テーマ:野球のトリビア(237)
カテゴリ:野球
ヒジョ~に地味なのだが、オリックスの投手陣は今、
未曾有の危機を迎えている。まずは、これを見て頂きたい。 数字はチーム防御率である。 1950年 広島 5.20 1980年 南海 5.63 阪急 5.08 1983年 ロッテ 5.12 1985年 近鉄 5.10 南海 5.05 1990年 ダイエー 5.56 ご覧の通り、長い日本プロ野球の歴史の中で、 チーム防御率が5点を超えたチームは、 のべ7チームしかない。 ……7チームしかないのに。 なんと昨日、ウチのチーム防御率が6点台に突入した。 ありえない! にゃにゃにゃにゃい! ※ CX「はねるのトびら」の人気コント、 『栞と博のテーマ』より。因みにロバートの秋山、 15日が25歳の誕生日だったはず。おめでたう。 嗚呼、まさに“エヴリデイ火ダルマ”状態。 その様はまるで、織田の鉄砲隊にドンパチ発砲され、 バッタバタと討ち死にしていく武田の騎馬隊を思わせる。 一体、この由々しき事態の原因は、どこにあるのか? 答えの1つは、抑えの戦線離脱にあるだろう。 平井………SPでパ・リーグ新記録を達成(当時)。 鈴木平……日本シリーズの勝ち試合全てでSPを記録。 小林………1995年、オマリーへの14球は語り草に。 大久保……2001年の新人王を獲得。 山口………日本最速158km/hをマークした高速右腕。 萩原………投手転向2年目で守護神となったイチロー世代。 注目すべきは、ここに挙げた全員が、 抑えの切り札として2年連続で活躍できていないことだ。 今までは代替戦力をもって穴埋めをしていたが、 そろそろ持ち駒も底を尽いてしまった。 ファンの間では、離脱の原因を「酷使」と見る向きがあるようだ。 ならば、計算してみよう。 皆さんは、BFS(Batters Faced per Start)というデータを ご存知だろうか。木田優夫の愛読書でお馴染み、 「ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル」の著者、 トム・ハウスが提唱した先発の酷使係数である。 今回はその理論を応用・簡略化して、 以下のような公式を編み出してみた。 (打者数)÷(登板数) これで、1回の登板ごとに何人の打者を相手にしているかが わかる。ピッチャーの分業制が確立された現代において、 クローザーは最終回を3人で抑えるというのが理想的だ。 しかし、打たれたり、ロングリリーフなどをやったりすると、 商の値は上がってしまう。それはすなわち、 ピッチャーが消耗していることを意味する。 では2002年、各球団の守護神はどれだけ疲弊したのか。 さっそく見てみよう。 河原純一(読売)= 4.0 高津臣吾(ヤクルト)= 3.6 ギャラード(中日)= 3.6 バルデス(阪神)= 4.6 小山田保裕(広島)= 3.7 斉藤隆(横浜)= 5.1 豊田清(西武)= 3.4 岡本晃(近鉄)= 4.0 大塚晶文(近鉄)= 3.6 ペドラザ(ダイエー)= 3.8 小林雅英(ロッテ)= 3.7 芝草宇宙(日本ハム)= 4.6 さて、一方でオリックスの守護神たちはどうか。 平井正史(1995年)= 6.5 鈴木平(1996年)= 5.5 小林宏(1997年)= 5.9 大久保勝信(2001年)= 7.1 山口和男(2001年)= 6.9 萩原淳(2002年)= 5.4 あう。これは随分とわかりやすい。 まあ、確かにオリックスでは抑えのピッチャーが 変な順番で出てきたり、2イニング投げたりすることが 多いような気がする。特に21世紀以降は、 守護神が年間通じて固定されていない。 誰がどのタイミングで出てくるかがわからないのだ。 これでは、中継ぎが万全な態勢で試合に臨めない。 結果、パフォーマンスも落ちる。 首脳陣は中継ぎに信頼を置かなくなり、 不必要に先発を引っ張ってしまうことになる。 こうした悪循環の中で、個人的に心配なのは、 新人の加藤大輔である。酷使係数6.7。 先発が1度あるので、少しだけ値は割高だが、 近い将来に戦線離脱する危険性はかなり高いと思われる。 レオンよ、もう少し加藤を大事にしてくれ! 解決策は、1にも2にも投球制限を設けることだ。 しかし、例えば通算315勝のあの人なんかは、 こう言うだろう。 「今の連中は体だけデカくて、体力ないわ~。 投げ込みと走り込みが足らんのとちゃうか」 ……ハイハイ、草魂は永久に不滅ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.21 04:08:30
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