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カテゴリ:現代詩ー母系
第一子は流産した
第一子は 母にとって 無念だった そうして 生まれたのがぼくだ 母の期待を背負って ぼくが生まれた 母の期待がぼくのいのちだった ぼくが生きること それは 母の期待が生きること 期待によって ぼくは永らえた 永らえたんだ 期待によって いつも振り返ると 母がいた どこにいっても 母の視線を感じた だからぼくは 生きてきた 第一子は流産した 第一子は 母にとって 無念そのものだった そうして 生まれたのがぼくだ 母の期待を背負って ぼくが生まれた ある日 母はこっそりと念じたんだ ぼくの知らないところで こっそりと 念じた 死なないで そう念じたんだ きっと 健康で 丈夫でありますようにと 母はこっそり 念じたんだ その念力は ぼくを生かし 生かし続けて いまもそうなんだ きっと 母はいまも ぼくを生かしてくれている 母のいのちが ぼくに継承されたんだ 母のいのちが 第一子は流産した 第一子は 母にとって 無念そのものだった そうして 生まれたのがぼくだ 母の期待を背負って ぼくが生まれた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/01/29 06:53:08 AM
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