によって変わるかも…。」

自分が短大の時にツカちゃんと別れてからのことを思い出した。

一時期とは言え、結構派手に遊んでたかも。
あの頃の友達は遊び人ばかりだったけど、
さっぱりして気のいい子ばかりだったっけ。
今はどうしてるかな…。

何となく昔をスルリと思い出した。
赤木さんといるとそういうことが多い。

飲物が運ばれてきて、お疲れ様~!と、乾杯をした。
赤木さんが勧めてくれたカクテルが美味しい。
グレープフルーツジュースみたいなのでついゴクゴク飲んだら、
後から体がポカポカとあったまってきた。

あらら、ホントにこれお酒なんだ?

赤くなってきた私を見て、
ホントに弱いんですね。って赤木さんが笑う。
水を注文してくれた。
でも飲むと楽しいし、美味しいんだけどね~。

「タカダさんは、いつからこっちに住んでるんですか?」

赤木さんが、ビールを飲みながら言う。

「私はね~、実は遠距離恋愛だったの。
夫が、会社の都合でこっちで働くことになっちゃって、
一年付き合ってから、結婚と同時にこっちに来たんだ。
だから…そうねぇ…4年、になるかなぁ?」

以前とは違って、ちゃんと自分のことを話した。
自分を開ける相手がいるって、
何だか嬉しい。

「そうなんですか?
じゃあ、こっちに友達とかは?」

「いないの。だからこうして働いてるんだ。
時々、職場でできるけど、親しくならないね~。
でも、一人で昼間家にいてもしょうがないし。
働けるうちは、働かないとね~。」

「淋しくなったりとか、しないですか?」

「う~ん、適当に過ごしてるから。
私ね、待ってる時間は、勝手に過ごしてるの。
オナカがすいたら食べるし、
眠くなったら寝ちゃうし、
夜のショッピングに勝手に行っちゃうし。」

赤木さんが、ちょっと意外そうな顔をして言った。

「ダンナさん怒らないんですか?」

ふうん、赤木さんなら怒るのかな?
もしかして束縛くん?

「うん。
怒るなら怒るでもいいんだけどね~。
怒らないよ。
待たれるのって、お互いに疲れない?
私だったら、相手が好きなことしててくれる方が、
自分の気持ちが楽なのよね。

だから、私からそうしてるの。
そうじゃないと、
夫も気を使っちゃうでしょ?
お互いに、相手の機嫌とって縛るよりいいと思って。

夫も、気楽でいいって言ってるよ。
赤木さんも、待たせる立場だったら、そう思わない?」

あ、何だか酔っ払いオヤジの説教みたいだな。
言い訳っぽい?
でもね、うちはこうなの。
呆れちゃったかな?

「相手のこと考えてるんですね…。」

赤木さんがしみじみと言った。

あらら、コレは意外。
若者は、男尊女卑じゃないらしい。
素直だな。
年下っぽい。
カワイイ。

相手を考えてるって言うか、
お互いに楽に過ごしてるってだけなんだけどね。
でも、ま、いっかー。

「ダテに歳は取ってないでしょ?」

ちょっと年上気分で笑う。

「でもさ、時々やっぱり淋しくなることあるよ。
けど、赤木さんがメールで仲間になってくれてるじゃない?
待たされ仲間!」

「あんま楽しくない仲間ですね~。」

赤木さんはグイッと杯を空けた。
ジンバック下さい、ってお代わりを頼む。

あらら、悪酔いさせちゃうかも?
大丈夫かな?
って、私も酔ってるのに思う。

つい本音が出ちゃう。
赤木さんも?

「でも、いいな~って思いましたよ。
できれば、そんな夫婦になりたい…。
オレ、ちょっと束縛ばっかしてたかも。
まだまだ修行が足りないッスね!」

「大丈夫だよ~。
それに私もまだまだ修行中って感じ。
それに、束縛するのも、好きだからでしょ?

そういう情熱がなくなっちゃったんだよね。
お互い、穏やかな気持ちになってっちゃうの。
あ~、若さが減ってく感じ。」

「それは若さなんですか~?」

赤木さんが笑った。
私はうふふって笑って、
その笑顔を見ながらぼんやり思った。

うん。若さかも~。
もっと私を見て~とかって、
最近あんまり思わない~。

外に出ると、雨が降っていた。

「私、折りたたみ持ってるよ。」

私はバッグから傘を出した。

「オレが持ちますよ。」

赤木さんが傘を持ってくれる。

「そう?ありがとう!」

しばらく歩くと、赤木さんがいきなり私の肩を抱いた。

「濡れますよ。」

コラコラ、酔ってるな?
いや、慣れているのか?

私は意識しないように笑う。

「彼女にみつかったら大変!言いつけちゃうよ!」

「誰がオレの彼女かわかるんですか?」

赤木さんが笑って言った。

「うん!後ろに張り紙つけとくよ!」

「その貼紙、自分についてないか見た方がいいですよ!」

お互いに酔ってるのか、楽しくてゲラゲラ笑った。

駅に着いたので、赤木さんが肩にまわした手を離して、
傘を渡してくれた。

「傘、ありがとうございます。
俺、これから彼女のとこ行くんで。」

沿線が違うってことらしい。
行く方向を指差した。

「傘は?大丈夫?」

「俺に渡したら、タカダさんが濡れちゃうじゃないですか。
大丈夫ですよ。コンビニで買いますから。
ダンナさんにヨロシク!」

「うん。彼女さんにヨロシクね~!」

私は電車に乗った。

ヒロト意外の男に肩を抱かれるなんて、
何年ぶりだろう?

彼の腕や手のぬくもりが、
肩に残っていてドキドキしてしまう。

う~ん、でもちょっとイイ気分。

私は浮気者なのかもしれない。





続きはまた明日

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最終更新日  2009年09月29日 21時28分07秒
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