カテゴリ:教育、子育て、自転車旅行
『続き』・18~文部科学省の目眩まし
契約不履行の学校などは、どんどん提訴するべきなのだと思うが、学校というのは、塀に囲まれた場所で子供を人質にとっている状態で運営されているので、なかなかそれができない。 三年ほど前だったか、埼玉県行田市で、小学校の教師が、担任している子供の親を提訴した。“モンスターペアレント”のレッテルを貼ってね。子供が差別されていることを訴える保護者によって“不眠症”になったからだそうだ。笑っちゃうよね。学校でのいじめで子供が命を落としても、「因果関係は認められない」だとか「家庭的要因」にすり替える輩たちが、“不眠症”ごときで保護者を提訴するなんて。だったら、学校で生き地獄を味あわされて不眠症になっている子供たちは、命を奪われる前にこそ、どんどん学校を提訴するべきなんだろうね。しかも、この教師が子供を怒鳴りつけている音声なんかを聞いてみればわかるけれど、どうみても“モンスター”なのはティーチャーのほうだろう。行田市教育委員会は当時、「モンスターペアレントとは毅然として戦う」などと言っていたが、教育関係者って、“毅然とする”の意味を完全にはき違えている。“毅然とする”というのは、悪いことをしてしまったら、しっかりときちんと謝ることである。子供たちにものを教える立場にいる人間ならば、尚更のことである。しかし、教育関係者の“毅然”は酷いことが起こっていて も、酷いことが起こっていないふりをすること、指摘されても無視・黙殺をすること、それが“毅然とする”だと思い込んでいる。それと、この提訴に関しては、この少し前に同じ北関東の桐生市で起こったあまりにも酷い小六の女の子のいじめ自殺から世間の耳目をそらせ、学校側を擁護させるための情報操作が為されているのが、見え見えである。 いじめ自殺の遺族の方で学校や教育委員会を提訴する方はいらっしゃる。当然だし、命を奪われる前にも酷い学校や教育委員会は訴えられるべきだ。ただ、もうひとつ言うと、文部科学省こそを訴えるべきなのではないか、と思う。確かに、学校設置者は、都道府県だったり市町村だったりするのだけれど、今の学校制度や義務教育や教育委員会制度に関して文部科学省は責任を持たなければいけないはずである。 薬剤エイズや公害病の訴訟相手は厚生労働省のはずだ。学校被害の訴訟相手は文部科学省にこそするべきなのではなかろうか。ところが、いじめ自殺という事件は各地で分散して起こり、被害者が各地の学校や教育委員会を訴える。それぞれが別の事件なので、全く別に扱われ、分断されてしまいがちだ。地域のこととして矮小化されてしまうのである。 文部科学省としては、これは絶好の目眩ましの材料であり、各地の教育委員会なり学校に「きつくお灸を据えといたからね」式の内実は生ぬるいやり方で終わりにしてきたのである。たとえば、「いじめの定義を変えたよ」なんていう、愚にもつかないやり方で。「酷い学校制度を放置してしまって申し訳ない」と言うべきは文部科学省なのではないか。それが“毅然とする”ということで、それがリスタートラインなのではないか。 でも、今の文部科学大臣って、ちゃりこの小学校のいじめ隠蔽を放置してきた、その選挙区からの選出議員のはずだからな。私からすると、改革について何言われても、説得力ないんだよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年11月14日 14時07分17秒
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