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りらっくママの日々

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2009年10月19日
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今日の日記(新ドラマ「アンタッチャブル」と「JIN~仁~」の感想☆ )




「ある女の話:アヤカ62」


すぐにファミレスを出て、
一番近場の海を目指して赤木くんが車を運転する。
でも、道はちょっと渋滞していた。

赤木くんが眠そうにアクビを何度かするので、
大丈夫かな?って心配になった。

私と同じで、多分彼も二日酔いなんだろうと思う。
だからスパゲティだったんだろうし、
眠くなってるのかもしれない。

車が動かないと、
二人きりで密室にいるってことが強調される気がして、
何だか緊張してしまう。
何か話さないと…

「進まないね~。」

「行くの嫌になっちゃった?」

赤木くんが心配そうに言った。

「ううん。赤木くんが運転疲れないか気になる。」

「大丈夫だよ。」

優しい声に思わずドキンとする。
こんなの拷問に近くない?
胸が苦しい。
いっしょにいると心臓が鳴りっぱなしだ。

「変わろうか?運転上手くないけど。」

気を紛らわせたいこともあって提案してみた。

「マジで?運転できんの?」

「時々乗ってる。運転させてみる?
オートマだし、何とかなると思う。…けど?」

「う~ん…。まあいっか。代わりましょう。」

あ、嫌だったかな?
そうよね、
大事にしてる車だったりすると運転させたくなかったかも。

地元では乗ってるんだけどね。
こっちの道はちょっと心配でもある。
それに人の車だし。

それでもあまりにも少ししか動かないので、
赤木くんは観念したのか、
信号で止まった時に、交代することにした。

「何か、女の運転で助手席に乗るのは新鮮だな…。」

「何で?女に運転させない主義なの?」

「いや、運転する子と付き合ったことなかったし。
そんなこと言う子いなかったし。」

「そうなんだ?じゃあ遠出すると疲れちゃうでしょ?」

「はは…。そうかもね。代わってもらうなんて、考えもしなかった。」

そっか。
女らしい子ばっかだったのね。
でもちょっと可哀想な気がした。

何でもできちゃう人だと、
つい任せちゃうもんね。
赤木くんって、何だか人を頼りにしなさそうだし…。

だからかもしれないけど、
こうして私に運転を任せてくれたのが何だか嬉しかった。

彼の寝息が聞こえてきたので、
チラリと見ると寝ていた。
嬉しくなってしまう。

信号が赤になった時に、
寝顔を眺める。
安心してもらえたみたい。
よく眠っていた。

うふふ。
何だか子供みたいでカワイイ。
このまま寝かしておいてあげたいな。
私、上手くないけど、運転するの結構好きだし。

道をまっすぐって聞いていたから、
そのままノロノロと走らせていた。

そのうち車が流れ出して、
青い看板がもう少しで突き当たりだと知らせてる。

え?もう?

「赤木くん!赤木くん!」

慌てて赤木くんを起こした。

「どうしよう?!この先右?左?」

「え~っと…」

赤木くんがボンヤリと外を眺める。

「待って、えっと、この先の突き当たりを、左!
まだ曲がっちゃダメだよ!」

慌てながらも、
目がちゃんと覚めたのか、懸命に指示してくれた。

「ここね?あの青い看板の先だよね?」

左折するとお互い、ほ~っとため息をついた。

「どっかコンビニみつけたら、代わろう。」

よっぽど焦ったらしい。
私も焦ったけど。
コンビニで小休止。
飲物を買って、外で飲んだ。

「あ~、焦った。ゴメン、オレ寝ちゃってたみたいで。」

「うん、いいの。
ちょっと役にたてたようで嬉しいし。
寝てたの知ってたから。
寝かしてあげたかったの。
でも、わかんなくて起こしちゃった。ごめんね。」

もっと道をちゃんと聞いておけば良かったな。
そしたらもっと寝かせてあげられたのに…。

後悔。
こんな少ししか眠れなくて、
赤木くん、疲れてないだろうか?

「ありがと…。
もう、大丈夫そうだから、オレが運転するよ。
今度はタカダさん寝ていいよ。」

そっか、もういいのか。
じゃあ、ありがたく助手席に行こうかな。
ふふ。
こんな扱い、今日はホント女の子気分だな。

「私は朝方寝ちゃったせいか、目が冴えてるのよ~。
でも、眠かったら寝ちゃうかも。
その間、寝ないでね?」

「有りえる…。起きたのはぶつかった後だったりしてね?」

おっかないことを赤木くんが言う。

「そんなこと言われたら寝れないじゃない~!!!」

お互い笑って車に乗り込んだ。

起きたら知らない場所。
もう二度と起きることがなかったりしたら…
もう何もいろいろ考えること無くて楽かな。

フッとそんなこと考えて消す。

道はもうスイスイ流れて、
海が見えてきた。

うわお!海だ!海だ!

こっちの海は来たことが無いので、
何だか嬉しくなってしまう。

「お疲れ様~!」
飲物で乾杯した。

遠くで、サーフィンしてる人たちと、
ウィンドサーフィンしてる人たちが見えた。

「寒くないのかな?」

「ボディスーツ着てるから大丈夫なんじゃない?
いいな~。楽しそう!」

海の近くへ行けば行くほど、
お世辞にもキレイとは言えなかった。
だけど、何で親しみやすいと思っちゃうんだろう。
私が子供の頃に行った海と似てるからだろうか?

人があまりいなかったけど、淋しい感じはしなかった。
日差しで砂浜が暖かくて、
波の音が気持ち良かった。

今日はジーパンで正解だな。
ヒールの靴履いてきちゃったのが失敗だったけど。

砂浜に座って、海を眺めていると、
何も言わなくても、心が和らいだ。

大きな水の流れが、
やってきたり戻っていったりすると、
生きてるみたいで面白いといつも思う。

またスキューバーダイビングやってみたいな。
シュノーケルでもいい。

「海って言うと、どんな海を思い浮かべる?」

赤木くんがいきなり言い出した。

「何…?心理テストか何か?」

「そう。」

「う~ん、そうだな…。」

さっき思った風景が頭に浮かぶ。

「浮かんだ?
状況を詳しく教えないとダメだよ。
自分のいる位置とか、波とか、
時間とかさ。」

「うん、浮かんだ!」

頭に浮かんだ風景を描きたい。
そう思ったのは何年ぶりだろう。

そのことが私をウキウキさせる。





続きはまた明日

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最終更新日  2009年10月19日 19時52分02秒
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