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カテゴリ:現代詩ー愛
声がぼくを圧倒して
あなたは近づきがたいひとなんだ 落ち着いて 低音で 常に安定していて よく響く声 日常生活が 想像できないその声 あなたは それがバリヤーになっていて ぼくが間違いを 訂正しようとしても 受け容れてくれなかった あなたのよくできた質問は ときどきぼくを困らせる それはあなたが ぼくに なにを答えて欲しいのか ぼくがよくわかるからなんだ しかし ぼくには 答えがない あなたが想定している感動を ぼくはしていないからなんだ あなたは ぼくが あなたの思っている姿に 嵌っていることを 願っているみたいなんだ ぼくが あなたのその想定を ぶち壊す ようなぼくのほんとうの姿を晒すと とたんにあなたは無口になる 無口になって ぼくを無視し ぼくとの関係が 存在し得ない と思い込んでいるように感じるんだ あなたは あなたの想定を 完全否定できないで ぼくを無理やり 嵌めようとしている そうじゃないだろうか あなたは話がうまい と言われている 話はうまいんだ けれど あなたと酒を飲みたいとは思わない なぜなんだろう あなたは あなた自身のことを 少しも現していないし 質問されたことも ないんじゃないだろうか あなたってどんなひと? 声がぼくを圧倒して あなたは近づきがたいひとなんだ 落ち着いて 低音で 常に安定していて よく響く声 そう 近づきがたいから あなたは誘われない あなたは ほんとうは ぼくや他人に 近づいて欲しくないんだ 欲しくないんだ ぼくは ほんとうに興味が湧いてきた あなたの意識 いったいいつも なにを思い なにを感じているんだろう いったいいつも あなたは お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/12/17 07:47:14 AM
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