お金はあの世に持っていけない
節約マインドが強すぎると家庭内を不幸せにする事もある節約を推奨する記事がネットに多く出ています。確かに良い事だと思うのですが、私の父親は貯めるのが好き、母親は節約が生活に染みつきすぎて、結局二人ともお金を使わず亡くなっていきました。節約嗜好が強い人は結局お金を使わずに人生を終えていく結果、残された子供達にはとてもよかったのですが、本人たちの人生って本当にそれでよかったんだろうか?と思うことがあります。父は投資や家を建てる事や売る事にはお金を惜しみませんでしたが、家族にはケチでした。母はそんな父からお金を毎月10万しかもらえなかったので、もらえた範囲内で節約してやりくりした人生を長期間送りました。父が亡くなったときに、押し入れから出てきた父の給与明細を見せて「お父さん、実はこんなにたくさんもらってたんだよ。」というと母は絶句していました。「信じられない・・・・。」とやり場のない気持ちを抑えきれず、ショックを受け落ち込んでいました。しかも父は株式投資やその他不動産売買もしていたので相当な所得がありました。 父は中高年で病気になってから母に長年隠していたことを申し訳ないと思ったのか、急に「お母さん、デパートで欲しいもの買ってあげるから。」と母を連れて海外ブランド品を売っているデパートのフロアへ時々連れていき、50万クラスの宝石や高額な買い物をさせて時々プレゼントするようになりました。 母はてっきりボーナスが入ったからプレゼントしてくれるんだと思い込んでいたようです。母は長年、家庭はとても苦しい家庭だと思い込まされてきた我が家は節約しないと生活できない家庭だと何十年も思って生きていたと母は話していました。 父の死後、私は母に「好きなように使っていいんだよ?お金は貯めないで使って」とお金を使うように勧めていたのですが、長年節約し続けたせいもありまとまったお金を使うことに慣れていない母は、なかなか使おうとしませんでした。そして母も事故で亡くなってしまいました。お金はいくらたくさんあっても、あの世へは持っていけない 一度しかない人生です、好きなものにお金を使ったり、美味しいものを食べたいから買ってみたり、旅行したいからしてみたりして良いと思うんです。それらを「見栄」という一言で 片付けて批評されてしまうと辛いですね。自分が癌になってからさらにそう強く思うようになりました。自分の親を見ていて、「自分は貯金・節約するだけの人生で一生を終えたくない」と思っているので、お金は節約していても、時に気前よく使うことを心がけています。メリハリをつけてお金と付き合うと後悔が少ないと自分の体験で思いました。 いくらたくさん貯めてもあの世に持っていけません。なので私は生きているうちに計画的に使う事を考えています。