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りらっくママの日々

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2009年10月20日
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今日の日記(新ドラマ「東京DOGS」小栗くんサイコー♪)




「ある女の話:アヤカ63」


「え~っとね、珊瑚礁のキレイな海。
そこでスキューバーダイビングしてるの。
魚とかといっしょに泳いで、キレイな感じ。」

スキューバーじゃないかな。
シュノーケルのがいいか。
またやりたいな~。

でも多分早々行けないよね。
ローンもあるし。
現実の自分の生活が浮かんで無理やり消す。

「へぇ~。波は?天気とか、時間とか。」

「波はね、あまり無いかな。
天気はすっごい良い天気。真っ青で昼間。」

「誰か人とかいる?」

「そうね、…好きな人と二人きり。」

正直、思い浮かんだのは、
新婚旅行で行ったオーストラリアの海だった。

だけど、私は海の想像に夢中で、
周りに誰かがいっしょってことは考えてなかった。
でも、誰かいるかと聞かれれば、
絶対一人で海にいないと思った。

じゃあ誰か?と聞かれると、
本来ヒロトが浮かばなければいけないのに、
今の私には”誰か好きな人”っていう、
漠然とした誰かがいるような気がしただけだった。

そんな自分の心にちょっとヒヤリとする。
誰かって、誰なんだろう…

今の私はそんな簡単なことも答えられない、
宙ぶらりんな気持ちなんだ。

ははっと赤木くんが笑った。

「何何~?早く結果教えて!答えは?」

「そこって、実際に行った場所でしょ?」

言われたことにドキリとする。
赤木くんは勘が鋭そうな気がして。

「うん、そうよ。オーストラリア。
すっごいキレイだったの。」

コレで一体何がわかるんだろう?
私の答えに赤木くんはどう思っただろう?

「答えはね、コレはその人の心の海。
波は人生の荒波。
だから、タカダさんは、平穏無事に生きていきたい…ってことかな。
天気が良かったり、海水がキレイなのは、
その人の心の状態が幸せってこと。
朝とか午前中なら尚イイって聞いたかな。

夕暮れや珊瑚礁とかで海に色があるのはロマンチスト。
海との距離は社交性。
中にいる程社交的。」

イイことばかり言ってもらえたのでホッとした。

「へぇ~!そうなんだ?
いいじゃーん、私!人は?」

「周りにあるのは、その人の人生で必要と思ってるもの。
タカダさんは、愛する人ってことかな?
魚は小道具とか?
雰囲気を盛り立てるものとか?
コレがペットとかだと、自分と対等じゃない、従順なものが好きってことだって、
先生が言ってた。」

ああなるほどね。
結構当たっていた。

私はムードに弱いのかもしれないし、
誰か愛する人がいないとダメかもしれない。
私はあまりにも上手い心理テストの結果につい笑ってしまう。

「先生?何?そういう学校でも言ってたの?」

「心理テスト教えてくれる学校?あったら面白いけどね~。
学校の授業でもう卒業って時に先生が教えてくれたんだよ。
当たってる?」

「結構、当たってる。
でも、社交性はどうかな?
自分からあまり行かないと思うんだけど。」

「そうだね。
でも、飲みに行こうとか言ってくれたじゃん。」

「ああ…そっか。
ねえ、赤木くんは?どんな海?」

飲みに誘ったのは、結構勇気がいったんだけどね。
海に入るほどの社交性が私にはあったんだ?
と、意外な自分の潜在意識が気になる。

赤木くんも私の知らない部分を沢山持ってるんじゃない?
彼女といっしょに行った海だったりとか?

「オレ?オレはね、
ここが真夏になった時みたいな、人混みの海。
オレは家族といっしょでその海を眺めてる。
泳ごうかな~って。」

あらら?
思ってたのと違った。
ずいぶん現実的な人なんだ?

「それって、どういう分析されたの?」

「ああ…。
淋しがり屋なんだね!って真っ先に言われたよ。
しょうがないじゃんかなぁ?
そういう海しか知らない頃の質問なんだから。
子供の頃、家族旅行した時の海なんだよ。
うちは、夏は必ず家族で近場の海に行くんだ。
オレだって、今とか、海外や沖縄とかのキレイな海を見てからだったら、
タカダさんみたいなこと答えたよ。」

私はつい笑ってしまった。
私の子供の頃と同じだな~って思って。

「波はあるの?」

「あるある。遊べる波がドブンドブン来るんだ。
波に乗れちゃうような。
オレ浮き輪に浮かんで、波に乗るの好きだったから。

でもさ、友達とかは海外やキレイな海見てなくても、そういうこと言うヤツいたよ。
思い出の海じゃないんだよな。
空想の海だから~とか何とか。
恋人といっしょに夕日を眺めている、秋の海とか、
犬と散歩してるとか、絶壁にフンドシで立ってるとか…ね。
オレは想像力が無いんだな、きっと。」

いろんな人がいるんだな~と思って笑った。
状況によって、きっと心の海って変わるんだろうな。

「そんなこと言ったら、私もじゃない?
いろんな人がいるんだね~。面白いね!
でも、私の子供の頃の思い出の海だったら、赤木くんと同じだよ。
沢山人がいる、夏の海。
ふふ…、でも赤木くん淋しがり屋か。
もしかして当たってるの?」

「かもね~。一番仲イイ奴に、それでからかわれた。
授業で隣にいたんだ。
いまだに、ボクが結婚したら、赤木くん一人で大丈夫?
とか言われるよ。」

赤木くんは淋しがり…

私と同じように赤木くんのことを思う友達がいるらしい。
いつも出てくる仲がいい子だ。
ホント親友なのね。

私がいなくても、
赤木くんにはそんな人がいてくれる。

「友達思いな子だね。
で、大丈夫なの?」

「嫌なこと言うね~。
淋しくても生きていけるよ。
二度と会えないワケじゃあるまいし。」

「周りに人がたくさんいるのが、赤木くんには普通ってことかもしれないね。
でも、家族は必要ってことなのかもね。
で、人生遊びたくてウズウズしている…と。」

「何か浮気者みたいじゃん。
心理学者になれるよ。あ、心理テスト学者か。」

二人で笑った。

だってホントに周りに女の子沢山いそうなんだもの。

私がいなくても、
きっと彼は大丈夫。
いろんな人の支えで生きて行ける。

誰にも頼らないのに、
誰かにいて欲しい、
淋しがり屋の赤木くん…

私じゃない誰かがきっと、
赤木くんのこと支えてくれるよね。

波がザンザン打ち寄せて来ると、
すごく淋しい気持ちになった。

空の色が、もう青だけじゃない。
金色になった太陽の周りに、
オレンジになった空を海が映し出している。

もうすぐお別れだよ…
って言ってるみたいだ。

やだな…
淋しい。

そんなこと思っていたら、
砂に置いてあった私の手の上に赤木くんの手が触れて、
握られた。

いきなりなことに胸がまたキュンと鳴って、
心臓がドキドキ言い始めた。

胸が詰まって、
何も言葉にできない。

心臓の音と波だけが聴こえる。

オレンジ色の太陽が海に沈んで行くのを、
二人でジッと見ていた。

沈んでしまうと、
赤木くんが私の肩を抱き寄せた。

冷たい風が吹いてきているのに、
赤木くんの腕のぬくもりのせいで、
体が温かい。
感覚が麻痺してる気がした。

いつまでもこうしていられたらいいのに…

「あったかいね、赤木くん。」

「タカダさんは冷たいよ。車に戻ろうか?」

「そうだね、顔が見えなくなりそうだね。」

見上げた赤木くんの顔は、
表情がもう見えなくなりそうだった。

「顔、見せてよ。もっと…」

赤木くんの顔が近づいてきて、
唇が触れた。

気が遠くなる。

温かい赤木くんの体が、
冷たくなった私の体を、
強く抱き締めてくれる。

暗闇は、
私たちのことを隠してくれる?

なのに、
抱き締めた彼の肩ごしに、
白い月が見えた。

私達を見ている。

私のしていることを見ている。

お願いだから見逃して。

今だけ。

今だけだから…

もっと彼に触れていたい。

もっと。

ずっと…。

自分の気持ちが怖くなる。

月の明かりが届かないように、
赤木くんの腕の中に隠れた。






続きはまた明日

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最終更新日  2009年10月20日 18時32分19秒
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