テーマ:野球のトリビア(237)
カテゴリ:野球
♪ 目と目で 通じ合う かすかに ん 色っぽい
目と目で 通じ合う そういう 仲になりたいわ~ んん~、この選曲にあまり意味はないのだが、 今日はプロ野球選手の「目」について語りたい。 “史上最強の指名打者”エドガー・マルチネス(SEA)は、 生まれつき目に障害を持っている。まっすぐ前を見た時に 右目が外側を向いてしまう。いわゆる、斜視だ。 視力に問題はないが、左目より右目の筋肉が弱い。 だから、目には人一倍、気を遣っている。 毎日、欠かさず行うのが目の運動だ。 円や四角形などの記号が書き込まれたカードを 様々な角度、距離で見て目の筋肉を動かす。 そして、試合開始15分前には、特製バッティングマシンから 飛び出す時速200kmのテニスボールに書かれた数字を 読み取って動体視力を養う。 首位打者を2回、打点王を1回獲得した実績を持ち、 不惑を迎えた現在も、チームの主軸として活躍する大打者。 その栄光の裏には、このような努力が隠されているのだ。 ※ 因みに、元オリックスのカルメロ・マルチネスは、 エドガーの従兄弟。1984年にはパドレスで リーグ最多の10犠飛を打ち、優勝に貢献している。 翌年には自己最高の21本塁打72打点を稼ぐも、 日本では不発に終わった。 高速で動く物体を見極める――。 実はこのエクササイズ、打撃の向上に効果覿面である。 テレビ朝日『プロ野球ってナンだ!?』という番組では、 過去にこんな面白い実験を行っている。 <仮説> どんなに速い球でも、慣れさえすれば打てるようになる。 <方法> 都内少年野球チームに所属する小学生の中から、 数人を選抜し、時速150kmのマシンをひたすら打たせる。 そして、1ヶ月……。 舞台は秋風が肌に冷たい西武ドーム。 小学生に立ちはだかるは、50歳を超えてもなお、 時速140kmの豪速球を投げる“人生先発完投”村田兆治。 勝負は10球。球種はストレートのみで、 予め投げるコースを宣言する。 <結果> 前回の企画で、ソフトボール日本代表の宇津木麗華に 完敗してしまった村田、またしても敗北。 パワーはまだ備わっていないものの、小学生は見事、 村田の直球を外野へ運んだのだった。 ∴ 仮説は正しかった。 イチローは子供の頃から、行き交う自動車のナンバーを見て、 右側2桁と左側2桁とを計算して遊んでいたという。 彼の常人離れした動体視力も、そんな幼い頃からの 習慣から養われたのだろう。 「目」に関するネタをもう1つ。 皆さんは、自分の「利き目」がどちらか、知っているだろうか? 人間がなぜ2つの目を持っているか。 それは、それぞれの視線をわずかにずらして、 目標を立体視するためだ。この時、脳では左右どちらかの 目から入る映像を無意識に優先し、もう片方を抑制している。 利き目とは、脳で優先される方の映像を送ってきた目のこと。 では、それを測定するにはどうすればいいか。 <ローゼンバッハ法> 両目を開いて目標を見ながら腕を伸ばし、指先でそれを指す。 そのまま、指は動かさずに左右の目を交互に閉じる。 左目を閉じても目標はずれないが、右目を閉じると指先が 目標から離れる場合は、右が利き目である。 <ホールテスト法> 2人1組で測定するやり方で、トイレットペーパーの芯など 目の大きさほどの穴が開いた道具を使う。 測定者は腕を伸ばし、この穴を通して検査者の顔を見る。 検査者から見て、右の目が見えたなら、利き目は右である。 利き目は多くの場合、利き腕と連動しているらしい。 ただ、アメリカの一部の研究では、利き腕は右なのに 利き目は左(またはその逆)という「交差性」を持つ選手が、 打撃をする上で有利なのでは、という報告がある。 例えば、利き目と打席がいずれも右という打者の場合、 バッターボックスに立ったとき、右目の視界は 鼻柱に邪魔され、狭くなってしまう。 片岡篤史は昔、こんなことを言っていた。 ガニ股で極端なオープンスタンスが印象的なツル。 これには理由があって、彼は利き目が左目なので、 視界が狭まらないように、体を開いて構えているのだとか。 ※ 因みに、片岡の「ツル」というニックネーム。 PL時代から呼ばれていたそうだが、これは片岡鶴太郎は 全く関係なく、首が長いことから付けられたらしい。 ここで、自分のことを考えてみる。 利き腕=右、利き目=左。交差性を持っている。 しかし、片岡と同じ右投左打。構えはオープンスタンス。 1996年後半のイチローに近い。 ……一応、理に適っているのかな? そういえば、昨日、歌舞伎町のバッティングセンターに 行ったのだが、面白いエピソードがあった。どうやら、 順番待ちの連中が、いろいろと批評してくれていたらしいのだ。 「あの肌の白さは北海道出身だよ」 「あるいは、白血病にかかっているんだよ」 「結構(バットに)当たっているなあ」 「あんなに軽く打っているのに、よく飛ぶなあ」 「オレも人生、あれくらい軽く生きたいよ」 「きっと野球をやっている人なんだよ」 「フォームが日本にいた頃のイチローみたいだね」 などなど。連れが教えてくれたのだが、 なかなか好き勝手なことを言ってくれる。 北海道出身というのは惜しい。住んだことはないが、 本籍は札幌だ。しかし、白血病ではない。 そして、軽くスイングしているように見えるかもしれないが、 実はそうでもない。あれを見て、人生を軽く生きていると 思われるのもどうか。 しかも、野球をやっている人でもない。 中学生のとき、1年だけ部活に入っていたが、右打ちだった。 左打ちを覚えたのは、大学生になってからだ。 面白いことに、左に転向してしばらくすると、 夢の中でも、いつの間にかその姿が定着してしまう。 「日本にいた頃のイチロー」というのも、甘い。 評論家ぶっている割には、アバウトな情報である。 イチローは毎年、マイナーチェンジを重ねているため、 マニアックなファンならば「○○年のフォーム」と 分析するはず。 まあ、しかし……、だ。 久しぶりに新鮮な笑いを提供してもらった。 クソ評論家ども、グッドラック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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