カテゴリ:ある女の話:アヤカ
今日の日記(新ドラマ「JIN-仁-」感想とまったり休日☆ )
「ある女の話:アヤカ55」 赤木くんから、 返事が来ていた。 了解しました。 休み明けは仕事が山積みでユーウツです! 今週もガンバらないと…。 タカダさんの仕事最後の日っていつですか? 引継ぎガンバって下さいね。 って、こんなこと書くと、ホント辞めちゃうんだな…って、 しみじみしちゃいますね。 私は世間話といっしょに、 会社最後の日付を書いてメールした。 それについての返事は赤木くんからは無くて、 やっぱりその場のノリの社交辞令だったのかもしれない。 どっちにしても食事を奢ってくれるって話だもの。 赤木くんがお金使って損するだけだし、 独身のカワイイ女の子ってワケでも無いから、 気ノリしなくても無理は無い。 今頃、めんどうなこと約束しちゃったな~って、 思ってるかも。 催促するのも悪いので、しない。 それでもこの前いっしょに飲めたのは楽しかった。 来てくれたことも本当に嬉しかった。 期待しちゃいけないのはわかってるけど、 ホント、行けたらいいな~なんて思ってしまう。 来週には新しい派遣の子が来て引継ぎをすることになってる。 慣れてもらうためにちょっと早目。 私はその子が困らないように、引継ぎのノートを作る。 書類もなるべく分類とファイリングして… でも大丈夫よね、大体は社員さんのサポートなんだし。 応接室での接客後、お茶を片付けに行ったら、 係長がボソリと言った。 「タカダさんは仕事できたから、後任が心配だよなぁ。 あ、向こうでも仕事は続けるんですか?」 「そうですね、家を建てることになったんで、 多分子供ができるまでは確実に~。」 私は苦笑いをする。 係長もローンがね~って、お互い苦笑い。 利率がどうこうって、いろいろ伝授された。 この人が、あのハーレクイーンロマンス… 何度かつい笑いそうになってしまう。 「本当に残念だなぁ。 でも、タカダさんならどこでも大丈夫ですよ。」 ありがとうございます。 って、ついウルウルきそうになった。 係長を困らせてしまう。 泣くワケにはいかないのでガマンして、トイレに急いで入った。 多分、泣きそうになっていたのは、 バレているだろうな…。 ホントに、この会社にいて良かった。 いろんなこと我慢して、 いいことばかりじゃなかったけど、 悪いことばかりでも無かった。 本当に良かった。 私は、つい赤木くんに聞いてもらいたくなって、 メールを出して帰った。 今日は、係長が「タカダさん仕事できたから、後任が心配だよ」 って言ってくれました。 そんなこと、あの係長が言うとは思ってなかったから、 ちょっとウルウルきそうになりました…。 いろんな思い出ができて、 本当にこの会社で働けて良かったな~って。 今更ながら思ってます。 ツライ時も、我慢して良かったって…。 翌日返事が来ていた。 オレも、そう思ってますよ。 タカダさんは、すごく頑張っていたし、抜けたらその穴は大きいです。 それにしても、あの係長が…。 タカダさんスゴイじゃないですか! ところで、以前言っていた話ですが、 いつなら大丈夫ですか? ドキンと心臓が鳴った。 本当に食事に連れていってくれるつもりなんだ? どうしよう? ホントにいいのかな? 期待していたくせに、 実際、具体的な話が出ると、 何だって今更迷うんだろう? 自分の中でも半信半疑だったんだな…って思った。 行く? やめる? 断る? 時間が経ってしまったせいか、 私の決心は少し揺らいでいた。 ちょっとあきらめてたからかもしれない。 冷静に考えよう。 どうしたいのか、 自分にゆっくり聞いてみよう。 ただの食事だよ? この前と同じ。 その程度ならいいじゃない? でも、もっと好きになっちゃうかもしれないよ? この前そう思ったじゃない? ううん、変にこんなモヤモヤした気持ちでいる位なら、 いっそ会ってスパッとけじめつけた方がいいって。 頭の中がグルグルする。 いろいろ思うと、 なかなか返事が書けなくて、 結局帰りに返事を書いた。 すみません!今日は引き継ぎのこと等で、 忙しくて全くメールが開けなくて~。 最後の日以外の週末ならいつでも空いてます。 楽しみにしてますね! 返事がすぐに来た。 了解しました。 では、今週の金曜で。 何かあったら携帯に連絡して下さい。 じゃ、また! 短い返事が妙に緊張を誘う。 だから、単なる食事なんだって~! 私は自分に言い聞かせる。 有休をどうせ週末取ることにしていたので、 赤木くんの誘いはちょうど良かった。 もう今月の休みの届けも出してある。 ヒロトは今週ずっと向こうへ行ってしまった。 あ~、コレはホントに浮気気分。 まあでも、食事だけだから。 ホント、食事しに行くだけ。 って意識するから罪悪感が起こるんだよね。 もう、何も考えるのやめた~! 赤木くんは、一応、友達なんだから。 ただ、 男だって言うのが、 いいのかな~?ってネックなんだけど。 それに、私が赤木くんを好きだと思ってることも…。 でももう目をつぶることにした。 ズルイかもしれないけど、 やっぱり彼に会いたい。 だって、もう会えなくなっちゃうんだもん。 二人でなんて、 きっとコレが最後なんだもん。 あ…、もしかして誰か連れてくるってこともアリ? そうだ、有り得ない話じゃないかな。 それも覚悟しておこう。 それで彼の気持ちもわかるってもんだし。 救いは赤木くんが私のことを、 信頼のおける友達だと思ってくれてること。 それを崩しちゃいけない。 グルグルと葛藤する木曜の帰り、 明日は出張です。 退屈そうな研修…。 やんなっちゃうな~。 ってメールが来ていた。 私はガンバってね、ってメールを出した。 続きはまた明日 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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