オフ2
来季から北の大地へと本拠を移す地味系球団が、このオフに限っては、やたらと話題を振りまいている。らしくないじゃないか、日本ハム。では、思いつくままにその動きを追ってみよう。<元メッツの新庄を一本釣り>守備力と話題力を併せ持つ、宇宙貴公子。その経済効果は200億円とも言われる。入団が有力視されていた横浜、ロッテの相次ぐ断念が、日ハム入りをアシストしたような感じ。入団の決め手が、「最初にオファーをくれた球団」だっただけに、「本人は在京球団を希望しているから」という理由で、早々に獲得を諦めたオリックスはもったいなかった。<浦学の須永を強行指名>ドラフト前は「読売以外なら社会人に」と頑なな姿勢を貫いていたが、指名後はあっさりと態度を軟化。紙面には「グラリ」なんて文字が躍る今日この頃である。日ハムは、どうやら提携関係にあるDバックスへの留学手形をチラつかせているらしい。<大型補強へ見境なし>その他、退団の噂を聞きつけるや飛びついた大物は数知れず。松井稼が五輪の魅力に負けそうになると、争奪戦への参戦をほのめかし、村松との交渉では、どこよりも金を積み上げた。10月の段階では、ローズの調査も行っていたようだ。……その金は、一体どこから工面するつもりだったんだ?違う、違うよ。日ハムは、そんな球団じゃなかったはずだ。もっと地味~な感じが素敵なチームだっただろう。<横浜からの新戦力>日ハムはこのオフ、横浜から金銭で中島、野中とトレードで横山を獲得。中島といえば強肩だけがウリのネタ系捕手。星野のボールを素手でキャッチしたという伝説も懐かしい。一方、横山は“大魔神の後継者”と期待されながら、メンタルの問題でチャンスを逃し続けてきた感がある。1999年のオフには「来年、結果を残したら、22番を下さい」と宣言したものの、あえなく不発に終わった。……日ハムは、金や20歳の有望株と引き換えに、パ・リーグを濃くしようと考えているに違いない。<揺れるマスコット問題>はたして“桃色珍獣”ファイティーはどうなってしまうのか?札幌移転に伴う新マスコットの発表から勃発したファイティー絶滅問題。先日、一応の結果が下り、来季は東京ドーム限定で出番をもらえることになった。因みに、新マスコットの名前はまだ決まっていない。……ネット上では「エロズリー」と呼ばれているが。<札幌ドームに洗濯機を> 日ハム選手会は、来季から本拠となる札幌ドームのベンチ裏に自前の「コインランドリー」を設置したいと考えているようだ。元選手会長の岩本は「練習とか試合中に洗濯機を回しておけば楽になる。皆で金を出しあって洗濯機を買って、置かしてもらえないか交渉したい」と真剣に訴えていた。うんうん、これだよ。この貧乏臭さこそが日ハムだよ。<札幌での住宅に苦悩する微妙な選手たち>新天地での生活に中堅選手らは戸惑っている。何しろ、2軍は千葉の鎌ヶ谷に残るのだ。それゆえ、安心してマンションを借りることができない。岩本などは「ホテル暮らしで様子を見ながら生活することになりそうだ」とコメントしていた。……うみゅ~。後ろ向きだが、お説ごもっとも。新選手会長の小笠原には理解できないキ・モ・チ。<阿久根に“いい人査定”>かつて、アマ時代に朴賛浩から本塁打を打った男が、わけのわからん査定で100万円のボーナスを勝ち取った。なんと、それは新庄に対して快く背番号1を譲った分の手当てなのだという。「新庄さんならいいじゃないですか。奥さんとも、1は細いから、僕にはあまり合わないかなと言っていた。丸い数字(結局9になった)がよかったので」フォローもバッチリ。それを聞いた新庄、関係者から阿久根の電話番号を聞き、感謝の意を伝えたのだという。因みに、阿久根は動物にも優しい。1999年にはヤンバルクイナなどの希少種の保存のため、1盗塁につき1万円を寄付するという誓いを立てている。……この際、プロ入りして盗塁0ってのは、忘れておこう。大事なのは、気持ちだから。