2010/08/12(木)03:10
楽しい、深い、渋い 「エスパー魔美」
エスパー魔美が
藤子F先生の、他のマンガと違うところは
いくつかありますが
女の子主人公という、珍しさだけでなく
大人の世界が多く登場するところかもしれません。
■ エスパー魔美 大全集 2巻
「エスパーコック」「スランプ」「弾丸よりもはやく」「エスパークリスマス」収録
■ エスパー魔美 大全集 3巻
「雪の降る街を」収録
それでは、大全集2冊から、魔美の活躍をのぞいてみましょう~
■ 料理中に爆発が起こる(笑)
親友の高畑くんのために、料理を作ると張り切る魔美だが…
■ 臭いも怪しい…
■ 自分で味見をすると… マズい… マズ過ぎる…
以上の話は、『エスパーコック』より。
■ パンダの赤ちゃんが欲しいとせがまれる魔美
おもちゃ屋のアルバイトで、サンタの服を着ていた魔美に
幼い女の子がやってくる。その子は、本気でサンタを信じていた。
貧しい家に住んでいる、その子の夢をかなえようとする魔美。
『エスパークリスマス』より
■ 世界の殺し屋vs魔美
いつも、楽な事件ばかりではありません。
殺し屋が来日したというニュースを聞いた魔美は
高畑くんに止められるも、果敢に殺し屋に挑む…
しかし、殺し屋の気迫に圧倒された魔美は、固まってしまう。
『弾丸よりもはやく』より
■ 若かりし日の魔美の父
魔美の父が、独身時代。
雪が降る街の中を、歌いながら歩いていた。
しかし、今も昔も、彼は非常にオンチだった(笑)
■ オンチな歌を笑う人がいた
■ 彼女はなんと、魔美の母(になる人)だった
■ 同じ道で、絵を描き始める
一目惚れして、運命を感じた女性に会うために
魔美の父は、彼女が通るのを見計らって
毎日、毎日、絵を描き続けた。
魔美の父と母の出会いを描いた作品『雪の降る街を』より
今日のメインは、『スランプ』という作品です。
魔美の超能力が、上手く働かず、スランプを迎える話です。
< ストーリー >
テレポートも、テレキネシスも、失敗ばかりが続く。
深く落ち込む魔美を、高畑くんは上手く励ます。
■ 魔美は犯人を追う
ピストルを奪った犯人を、魔美は追いかけるが
超能力が失敗して、犯人にぶつかってしまう。
■ 人質になってしまった魔美
超能力を発揮できなかった魔美は
ピストルを持つ犯人の人質になってしまう。
そして、犯人は、ひと気のない豪邸に隠れようとする。
■ かつて人気歌手だった任紀高志という男がいた
かつては、大人気の売れっ子歌手だったが
悪い人間に騙され、多額の借金を負っていた。
落ち目になった彼は、生きる気力をなくしていた。
■ ピストルを持つ犯人と出くわす
馴れ馴れしく声をかける任紀に、犯人は「撃つぞ」というが
任紀は、撃ってくれと頼む。彼は死ぬ気でいた。
■ 魔美は聞く
■ 人生というドラマは終わった
彼は、常に第一線でスポットライトを浴びていた。
脇役の仕事はする気がなかった。
■ かつての人気歌手が歌う
彼は、歌を歌い始めた。
そうすると、犯人も、昔の人気歌手であった、任紀だと気づく。
■ 犯人は、心を動かされる
■ 犯人の母親も好きな歌だった。
自分の過去を思い出し、泣き始める。
そして、犯人は自首するといい出した…
任紀という男は、歌で犯人の心を動かした。
犯人が涙を流して、自首するといった姿に
今度は、任紀自身が、心を動かされた。
彼は、自分の歌を見つめなおした。
そして、人生をやり直すことを決意した。
この話に限らず、エスパー魔美では
時々「自殺」の話が出てきます。
F先生の、難題への挑戦のようにも思えます。
この作品は、子供の頃にも読みましたが
大人になって読んだときの感想とは、全然違います。
今では、深く心に残ります。渋みがあります。
感動というのは、生きる力なのかもしれませんね