|
テーマ:愛しき人へ(903)
カテゴリ:そのほか
『60歳のラブレター』という 本がある。 50歳以上の一般の方が パートナーに向けて書いた 『ラブレター』が 紹介されているもので、 金婚式を迎えた夫婦、別居中の夫婦、相手が既に他界した方 による手紙など 実に様々だ。
現在 1~7巻まで発売されている。
ねおは この本が大好きで、 家にも本があるし、 図書館で見かければ借りたり している。
独身のときから 読んでいて、 『結婚して、こんなに時が経っても これだけの愛情がある 夫婦の関係って すばらしいなあ。』 と、掲載されている ラブレターを読むと感じていた。
*************************** 「『60歳のラブレター』に応募しようと思って。」
先日、 実家で ねおママが言った。
「へ? その本、私好きで よう読みよるよ。」 「あ、そーねー。」
締め切りを翌日に控えて ねおママは下書きを始めた。 へー。 オカンもそんなん書くんやー。 ちょっと 意外だった。 子どもとしては なんか嬉しい気持ちになる。
『婆ちゃんも 書けばいいやん。 爺ちゃんに。』 隣で裁縫をしている ねお婆に問う。
『やーばい。 恥ずかしかー。』 ねお婆は笑う。
ねお婆は 爺ちゃんと実に壮絶な出会いをしており、 ねお婆から 昔の話を聞く度に、 ”婆ちゃんの昔の話は ドラマにでもなりそうな程やなー”と 日頃から思っていた。
ねお婆は 本当に本当に 死んだ爺ちゃんのことを愛していて、 爺ちゃんの悪口を ねおは一度も聞いたことがない。
そんなに愛してるなら これに出せばいいのに。 そう思ったが、ねお婆は 字がうまく書けない。 そこで。
ねおが ねお婆の話を聞きながら 文章に起こすことにした。 『ねお婆が いかに爺ちゃんを愛して止まなかったのか。 字が上手く書けない ねお婆の代わりに伝えたい。』 そう思ったら 書いてみたくなった。
ねお婆の意と違う書き方になったら その時は 別に応募しなくてもいいよ、と言って。
何とか 手紙を書き終えた。
『婆ちゃん。 書いてみたけん聞いて。 そんなんじゃないって思ったら 言うてね。』 ねお婆の前で 手紙を読む。
最初は 『うん。』『うん。』と 一文ごとに相槌を打ち、 ニコニコしていた ねお婆だったが、 次第に無言になって 相槌は消えていた。
最後まで読み終える。
『・・・・・どうやろか?』
『・・・・・・・・うん。・・・・・』 ねお婆は 泣いていた。
『どぎゃん苦労してもねぇ・・ 爺ちゃんが好きだったったい・・・。 書いてくれてありがとう。』
ねおも泣いてしもた。
締め切りに 何とか間に合う形で ”ねお婆” と ”ねおママ”の 手紙は投函された。
なんか。 手紙書いてる間は ねおも 『ねお婆の若かりし頃』 に タイムスリップしたようやった。 昔の人は いろんな苦難を乗り越えて 夫婦になっている。
いい夫婦に なりたいな。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|