カテゴリ:ある女の話:アヤカ
今日の日記(「世にも奇妙な物語:秋の特別編」感想☆)
「ある女の話:アヤカ49」 ちょっと自分のこと話過ぎたかな… そう思っていたら返事が翌日来てた。 親の話、キツかったですね。 そう思うのも無理ないか…。 タカダさんも進路迷ったんですね。 理由は違うかもしれないけど、実は俺もです。 つい親の言うこと聞いてしまった。 そのせいでですね、 ひと月ほど学校行きませんでした。 辞めようかと思っちゃって。 でも今思うと、アレはアレで必要な時間だったかと…。 お陰で今、親友って呼べるような友達と出会えたし、 今までいた友達が、大事な存在ってわかるようになったし。 ホント、学校に悩まなきゃ、アイツとは友達になってなかった。 かけがえのない存在って、 作ろうと思ってできるものじゃないですね。 いろいろあったけど、 まあ、今は今で悪くないかな…って思ってます。 結局、学校とは関係なく、 やりたいことやってますしね。 最近、バンドも復活してます。 やりたいことがあったら、 結局誰に何を言われてもやっちゃうもんなんでしょうね。 タカダさん何かやりたいことがあったんですか? 何だろう? 良かったら教えて下さい。 こうしてタカダさんと会えたのも、 お互いそういうことがなければ、 会ってないんですね。不思議です。 そっか、赤木さんも…。 ホントにそうだ。 いろんなこと通過してないと、 きっと私達、会ってないんだな。 何かやりたい… う~ん、ちょっと今、私にそういう情熱が無いんだけどね。 ホントだ! きっと会ってないですね! 私は絵を描いてたの。 描くのが好きってだけで上手じゃありません。 夫がね、デザイン系の仕事してて、 それを見てるとね、プロの仕事って違うなって思っちゃう。 何だか今は何を描いていいのかわからなくなってしまいました。 受身でいるのが楽になってしまったんです。 何かを作るっていいですよね。 いつか赤木さんの歌を聴いてみたいです。 翌日返事が来ていた。 そっか。 無理して何かを作り出すのってツライかもしれないですね。 そう思うとプロは大変だとも思います。 俺も目指そうかと思ったけど、 結局それで家族できたら養っていけるのかな? なんて、思ってしまった。 家族欲しかったんで。 それに、俺も自分の才能とかって、よくわからなかったし…。 でも、今はサラリーマンバンドも悪く無いです。 好きだから、ただ歌いたいから歌ってるって感じです。 いつか、聴きに来て下さい! いやでも何か、 知り合いに見られるのがいつまでたっても慣れないんですよね…。 俺、タカダさんの絵、いつか見てみたいですよ。 お世辞じゃなくて、ホントです! 心の中が温かくなっていくような気がした。 あ~、でも、コレはマズいな、って。 好きだと思った。 赤木さんのこと。 でも、だから何だって言うんだろう? そこからどうしたいって言うんだろう? もしも私が独身だったら、 告白でもするのかな? 付き合って下さいとかって。 私は自分で自分を笑った。 結婚してる女が何考えてるの? バッカみたい! 赤木さんは私のこと何とも思ってないだろう。 だからこんな心を開いたメールを送ってくれてるんだ。 今こうしてヒロトにも言えないような本音を話して、 それに対して多分本音で返事を返してくれてる。 そんな存在以上に何を求めるんだろう? そう思うのに心のどこかで、 メールじゃなくて、 もっと二人でちゃんと話してみたいな…とか、 この前みたいにいっしょに飲みに行ったりしたいな …って思ってしまう。 あ、やっぱり浮気モノなんだ、私。 私はため息をついた。 向こうの方で、赤木さんが仕事してるのが見えた。 ウエノさんが言ってたな。 学生時代に好きな子を遠くから眺めてるみたいで、 楽しかったって。 私も今、そんな気持ち。 でも、そんな気持ちは心の奥にしまっちゃおう。 だって、今こうして、 こんなに赤木さんの心が側にいる気がするから。 それだけでいい。 それに私にはヒロトがいるから。 そんなに深いメールをするようなことは、 本当にあまりなくて、 また変わらない日常が戻ってきた。 最近メールの中では、赤木さんから赤木くんになっていた。 かなりお互いのことをいろいろ打ち明けてたし、 人前ではいまだに赤木さんだけど、 ちょっと声かける時とかは、赤木くんだ。 そんなちょっとした変化があったくらいで、 いつものようにみんなで昼食を食べていたら、 そういえば~って感じで、カンダさんが言い出した。 「タカダさんの部署の赤木くん、 最近ちょっとヤバいみたいだよね。」 「ヤバいって何が?」 「なんかさ~、聞いた話だと、 ほら、この前辞めちゃったタムラさん? あの子、赤木くんにフラれて辞めたって話だよ。」 「え?嘘?!」 「ホント、ホント。 二人で話してるとこ見てた人がいて、 タムラさん泣いてたって。 ヒドイ!とか、遊びだったの?!とかって、 赤木くんに向かって言ってたって。 帰り道だったらしいけど、 そんなとこでケンカするなんて、 よっぽどじゃないの?」 私は驚いていて、 何て言っていいのかわからなかった。 みんなもひたすら話に聞き入っている。 カンダさんが続ける。 「そう思ってたら、今度はさ、 何だか社員の男達で合コン? やってたらしくて、そこの女の子も持ち帰りしたらしいのよ。 早過ぎでしょ? 彼って彼女いなかったっけ?」 「あー、何か別れたらしいですよ。 マツイさんがそんなようなこと言ってました~。」 社員ちゃんが言う。 「今かなり荒れてるのかもしれないですね~。 何か、その彼女と結婚考えてたようなこと言ってましたから。 あ、コレも他の人たちから聞いた話ですけど。 何か、オネーチャンのいる店でも、 アイツばっかり女が寄ってきて、 ムカツクって言ってましたよ~、他の人たち! だから、彼女がいないのナイショにしてるのに、おかしいって。」 みんなが笑う。 「解り易い人だね~、赤木くんて。」 「でも、そういうのカワイイじゃないですか~。」 「ダメよ~、そんなこと言って、 遊ばれちゃうよ~!」 「そうよ~、女の敵ってやつよ!」 みんなが笑っているのに、 私は何だか笑えなかった。 だけど、笑わないのも何だか変な気がして、 無理やり作って笑った。 胸の奥がキシキシ痛んだ。 続きはまた明日 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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