健康、長生き、アンチエージング

2006/09/14(木)06:10

脳死移植

疾病(623)

日本の国は先進国であって、先進国ではない。先進諸外国に比べ、遅れているところが多々ある。脳死移植についてもそうで、15歳未満のドナーからの提供は法的に受けることが出来ない。すなわち、日本では小児患者は臓器の提供が受けることが出来ないので、移植手術をすれば助かる命が死んでいる現状である。日本の医療技術の進展に法の壁が立ちはだかっているのである。法改正も一向に進んでいない。政治家が悪いせいであろうか!?心臓移植が受けられず亡くなった三木智博君(左)と姉(2004年8月、ドイツで)  埼玉県の三木智博(ともひろ)君は、小学5年生になったばかりの2004年4月、食欲がなくなったことがきっかけで、「拡張型心筋症」と分かり、入院した。心臓の筋肉の収縮力が弱くなり、全身へ血液を送り出すポンプ機能が失われていく進行性の病気だ。 心臓機能を上げる薬などを飲んだが、あまり効果がない。命の危険があり、心臓移植を前提に、心臓の機能を補う補助人工心臓の装着を勧められた。 「ただ、子どもの患者が日本で心臓移植を受けることは事実上、不可能です」。両親は主治医から、そう言われ、動揺した。 1997年に施行された臓器移植法は、15歳未満の脳死者からの臓器提供を認めていないため、子どもの患者は、海外で心臓移植を受ける以外に道がない。海外の病院へ橋渡しをしている埼玉医大病院(埼玉県毛呂山町)に転院し、6月に補助人工心臓を装着した。 治療費や渡航費など約8200万円が募金で集まり、智博君は7月、家族に付き添われてドイツの病院に入院した。そこでは、厳しい闘病生活が待っていた。 補助人工心臓を着けると血液の塊(血栓)ができ、血栓が脳に飛んで脳梗塞(こうそく)や脳出血を起こしやすくなる。智博君は翌2005年2月、一時的な脳梗塞を起こし、頭痛や手足のまひが現れた。 ちょうどこの時、臓器提供者が現れた。だが、智博君の状態が悪く、移植は受けられなかった。 「もう、だめかも知れない」。数日後、ベッド上で智博君は、初めて弱音を吐いた。両親の励ましで「やっぱり頑張る」と言ったが、3月に重い脳出血を起こした。翌日、意識を回復したが、話すことができず寝たきりになった。 「この状態では移植できない」と医師に言われ、昨年4月に帰国。一時、話せるようになったものの、再び脳出血を起こし、今年5月、12歳で亡くなった。 仲の良い友達とも離れたドイツ滞在中、「日本の食事が食べたい」「日本のテレビが見たい」と言って、日本での移植を望んだ。しかし、その願いはかなわなかった。 臓器移植法施行から今年6月までに82人の小児患者(18歳未満)が海外での心臓移植を希望し、44人が移植を受けたが、智博君のように移植を受けられないまま27人が亡くなった。 小児患者に立ちはだかる法の壁。臓器移植法は施行3年後に見直すとされているのに、見直されずに来月で9年を迎える。だが、先の国会に国会議員による法律改正案が提出され、見直しへ動き出した。 脳死移植 臓器提供ができるのは〈1〉本人が生前に書面で同意〈2〉意思表示できるのは15歳以上〈3〉家族も同意--の各条件を満たした場合に限られる。先月末までに48人が脳死判定され、47人が臓器提供し、178人の患者が移植を受けた。臓器提供者は年間3~9人にとどまる。[提供:読売新聞]

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