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カテゴリ:現代詩
ミッキーマウスの耳の帽子被った
まわりに おとなは いない 素直ないい子たちばかり ミッキーマウスと 一緒に居たい そう思った くちびるは いい子している そのくちびるで 写真撮ってもらっんだ まわりはみんな やさしいママで みんないい子たちばかり 恥を捨てる そうじゃないんだ もともとないんだ 恥なんて やりたいことが やりたいように できた はずなんだ そうなんだ 思い出させてくれたんだ ネモ船長の 潜水艦ノーチラス号の前で ぼくは はげしく嘔吐した おとなを 吐き出した ずるずると 吐き出した 吐いて 吐いて 吐き出した ぼくは 夢の世界へ 引き戻されて ちょっと おとなびてきた ちょっと背伸びしてみた そうして ぼくのまわりを みてみると ミッキーマウスの風船を 悪ふざけして 手を放し あっと言う間に 空高く 果てしなく小さく 空高く 手放してしまったんだ ミッキーの顔の風船は どんどん どんどん 小さくなって 大きな体躯の少年は 一瞬 絶対的な 孤独を 感じたんだ 大きな体躯の少年は 仲間と共に 居たんだが そのとき 確かに 感じていたんだ 絶対的な 孤独感 すると どこから来たのか すかさず すっと 寄ってきて やさしいママが 寄ってきて ゴミ片付けも放り出し 大きな体躯の少年に そっと近づき ささやいた ねえ きみ その手に残った 紐さえあれば きみの夢は かなえられるんだ ほんとだよ ほら きみの手に 残っていないかい ミッキーのハンドルがついた 紐がね 大きな体躯の少年は うん といって 大きくうなずいた いい子だ 背中に 極道 と書いてある 白いジャンパー着ていたけれど 大きな体躯の少年は 仲間のひとりに その白いジャンパー 着せてあげている とっても いい子になっている 冒険と 創造の世界へむけて 出帆の 準備はできたんだ みんな いっしょだよ この旅に 誰一人として 置いていっては いけないんだ それだけが 唯一の ルール 誰一人としてね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/06/24 05:29:57 PM
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