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カテゴリ:現代詩ー戦い
それを依存心だ
と言ってしまっては いけない 依存心と言ってしまったとたんに たぶん 自己を否定するだろう あるいは 見ないようにするかもしれない 依存心 だから自分は ダメなやつなんだ だから どうすればいい とはならない 手をつけられない 状態に陥っている そんな場合は 依存心とは言わない 言わないで 自分を見つめる 自分を見つめることが まず困難かもしれない それでも 自分を 見つめようとする意思が大切だ 大切な人を 失ってしまったとき 自分は 自分ではなくなる 自分は 自分で居ることができなくなる 分離する 自己分離する ボディから ソウルが 抜ける 当事者ではない 当事者では在り得ない そのように 自分が 自分で 自分を思いなす 思いなすことによって バランスを保つ 平静を装う つまり だから 自分は 大丈夫だと 思いなす ぼくから見ていて あなたは そういう状態で 日々生きている いや 生きようとしている それはわかるんだ あなたは ちゃんとやっていこうとしている それはわかるんだ ぼくは 行動したい そういうけれど あなたは 行動しない 行動よりも もっと手前で あなたは躓いているんだ あなたはあなた自身のことが わからなくなっている 自分自身のことは なかなかわからないだろう わからないから 逡巡する まず あなたの現状は 大切な人を失って そうして 相談できない状態に なっているということ ただそれだけのこと 相談できないのであれば 相談したかったそのことを 今度は どうすればいいのか 自分に問いかける そもそも その相談事項とはいったい何か はっきり自分でも わかっていないかもしれない あなたが求めていることは いったい全体何なのか それがわかっていない それがわからないことが 逡巡を更に逡巡させる もう堂々巡りなんだ 堂々と巡っているんだ あなたは 認めたくないことかもしれないが あなたが今まで居た場所は もうすでに失われてしまっているんだよ 失われた場所を 捜しあぐねている あなたは 当事者ではない そう思いなそうとしている 当事者ではないことによって あなたは 観察者になるんだ 観察者に徹すればいい あなたに無理やり 当事者になって欲しいなんて 言わない あなた自身が たぶん求めているのだから あなたは 観察者になればいい 観察者になって あなたは あなた自身を 観察すればいいんだ それが 自然なんだ あなたにとってはね あなたは 分離した自己によって あなた自身を よく見るんだ どんな状態なのか この自分は いま何を思っているのか この自分は どうしたがっているのか この自分は 何かたいへん重要なものを 隠し持っているのじゃあないか 疑ってみる 自分を疑ってみる 仔細に観察する なにか見えてくるのものがある それは何なのか しっかりと見据える 大切な人を失った そうして 相談したい その気持ちが ぼくをストップさせる ストップさせるが ぼくは待っている きっと元に戻るんだ 失われたものは きっと手元に返ってくるんだ そう信じて ぼくは待っている 待っている状態から 一歩も前へ進めないんだ 信じている 大切な人が 元に戻ることを それは 永遠性 永続性 変わらないこと 普遍性 ぼくは 普遍性に 価値を置いているのか 流転する世界で なにが変わらないものなのか 普遍性 ぼくが大切な人に求めていたのは このことなのか 大切な人は ぼくにとっての どんな普遍性を持っていたのか はたしてそれはなにか 大切な人の肉体か いやそうではなさそうだ ではそれは何か 声か 大切な人の声が聴きたい そういうことか それでは声とは ぼくにとってなにを意味するんだろう 失われた声を取り戻す どういうことなんだろう もし仮に 大切な人が 声を取り戻したとしたら どうなふうに ぼくに語ってくれるのだろう そう考えると ぼくは 失われたものが 手に入るかもしれない 大切な人を失った そのことは ぼくに もっと重要な事実を教えてくれる ぼくは 大切にしていた人の 一部しか 頭になかったんだ ということを 大切な人のすべてを ぼくは わかっているわけじゃなかったんだ ぼくは 大切な人の ほんの一部を ぼくの中で 咀嚼し 消化吸収していただけなんだ だから ぼくはそれを ぼくが 再生することはできるんだ 声 大切な人の声を ぼくは 解き放つんだ ぼくは 失われたものと いつまでも いっしょにいられる ぼくの中に それはあるんだからね いつまでも ぼくの中にね あるんだからね いつまでも ぼくの中にね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/02/23 10:59:55 AM
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