ねっぴぃ野球倶楽部~オリックスファンが書くスポーツコラム~

2007/01/26(金)19:56

英語

野球(186)

ヤンキースにポスティング移籍した井川慶が、 慌しいオフを過ごしている。 地元・茨城の野球教室で中学生に痛打されたり、 後見人に「金髪の彼女を作れ」と言われたり、 将棋親善大使に選ばれてみたり……。 そんな中、彼の通訳が決まったらしい。 その名も、渡辺弓太郎。 「……誰?」とか言うなかれ。 父親はなんと、あの元関脇・高見山(東関親方)! そう、高砂部屋入門当時、ちゃんこにケチャップを かけて食べていた、あのジェシーである。 ニバ~イ、ニバ~イ。 弓太郎氏は、2003年からヤンキースタジアムの 球場運営部で勤務していた。過去には、 長野五輪に裏方として参加したこともあるらしい。 特徴的なのは、その巨漢ぶり。 大食漢で知られる井川が186センチ96キロ。 それに対し、弓太郎氏はなんと、193センチ112キロ! 実績、体格ともに頼もしい。 しかし、弓太郎氏の存在より頼もしいのは、 井川のメンタルではなかろうか。 井川と英語といえば、思い出すのは あの前代未聞だった入団会見――。 壇上で促され……、 手元のカンペを広げて「ヨシッ!」と一言。 そして……。 「センキュー」 「アイ・アム・ケイ・イガワ」 「トゥデイ、マイ・ライフロングドリーム・  ビケイム・ア・リアリティ」 (ひと呼吸置いて) 「トゥー・ビー・ア・メジャーリーグ・  ベースボール・プレイヤー」 (会場)??!!! 驚愕した。 目線はカンペに集中! 発音は全てカタカナ英語! 巻き舌なし! 下唇も軽く噛まない!  いわゆる「棒読み」だ―――――ッ! 「井川、教科書の52ページ読んでみろ」 から始まるベタな学園ドラマの1シーンか。 なんと、発音どころか、 カンペに書いてある文字までカタカナだ! 途中の(ひと呼吸置いて)まで指示してある。 どれだけ親切なカンペなのか。  「……ザ・チャンピオンシップ・フォー・  ディス・グレート・シティー、ニューヨーク。  センキュー!」 (言ってやった!) そんな表情を浮かべる井川。 このスピーチに、ESPNの記事は……。 “Yanks' Igawa throws first MLB changeup, talks in English” (ヤンキース井川、移籍後初のチェンジアップは英会話で) CBSのコメンテーターも……。 「凄いわ。たった2日間の練習で英語を話せるようになるなんて」 「スタインブレナーの発音もちゃんとできていたよ」 これまで、メジャーの入団会見で英語を 披露したケースは、今回が初めてではない。 1997年、長谷川滋利(エンゼルス)。 2002年、田口壮(カージナルス)。 2002年、石井一久(ドジャース)。 2003年、大塚晶文(パドレス)。 2004年、高津臣吾(ホワイトソックス)。 2006年、城島健司(マリナーズ)。 コツコツと英会話を習い、その成果を存分に発揮した者、 拙いながらも、短い文章の中にユニークな表現を盛り込んだ者、 タイプは大まかに2パターンあったわけだが……。 今回は、そのどちらでもなかった。 英会話の練習はたったの2日。 拙く、長く、ジョークなし。 自ら認める「まずかった」入団会見……。 しかし、翻って図太いとも思う。 投手には必要な才能ではないか。 特に、異国でプレーしようという者には。 かつて、トレイ・ムーアと2人でよく お好み焼きを食べに行っていたという井川。 その時は、なぜか意思疎通ができていたという。 ふと、思い出した。 昨秋、凱旋門賞でフランスに行った時、 タクシーの運転手に知り合いが言い放った台詞を。 「ゴー・バック・ロンシャン、シルブプレ!  わかったか?」 英仏日、もう滅茶苦茶である。 それでも、タクシーは競馬場に戻ってしまうのだ。 井川も彼のように言葉の壁をあっさりと 乗り越えてしまう人種なのかもしれない。 さて、最後に素朴な疑問。 最近、茨城出身の井川は、捏造問題で騒がれている 納豆について、やはり心を痛めているのだろうか? 茨城県知事「納豆は好き?」 井川「嫌いです」 ハイ、ありがとうございました。 Please crick here !!

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