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カテゴリ:現代詩
過去になにがあったのか
ぼくの生まれる 31年前よりも もっと昔に 何があったんだろうか あのひとが 嫌い そう思っているんだ にもかかわらず 縁は非情 あのひとと ぼくとを 結び付けている あのひとが 嫌い 思えば思うほど ぼくは あのひとに 的にされ ぼくは ますます 反抗するんだ ますます ぼくは あのひとの悪口をいい ぼくは直接対決も 辞さない 31年以上前には ぼくは この世に いなかった この世に 恨みも 辛みも なかったぼくだ 精子と卵子の出会いによって ぼくは 31年前に 生まれてきたんだ そうして あのひとを 嫌っている 呪っている ぼくは あのひとの 的にされ ぼくは それを避けるため あのひとの 不完全性を追求する 追求すればするほど あのひとは 激昂し ぼくは あのひとに 嫌われる 縁は非情 ぼくとあのひとと この結びつきは ほぐれない 31年前に なにがあったんだろうか あのひとにとって ぼくは 存在のひとかけらもなかったはずだ 31年前には それが こうやって 縁を結んでいるんだ なにをぼくは 嫌っているんだろう あのひとにとってみれば ぼくが 肉体を持ち 意識を持ち ここに こうして 存在していること そうして 縁を結んでいるということ これは 感動的な 奇跡に違いないんだ 31年以上も前に あのひとに なにがあって 存在しないぼくに なにかの作用が働いたとしても ぼくが あのひとを嫌うより ぼくが あのひとを好きなったら どんな世界が 開けるか とても興味が湧いてくる 嫌うのは 簡単だ ぼくが変わらないでいるだけだから 好きになるのは エネルギーがいる 縁あるひとを 好きになる 31年前に なにがあったかわからない だから 縁があることに感謝して 嫌いになることを ありがたく受けとめ受け容れ まずは あのひとを 好きになる 縁ある人を 好きになる 好きになるということは ぼくを 変えるということ 嫌いということは ぼくを 変えないということ 変えないぼくは ますます 嫌われ ますます 置いてきぼりになる ぼくが好きな 方向に嵌る 悪くはない しかし 縁あるひとから 離れてしまう ぼくが行くところ あちこちで 縁が断ち切れ 恨みが残り ぼくの存在は 無残にも ボロボロになって 傷ついて 31年以上も前に なにがあったわからないことで ぼくは この奇跡的な 出会いを 不平を言って 通り過ぎようとしている ぼくは 変わろう 好きになろう いずれにしても 出会いは 奇跡なのだから ぼくの存在の 大切な 証なのだから 好きになろう ほんとうに 変わって 好きになろう 好きになろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/07/07 06:45:29 AM
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