スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

2009/12/07(月)01:04

人間関係のドラマ「エスパー魔美」 藤子・F・不二雄大全集

『エスパー魔美』(4)

ちょっぴりドジな女の子 中学生の佐倉魔美が 自分に潜む超能力に気づき エスパーとして奮闘する物語・・・ ○ エスパー魔美 大全集1巻 この間、Velvetさんのイラストで 登場した「エスパー魔美」を紹介します。 藤子ファンの私からすれば、説明するまでもない と思ってしまうところですが、せっかくですので どんなストーリーか、お話したいと思います。 ○追い詰められたときに発揮する超能力  第1話「エスパーはだれ?」より 授業が終わった放課後 マミの友達の高畑くんが、不良連中に囲まれる。 それを見かけてしまったマミは、思わず目を伏せる。 すると、高畑くんは瞬間移動していた・・・ こうした、出来事を重ねていくうちに マミは、自分に潜んでいた超能力に気づいていく。 ○ 隠していた超能力を、はずみでバラしてしまう   悲しみに暮れる魔美 「友情はクシャミで消えた」の話では 親友の高畑くんの知恵を借りれば、マミも力が伸ばせると思い 2人で超能力研究を始める。自分がエスパーだということは隠し マミは、高畑くんをエスパーのように見せかけていた。 しかし・・・ はずみで告白する前にバレてしまう。 高畑くんは、頭もよく真面目で性格もいい。それだけに ウソをつかれたことに、大きなショックを受ける。 始まりからいきなり「友情の亀裂」という重苦しい展開に・・・ そして、この話だけでなく 人間関係を深く描いた作品が続くようになります。 ○魔美のテレポートの秘密 マミは、自分に何かがぶつかりそうになると その反動によってテレポートができることを学ぶ。 ○ハート型の仁丹入りブローチ テレポートの特性を知った高畑くんが それを利用して仁丹が出てくるブローチを作成。 こうしてマミは自由にてレポートができるように! ○魔美の一番最初の仁丹(ブローチ)テレポート 高畑くんのお手製のブローチ。 女の子用のアクセサリ。 仁丹を使う。 物がぶつかりそうになるという行為。 こうした日常的要素が、マンガ(非現実)という設定を 読者の日常(現実)に溶け込むようにしています。 これが、F流マンガ構成です。 ○自分のついたウソが大きくなっていき、苦しむ少年 いんちきのUFOの写真を撮ってテレビ局に送ったら 信じられてしまい、テレビで取り上げられ、ウソに苦しむ少年。 ○魔美の悪い噂を広める女の子  やがて周りは魔美を避け出してしまう 魔美が超能力者だと疑い、悪い噂を流し始める女子が登場。 女性の敵は女性といわれます。魔美には敵対する女性キャラがときどき登場します。 こうした配役が、女性主人公物語を盛り立てています。 ○入り口がふさがれた洞穴にテレポートで  入った魔美だったが、ブローチの仁丹が切れてしまう・・・ ○高畑くんが、通報するも信じてもらえず  魔美も高畑くんも力尽きてしまう・・・ 魔法少女モノは、昔からありましたが エスパー魔美が発表された当時は 少年誌で、超能力の少女物というのは珍しく F先生にとっても、挑戦のマンガだったように思えます。 友情関係、暴力事件、噂話や無視、いやがらせ 自身の悩み、周囲の人間の悩み、時には命に関わることも・・・ エスパー魔美は、魔法少女モノと侮れない 人間関係にスポットを当てた 波乱万丈のドラマともいえます

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