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スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2009.12.23
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グルメ大国日本は
寿司や天ぷらなどを
世界に輸出しました。
今や世界でも、「スシ」「テンプラ」で
そのまま通じる言葉となってます。

グルメには美味しさを味わう以外にも
様々なスタイルを味わう傾向がありますね。
イカ、タコ、エビなどを活きたまま食べる
「踊り食い」と呼ばれる食べ方もあります。

さて、牛・豚・魚などを食べる人間の食文化ですが
もしも、人間が食べられる側に回ってしまったら・・・

読んだ人全員に衝撃を与え
文化、宗教、思想、哲学の問題に迫り
藤子・F・不二雄先生の新たな一面を世に知らしめた
SF短編『ミノタウロスの皿』を紹介したいと思います。
一生に一度は読みたい短編です。
SF短編は、S(スコシ)・F(フシギ)の頭文字ですが
Shinzui of Fujiko・F・Fujio 『F先生の真髄』とも思っています。
100を超える短編の中でも、特に人気があり
代表作の中の代表作といえるでしょう。


 < ストーリー>

○命に関わる緊急事態で、見知らぬ惑星に不時着する男
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 地球型の星に不時着
男が乗っていた宇宙船が故障する。そして
水も食料も全てが尽きる。到着した星は、酸素がある惑星で命拾いをする。



○男は、ミノアという美少女と仲良くなる。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 ミノアと仲良くなる主人公の俺
この惑星にも人間がいた。
男は、可愛いミノアと楽しい生活を過ごすが・・・



○恐ろしい真実を聞かされる。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 地球で言う人類にあたる支配者
この「イノックス星」では、牛の姿をした生き物が、世界を支配しており
人間は食用家畜として扱われているのだった。



○ミノアも「美味しく食べてもらえること」を誇りにしていた。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 ミノアの自信
美味しく食べられるように育つことが
人間の生活であった。


○男は「それはおかしいのでは」と力説する。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 食物連鎖の一環
牛は草を食べる。人類は牛を食べる。人類は死んで土になり草を育てる。
なので、この星での人類(牛)と家畜(人)の立場が違っていても、平等であった。



○ミノアが皿に乗るという知らせを聞く。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 ミノアの生きづくり 活け造り
ミノアは、料理されるために、すでに運ばれていた。
男は、調理場へ向かうが、時すでに遅し・・・



○そして、ミノアは食べられることを選ぶ。
藤子・F・不二雄 SF短編 ミノタウロスの皿 気分が悪くなる

ミノアは、体を食べられても、首が残っていれば
意識もある状態で、食べる者の声を聞くことができるという・・・



そして、ストーリーはこのまま進み
その惑星のしきたり通りに事は運びます・・・

読後、言葉にならない衝撃に襲われます。
けれど、この物語の世界は、マンガだけの話でしょうか。
一番下の画像の「首だけが残って耳は聞こえる」ところは
まさに人間が生きた魚介類を食べる姿
「踊り食い」そのものではないでしょうか。
他の生物の命を奪い、それらを食べることに対する
私たちの食文化における命題でしょう。
善悪の問題など遥かに超えた、思想的問題です。

私たちは、何を理由に、誰の権利で、動物の命を奪うのでしょう。
殺して食べる習慣もあれば、一方では虐待で罪という規則もあります。
この矛盾ともいえる同居は、何が基準になっているのでしょう。
そして、私たち人類が食べられる側になった時
そこに待ち受けるものは何なのでしょうか・・・


こうした疑問は、ほんの一部に過ぎません。
十人十色、百人百色・・・いや万人万色でしょう。
「ミノタウロスの皿」そして他のSF短編に潜むのは、作者が読者に送る挑戦状です。
F先生から「あなたはどう答えますか」と、問いかけられているのです。
そして私は、遅ればせながら、今こうして
ブログで語らせていただいているのです。



藤子・F・不二雄「異色短編集」ミノタウロスの皿に収録されています





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Last updated  2009.12.24 02:48:02
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