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この22日、今井君と高遠さんの講演会が開かれ、ようやく公の場で自分の気持ちを語れるまでに回復したように思われる。おそらくトラウマは残るだろうが、それでも元気で人々の前に顔をみせてくれた。私は、テレビのニュースでその様子を見た。思えば、今井君がここを訪ねてきてから、まだ1年半にも満たない。
実は、彼は、うちの子どもと同じ小学校、中学校の出身である。しかも、下の子どもが仲良くしている近所の子の兄の友だちだったというから、私には、覚えがなくても、その辺で遊んでいた男の子たちのうちの一人だったのだ。そんなことを、ここに来てすぐのころ、彼と話した記憶があり、私は、今井君をどうしても子どもたちが遊んでいた世界の延長線上で考えてしまう。 しかし、実際は、今の彼の提示した道が、おそらく平和に遊んでいた子どもだった彼の延長線上にあったとは、にわかに信じられない。それほど、今の彼の世界が、かつての世界とは異質なものになってしまったのではないだろうか。 それが、私には奇異に感じられる。子どもが成長し、選んだ運命がその人を案内していく先に、広がる世界。それがかつて考えてもいなかった世界だったら、それは、あまりに大きな戸惑いとなるに違いない。 おそらく、今井君だけでなく、ご家族にとっても、同じことが言えるのだろう。 しかし、今、今井君は、きちんと、現実をみつめて、今回の事件のことについて、語り、書いている。今井君の手記「ぼくがイラクへ行った理由」(コモンズ刊、7/20初版発行)もこのほど出版された。 彼は、実は、今回の事件で大きく成長する糧を貰っているのだ。「未来のジャーナリスト」としても、一人の人間としても・・・その糧が大きく膨らむまで、若い彼がどう過ごすのか、どう生きるのか。そして、何を得るのか。 手記の中の彼の言葉は、時に慎重だが、時折、持ち前のちゃめっ気も明るさもにじみ出ている。だから、すっかり元気な今井君に戻る日も近いはずだ。あるいは、もう心の中ではふっきれて、「未来」が戻ってきているかもしれない。 ふたたび、羽ばたいていこうとしている今井君に、限りない声援を贈りたい。 (エコろじー編集人 稲田陽子) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 28, 2004 04:56:03 PM
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