健康、長生き、アンチエージング

2007/03/22(木)06:34

ヒアルロン酸の効き目

疾病(623)

ひざの痛む人は多い。整形外科では変形性ひざ関節症には、鎮痛薬を用いるが胃腸障害も強い。原因療法的であるヒアルロン酸注射の関節内注射もある。医家向けでは関節内注射だが、一般薬として経口のヒアルロン酸が出ている。うちの母もこれを飲んでよくなった。痛い方は試されるといいと思う。ひざ関節内へのヒアルロン酸注射を受ける中辻さん(近畿大奈良病院で)  奈良県の中辻サザ子さん(72)は、10年ほど前から左ひざが痛くなり、5年前には右側も痛み始めた。初めは立ち上がる時に痛む程度だったが、次第に歩くのがつらくなり、3年前にはつえをつくようになった。寝返りを打つ時にも痛む。 「年のせい?」とあきらめかけていたが、一昨年、近畿大奈良病院(奈良県生駒市)で、整形外科教授の宗円(そうえん)聡さんの診察を受けた。 診断は、関節のクッションの役目をする軟骨がすり減る「変形性ひざ関節症」。ももとすねの骨のすき間がほとんどなくなり、骨同士がぶつかる状態にまで変形が進行していた。左ひざをかばううちに、右側も変形が進んだようだ。 関節液や軟骨の成分で、炎症を抑える効果のある「ヒアルロン酸」を、ひざ関節内に直接注射する治療を受けた。 当初は2週に1回、両ひざに注射。そのほか朝晩、鎮痛薬を飲む。3、4度目の注射で「少しマシになった」と感じた。その後、月1回に減らしたが、徐々に注射後はひざの動きが軽くなった。 1年たつと、右ひざはほとんど痛まなくなり、その後はもともと悪かった左ひざだけに注射した。 痛みが強かったころは体を動かす気になれなかった中辻さんも、風呂場で足を伸ばしたり、布団の上であおむけになって足を片方ずつ上げたり、少しずつ運動するようになった。 「今はつえなしで歩けます。外出もおっくうでなくなった」。ただ、昨年末、おせち料理作りで丸一日立ち続けた時は痛んだといい、無理はきかない。 宗円さんによると、ひざの関節内注射は、以前はステロイドが多かったが、現在はヒアルロン酸が主流だ。当初は、年齢と共に減るヒアルロン酸を関節内に補い、少しでも動きを滑らかにしようと始まったが、痛みの緩和効果が注目され、普及した。 同病院で薬物療法の患者を3年間調べたところ、ヒアルロン酸注射は、ステロイド注射や消炎鎮痛薬服用に比べ、痛みが軽減され、変形の進行も遅かった。作用は未解明な部分もあるが、関節を滑らかにし、わずかでも軟骨の修復を促す可能性もあるとされる。 基本的には軽症者が対象になるが、宗円さんは「中辻さんのように重症でも効果が表れる場合がある」と言う。 ただし、痛みの緩和が目的で、変形を完治させる方法ではない。長期間注射を続ける人も多いが、宗円さんは「注射に頼るだけでは進行する。痛みが和らいだ時には運動することが大切」と話している。 変形性ひざ関節症の薬物療法 炎症を抑え、痛みを軽くすることが目的。飲み薬、はり薬や塗り薬、座薬、注射薬がある。飲み薬は手軽だが、胃腸障害などの副作用が出る場合もある。薬の飲み方や量は、痛みの強弱に応じ、主治医に相談する。[出典:読売新聞]

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